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転調 〜明らかに潮目は変わっている〜


① 【経済教室】物価の現状と展望(上) 「2%」定着へ所得補填強化を

筆者の研究室では日本を含む5カ国の消費者を対象にアンケート調査を毎年実施している。これまで日本の消費者の間では物価は変わらない、据え置きという予想が大勢を占めていた。ところが22年5月実施の調査で初めて物価は上がると回答する人が増え、米欧と大差ない状況になった。その後、23年3月の調査でもその傾向が再確認された。つまり22年春を境に、物価は上がるものだという感覚を日本の多くの消費者がもつようになり、それが定着しつつあるということだ。
(中略)
 日本の交易条件(輸出物価を輸入物価で割った値)は、輸入価格の上昇に伴い、21年以降悪化してきた。交易条件の悪化とは日本人の所得が海外に流出することを意味し、21年以降の総額は20兆~30兆円の規模になる。所得を海外に奪われた候補の第一は労働者だ。実質賃金の低下はこれが表面化したものだ。もう一つの候補は中小企業だ。特にプライシングパワーが弱く、輸入コスト増を価格転嫁できない中小・零細企業で収益悪化が目立つ。これも海外への所得流出の表れだ。
(中略)
 筆者の試算では、仮に2%インフレが続けば、ゼロ%の場合と比べて政府は166兆円の得をする(試算の詳細は23年12月21日付の経済財政諮問会議資料を参照)。理由は単純だ。インフレで得をするのはいつの世でも債務者であり、日本で最大の債務者は政府だからだ。2%インフレへの移行で政府が多くの利得を得るのは驚くことではない。

日本経済新聞

渡辺先生の考えにはいつも多くの気づきを与えてくれるにゃ。

・実はインフレが本格化する前から人々の期待インフレは上がっていた
・実質賃金がマイナスなのはインフレに賃金が追いついていないからではなく、海外に所得が流出してるから
・所得減を補填する財政支援は、2%のインフレ率が続き限り理にかなった政策である

中でも期待インフレがかなり早い段階で上がっていたことが意外というか、今の株高局面も説明が付くし、盲点でしたにゃ。
そんな意識の変化は実際に株式市場でも現れ始めているにゃ⏬


② 【スクランブル】株、「売り手不在」で独歩高

「古参の投資家もショート(空売り)はもうからないと気づき始めた」。ベテラン個人投資家の村上直樹さん(44)は投資家仲間の心情を代弁する。
投資歴の長い層ほど日本株のレンジ相場の経験が染みつき、高値では相場反転を狙った空売りを出しがちだ。ただ昨年以降、相場の下落局面でも外為市場での円安・ドル高などが支えになり下値が限られた。株の売り手は思ったように下がらず、苦境に立たされる局面が多かった。
(中略)
空売りが増えていないことは、「逆日歩」が発生している銘柄の数をみれば分かる。逆日歩は空売りにかかる追加コストで、信用取引の売りが買いを大きく上回った際に発生する。株高局面で空売りが増える傾向にあり、逆日歩銘柄数と日経平均のグラフを重ねるとほぼ似た動きになってきた。
この相関が、昨年11月以降崩れている。日経平均は10月末比で3000円あまり上がったが、東証上場で逆日歩が付いている銘柄数は今年1月9日時点で263と、小幅な伸びにとどまる。
(中略)
日本株が長期低迷する局面では、上昇時に売りを出すことは合理的だった。相場の長期上昇を前提にするなら、この行動は変化する。逆張り個人が順張りに転じつつあるのは、この兆候かもしれない。 

日本経済新聞

レンジ相場の間は売り買いを繰り返せば簡単に稼げたかもしれないけど、長い長いトンネルを抜けたのならそれはもう通用しにゃくなるのは当然にゃ。こうした側面からも日本株は上昇気流に乗ったと見てよさそうですにゃ😸


③ 【Foresight】〈2024〉中国の不動産市場、回復見通し 商品価格は下半期に上昇へ:日本経済新聞

――中国経済をどう見ていますか。
不動産だけに注目していると、中国で進行中の経済構造の変化を見落とす。インフラ投資を原動力としてきた従来の経済構造を変え、長期的な成長に向けて家計の所得を増やし消費を拡大しようとしている。有力な手段として重点を置いているのが再生可能エネルギーやバッテリー、電気自動車(EV)だ。これらのセクターは非常に好調だ」
(中略)
――地政学的な緊張は、商品市場にどのような影響を与えていますか。
「ロシアと中東の2つの紛争で実際の資源供給は減っていない。ロシアの侵攻当初は欧米による制裁か、あるいはロシア自身による削減で供給が減ると懸念されたが、そうはならなかった。中東情勢も同様に生産量への直接の影響は出ていない。共に問題なのは海上輸送とロジスティクスだ
「欧米の制裁はロシアの石油の削減ではなく方向を変えることが目的だ。ロシアの石油は侵攻前にはヨーロッパまで3日で届いていたが、今は中国やインドまで45日かかる」

日本経済新聞

もっぱら悲観一色の中国景気が転調するタイミングを見計らうのも今年は大事ににゃってきそうにゃ。不動産不況ばかりクローズアップされるけど、確かにEVとかはBYDがテスラを抜いたりしてるから、安易に日本化しつつあると決めつけると投資においても機械損失につながりかねないから要注意ですにゃ。

きょうも株あがれあがれ〜

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