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不穏な足音


① 【Foresight】米国株上昇「終焉」、投資戦略は 砂糖や銀の割安さに注目

「世界経済の指標としてみている米国株は、2012~13年以来上昇し続けている。これは米国の歴史上最長だ。だが終わりは近い。上昇を続ける株の数は少なくなっており、悪い時代の訪れを予兆している」
(中略)
「人口減や移民受け入れに後ろ向きなど、日本には大きな問題がある。債務の膨張も続く。だが日本経済が来年に下り坂になるということではない。日銀はまだ上場投資信託(ETF)を購入する資金がある(ため株価が下がる可能性は低い)。円安を背景に観光業など一部の産業は恩恵を受ける」
「私は日本銀行がETFを大量購入するのに合わせてETFを保有していたが、かなり高値を付けた段階で売却した。日本では新たな世代が株式投資を始めており、資金流入の勢いがある。日経平均株価は4万円を突破するかもしれない

日本経済新聞

ジム・ロジャースさんといえば、ウォーレン・バフェットさんとジョージ・ソロスさんと並んで世界三大投資家と呼ばれるすごい人だけど、そんなすごい人が「悪い時代の訪れを予兆」とか言われたら身構えてしまうにゃ。確かに去年末あたりから今年の初めにかけてはみんなそんなようなことを言ってて、だけど株価は盛り返して楽観ムードが強まりつつある中でのこのお言葉。
そんな中でも日本株に対しては割と強気で、また特に商品には投資妙味があるとかおっしゃってるにゃ。その2つに関して、ちょっと気になる記事をきのうの紙面から見つけたから紹介しておくにゃ。

② 【Market Beat】食料インフレ、遠い収束:日本経済新聞

「原材料は長いトレンドでみると大きくは下がっていない」。食用油最大手の日清オイリオグループの久野貴久社長は11月16日の会見で顔を曇らせた。
国連食糧農業機関(FAO)が算出する世界の食料価格指数は直近10月時点で22年3月に付けた過去最高値から25%下がった。危機は去ったかのように見えるものの、新型コロナウイルス禍前の19年を27%上回る。長期にみると食料価格は上方シフトしてしまった。

日本経済新聞

まずは商品について。ここのところ商品価格は落ち着いてるなあというのが数字だけ見てて思ってたんだけど、長期的なトレンドでみればずっと上昇基調にあって、下落局面があったとしても一時的なもの、と捉えておいた方がよさそうにゃ。
そういう意味ではロジャースさんの言うとおり、今の商品市況は割安水準なのかもしれないにゃ。あと、川上に立つ企業はこの先も強さを維持できそうだからそういうとこの銘柄を狙っていくのもアリかにゃ?

③ 円に2つの24年問題 揺らぐ世界最大の債権国

通貨は国家の信用力を映す鏡にほかならない。とりわけ日本円は来年が正念場だ。2つの2024年問題が迫る。
1つ目は世界最大の債権国から陥落する可能性だ。日本の対外純資産は22年末時点で418兆円。2位のドイツは389兆円。ドルベースでは3.1兆ドル、2.9兆ドルだった。原理的には経常収支と対外純資産の増減はほぼ同じだ。
そこで国際通貨基金(IMF)が予想する経常黒字を基に23年末と24年末の日独の対外純資産を推計すると日本は3.3兆ドル、3.4兆ドル。これに対してドイツは3.2兆ドル、3.5兆ドル。24年に逆転する。
(中略)
日本企業にマネーを引き寄せる基盤である円の信認をゆるがせにはできない。海外投資家が円安でも日本株を買うのは世界最大の債権国だという安心感があればこそだ。
それが薄れれば日本企業の収益や株価をドルベースでみるようになるだろう。そうなれば円安による収益の底上げ効果は通じにくくなる。

日本経済新聞

もうひとつの日本株について。名だたる著名投資家が日本に強い期待を寄せてるベースには、この記事にあるように日本は世界最大の債権国という背景があったのも大きいのかにゃ。最近、GDPでもドイツに抜かれて、来年はさらに債権王の座も奪われようとしているにゃ。いずれも円弱とも言われるほど歴史的な円安のせいなので、ちょっと来年はさらに円相場の動向には要注意にゃ。

なんか年末3万4000円も怪しくにゃってきたにゃ。

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