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対話による科学振興の取組み

多くの方と同様に私も科学振興は日本の喫緊の課題だと考えています。
2021年5月4日火曜日日経新聞朝刊9面の私見卓見に以下の記事がありました。

イノベーションや役に立たない研究について、それぞれ誤解があるのではないだろうか。日本や世界の持続的な繁栄のために大学や人文社会学などを含む学術研究がどうあるべきか、行政や経済界、アカデミアなど所属するコミュニティーを越えて本当に議論できてきたのだろうか。普段意識しない人々まで含め、科学技術に関わる人々の間の「対話」こそがいま必要ではないだろうかと考える。

著者の馬場氏は上記のように問題提起をしています。

これはかなり大切な問いだと私も思います。記事タイトルは官民の対話をとありますが、産業界、行政、学会(アカデミア)、市民と色々な背景を持つ人が参加する幅広い対話はかなり大切だと思います。

この記事でも触れられていますが、筆者は「対話を通じた科学技術の振興を使命」日本科学振興協会設立に向けた準備委員をされています。この趣旨には賛同するので、私も賛同者として登録させて貰っています(2021年3月18日時点での賛同者は647名)。

様々な思いを持つ有志とともに、対話を通じた科学技術の振興を使命とした草の根型の組織「日本科学振興協会(仮称)」の設立に向けた準備委員会を2月に発足させた。科学誌「サイエンス」の発行元として知られる、全米科学振興協会(AAAS)を参考に、誰でも参加できるNPO法人を2021年中に設立する計画だ。


上記に関連したこととして、昨年2020年8月の日経記事では政治と科学のギャップを埋める取り組みもスタートしています。

工学や科学技術分野の産学官で組織する日本工学アカデミー(小林喜光会長)は7月上旬に「政策共創推進委員会」を発足させた。科学技術やイノベーションに関わる事柄について政治家と意見を交換しながら政策作りに取り組むことを目指す。6月には国会議員とアカデミーのメンバーが意見を交わすワークショップを開いた。政治と科学技術コミュニティーの間を連携させる動きとして注目される。

この記事に関連したnoteも書いているので、そのリンクも貼っておきます。


今後、政治との対話、行政との対話、アカデミア内での対話、産業界との対話、市民との対話と色々なレベルで科学についての対話が進むのは賛成です。是非そうした流れが継続して続いてくれるといいなと思うばかりです。

ただ、科学的な思考法と言いますか、科学的リテラシーはこうした対話においては最低限必要になるとは思っています。

文部科学省の定義によると、
 科学的(サイエンス)リテラシーとは、「自然界及び人間の活動によって起こる自然界の変化について理解し、意思決定するために、科学的知識を使用し、課題を明確にし、証拠に基づく結論を導き出す能力」である。


まだ、こうした対話に向けた途に就いたばかりですが、繰り返しになってしまいますが、本当に根付くといいなと思っています。サイエンスの話はアカデミアの方がすることが多いと思いますが、それ以外の方も興味を持ってもらいたいなと思います。

最初に引用した日経記事はこう締めくくられています。

日本と世界の持続的な繁栄のため、大学や学術研究はどうあるべきか。どうすれば科学技術が振興すると思うだろうか。対話が大切と感じるならば、個人として組織として何ができそうか、ぜひ対話に参加してほしい。

対話は色々な人が参加すればするほど、色々な視点・側面を持ち得ますので興味がある方は本当に参加してほしい。

#日経COMEMO #NIKKEI #対話 #科学振興 #日本科学振興協会 #政策共創推進委員会 #科学リテラシー

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黒坂宗久(黒坂図書館 館長)
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