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まずは、政治と科学の間に吊り橋を掛けるのが第一歩ですね!

気になる記事が出ていました。

この記事の書き出しはこうです。

工学や科学技術分野の産学官で組織する日本工学アカデミー(小林喜光会長)は7月上旬に「政策共創推進委員会」を発足させた。科学技術やイノベーションに関わる事柄について政治家と意見を交換しながら政策作りに取り組むことを目指す。6月には国会議員とアカデミーのメンバーが意見を交わすワークショップを開いた。政治と科学技術コミュニティーの間を連携させる動きとして注目される。

良い流れになることを本当に期待しています。

なぜなら上記の書き出しの次に以下のように続くからです。

「主要先進国には立法府と科学技術コミュニティーが情報を共有する場が必ずある」と、日本工学アカデミーの政策共創推進委員長に就任した永野博氏(日本工学アカデミー顧問)は話す。

この水野氏の発言は、日本には立法府と科学技術コミュニティーが交じり合う場所がないことを示唆しています。

科学技術が急速に発展している今となっては、政策立案において科学技術コミュニティーからの意見は必須だと私も思います。

悪い事例なのだとは思いますが、先日の大阪府知事の「うがい会見」がすぐに私の頭には浮かびました。

この会見を見ていて感じたのは、
 ・地位ある人の発言の重さ
 ・発表を踏み止まらせる人は居なかった?
の2点でした。

政治家の方は、何か発言したら「叩かれる」何も言わなかったら「叩かれる」とても大変なお仕事だなとは思っています。。。

この府知事のうがいの話は、政策立案という冒頭で紹介した記事と、趣旨が違うとは思うものの、根幹にあるものは科学技術に対する理解の不十分さの可能性があります。


日本には、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)があるのはご存じの方も居るかと思いますが、問題点はもちろん存在しているようです。

日本において、科学技術政策に関し大きな影響力を持つのは、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)だが、これは行政機関の一部だ。しかも現状では自然科学者や工学者は個人の有識者として会議のメンバーには入っていない。日本学術会議会長はCSTIのメンバーであり、会議には人文社会科学系も含め広く研究者が集まっているものの、国会や国会議員との間に情報交換のパイプを持ってはいない。

結局のところ、しっかりとした情報交換が出来ていないらしい。。。

また、冒頭で引用した記事には、以下のような問題点が指摘されています。

「科学者のだれと意見交換すればいいのか。役所に相談すればすぐに紹介してくれるが、それでは行政にとって都合のよい人とばかり付き合うのではないかとの危機感がある」
役所に頼らないとすると、政治家は古くからの友人や同窓生を相談相手として頼りにしやすい。科学コミュニティーに人脈が乏しい結果、必ずしも科学の世界を代表する意見が政治家の耳に入らないという事態をもたらしかねない。
「科学者が議員会館までやって来られる。話をうかがう機会は毎日のようにあるのだが、それが代表的な意見なのか。アカデミアのサイドでまとまって、代表者をはっきりさせてくれれば政治サイドとしては対応しやすい」

つまり、立法側は科学技術側に対して、ある程度のコンセンサスが取れた提言をまとめおいて欲しいということです。

そのために、工学アカデミーが動き出した、ということなんでしょうね。

日本工学アカデミーの試みは、科学技術や工学の専門家の側から政治に働きかけようとする前例のない試みだ。同アカデミーが6月にまとめた報告書「国会議員と科学者の政策共創実現に向けた提言」ではすぐにとれる方策として、(1) 国会図書館や議会調査局との情報共有
(2) 関心の高い若手議員との情報共有
(3) 科学技術・イノベーション推進特別委との協力
――などをあげている。


国会や行政からの要請があってから科学技術コミュニティーが行動をするよりも先手先手での活動は大切だと思います。

恐らく忍耐力が必要だと思います。科学的に正しいことが政治のうねりの中で掻き消されることも多々あるのだと想像してしまいます。

なので、工学アカデミーを個人的には応援したいなと思っています。

そのためには、立法・行政向けの働きかけと同時に一般社会向けの発信を同時にして欲しいなと思っています。

特に後者の一般社会向けの発信は、
・社会問題に対する科学技術の役割
・サイエンスリテラシーの啓蒙
・一般社会が実施可能な普段の行動例
など、出来ることは多いと思っています。

この話題は、ウォッチしていきたいです。

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