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【読書メモ】アフターコロナの生存戦略(成毛眞)【#18】

以前に同じ成毛さんが書いた「2040」
を読んでいたので、
既視感というか重複感というか、
方向性はほぼ同じでした。

ただ、「2040」の方が
様々なテーマについて書かれていましたが、
こちらは自画自賛というか
自慢というか、
そういうエピソードの紹介が多くて、
あまり得られるものは無かった感じです。

すごく感じたのが「マタイ効果」です。

マタイ効果というのは、
「金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に」
という現象で、
世界ではよく見られます。

ウィキペディアを見てみると
福音書からの引用が載っていました。

おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。
— マタイによる福音書25:29(口語訳)
あなたがたに言うが、おおよそ持っている人には、なお与えられ、持っていない人からは、持っているものまでも取り上げられるであろう。
— ルカによる福音書19:26(口語訳)
だれでも、持っている人は更に与えられ、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう
— マルコによる福音書4:25(口語訳)
だから、どう聞くかに注意するがよい。持っている人は更に与えられ、持っていない人は、持っていると思っているものまでも、取り上げられるであろう
— ルカによる福音書8:18(口語訳)
そこでイエスは答えて言われた、「あなたがたには、天国の奥義を知ることが許されているが、彼らには許されていない。おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。
— マタイによる福音書13:11-12(口語訳)

5つも書かれているということは、
この頃からあった普遍的な原理
みたいなものかと思います。

元々は研究者のことについての
揶揄のようなもので、
著名な研究者になる程、
共著や名義貸しみたいなことが増えるので、
どんどん業績が増えるという内容でした。

それが、一般的にも拡張されて、
金持ちにはチャンスも人脈もお金も集まって、
さらに金持ちになるという現象です。

世界の富が1%の人に集中してるのも、
この現象の顕著な結果だと思います。

で、本書に書かれている、
人脈とか
いろんなことに飛び込むとか
一次情報が云々っていうのも、
成毛さんの立場とお金と運があってできることで、
普通の人がやろうと思っても、
まずスタートラインに立つのに何が必要か
というところが問題になりそうな印象を受けました。

一方で、僕は内向的なので、
広く浅く、
人脈のhubになるような生き方というのは
全く魅力を感じないのですが、
外交的な人のロールモデルとして
すごくいいと思いました。

トライしてみるのはいいと思います。

本書には一つしか書かれていないのですが、
トライするときに気にしておく必要があるのが
「認知度」と「運」について
だと思っています。

あるテレビ番組でインパルスの板倉さんが、
「面白いから収入が増えるんじゃなくて、知名度が上がるだけで収入は増える」
「お客さんは面白いからお金を払ってくれているんじゃないから、勘違いしちゃいけない」
といようなことをコメントしていました。

これはすごく的を射ているように思います。

Youtubeやその他色々なメディアを見ていても、
面白いというだけではなかなか浮上できません。

後から参入した芸能人に
あっという間に抜かれてしまいます。

何かの拍子にバズって、
知名度が上がった瞬間に
面白さや良さが認知されます。

例えば、PPAPなんて全然面白くなかったけど、
ジャスティンビーバーが紹介しただけで、
世界的にバズりました。

あのバズりがなかったら、
PPAPのみの面白さでは、
あそこまで広く認知されることは
なかったと思います。

なので、面白いから広まる、
良いから、
実力があるから認知されるのではなく、
まず認知されて、
その後に面白さや良さが認識されていく
という順番は
疑いようがないと思います。

さらに、
それを踏まえて成毛さんは
自分の成功は「運」だと言っているところは、
非常に好感が持てました。

特にこの世代の人は、
年功序列が顕著なので、
能力が高くても1歳違うだけで、
ポストにつけないという事例を
山程見てきました。

大学の頃の教授・助教授を見てもそうですし、
現在勤めている会社でも同じです。

入社年が1年遅いだけで、
能力は高いけど部長になれない。

逆にいうと、
能力がなくて1日中Yahooニュースをポチポチ見てるだけのような人でも、
年齢が上だと優先的に部長になれる
という状態です。

そういう年功序列で
2流3流の人が上に立った時の悲劇は、
山口周さんの「劣化するオッサン社会の処方箋~なぜ一流は三流に牛耳られるのか~」
にもありますので、
是非読んでみてください。

その運的な要素を認めるのは大事だと思います。

もし、「俺の実力だ」といっている経営者がいたら、気をつけたほうがいい。

と書かれています。

ということで、
総合すると本書を読むよりは
「2040」の方が面白かったかなという感想です。

両方読むなら、
先にこちら、
次に「2040」を読めば
両方とも楽しめると思います。

おわり



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