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UAV あなたが知らない あなたの会社だけの強み - 顧客に選ばれ続ける「最強ブランド」のつくり方 | 彌野泰弘 著

UVA(Unique Attractive Value
という言葉を聞いのは割と最近の話でした。
一般的にUSP(Unique Selling Proposition)ということばはマーケ界隈にいる人なら聞いたことがある方が多いかと思います。
私の解釈ではプロダクト起点のUSPマーケット起点のUAVという強みの解釈を別の視点で整理すること。
というのが最もしっくりとくると思いました。
詳細は実際に本を手に取って読んでいただければと思いますが、非常に読みやすい本なので新しい観点を学びたい方にはおすすめです。
今回もAIに要約してもらいつつ、整理していければと思っています。





第1章 P&G、DeNAで学んだマーケティングの本質

第1章では、彌野さんがP&GやDeNAでの経験を通じて学んだマーケティングの本質について述べられています。マーケティングの基礎は、顧客のニーズを深く理解し、それに対応する価値を提供することにあります。P&Gでは、徹底した顧客調査と商品開発プロセスが紹介され、いかにして製品が消費者の生活を向上させるかを最重要視しているかが強調されています。また、DeNAでの経験から、インターネット時代のマーケティングのスピード感や、データを活用した柔軟な戦略の重要性が語られています。これらの経験を通じて、彌野さんはマーケティングの本質とは、消費者の本質的なニーズを見極め、それに応える商品やサービスを適切に届けることだと結論付けています。

著者の彌野泰弘さんはBloom&Coの代表を務める方です。
事業会社側のマーケで最前線で戦われてきたキャリアということもあり、非常に読んでいて面白かったです。特に広告代理店のマーケターというキャリアを歩んでいる私にとってはP&GやDeNAの当時の実態などは非常に興味深かった印象です。
その後Bloom&Coにてマーケティングのご支援を100社以上されているということ。そこから導きだしたフレームワークがUAVということです。


第2章 陥りやすい、「マーケティング5つの誤解」

第2章では、マーケティングにおいて企業が陥りがちな5つの誤解が解説されています。まず、「顧客理解の間違い」について。
顧客理解をする際に、顧客の声を収集することがあると思います。
顧客の要望を聞いて商品やサービスに反映させる。ただ、なぜか売上に直結してこない。そのような場合、顧客理解が課題解決に結びついておらず、むしろ悩みが深まっている可能性があるということ。
ありがちなのは、商品を買わない人買わない理由を聞くこと。そしてそれを一つ一つ解消していくことだそうです。
この場合、問題の溝は深まるばかりで、課題の解決に直結しにくいとのこと。つまり、買わない理由を無くしても欲しくなる理由がないと買わないということです。
顧客理解で大切なことはその逆で、購入してくれる顧客を理解すること。なぜそのブランドを購入するのか?を解像度をあげて言語化していくことが選ばれ続ける理由(=UAV)に繋がるということ。

この章では彌野さんが支援してきた100社以上の実績から、強いブランドには顧客(消費者)が商品を買いたい、サービスを利用し続けたいと思う理由がしっかりあるということ。加えてそれが明確に競合他社と差別化されていてコピーが難しいという特徴があるということであるとのことです。
つまり、顧客にとって魅力的な価値(=UAV)を開発することがマーケティングにおいて重要だということをおっしゃっておりました。

他にも残り4つの誤解
・意味のない「差別化」
・「自社の強み」の押し売り
・「認知神話」の盲信
・「ブランディング」の誤解
について丁寧に解説されていますので詳細は実際に本を手にとってご確認ください。(笑)


第3章 UAVがあると、なぜ「最強ブランド」になれるのか

第3章では、UAV(Unique Added Value: 独自の付加価値)が企業を「最強ブランド」に導く理由について詳述されています。UAVは、企業が市場で競争優位を確立するための鍵であり、他社と差別化する要因となります。著者は、UAVが単なる製品の機能や価格ではなく、消費者にとっての価値やブランド体験全体に関わるものであると強調しています。例えば、Appleやスターバックスなどの成功事例が紹介され、これらのブランドがいかにしてUAVを活用し、消費者に選ばれ続ける「最強ブランド」となっているかが説明されています。UAVが企業に与える影響は計り知れず、これを正しく見極め、磨き上げることで、企業は持続的な成長と顧客からの支持を得ることができると説かれています。

より具体的に実例を用いてUAVについて解説がされている章になります。
UAV自社の強み×顧客インサイト
のフレームに則り説明されているので非常に理解しやすかったです。

日本の多くの企業は高い技術力をもっているゆえにUAVに気づかないケースが多いとのこと。
つまりはプロダクトアウト(=USP)での考え方が根強いということです。
マーケットイン(=UAV)の考え方を用いることでより顧客に選ばれるブランド・サービスを展開できることを説明されているということですね。
非常にわかりやすかったです。


第4章 「顧客に選ばれ続ける最強ブランド」を実現するUAVのつくり方

第4章では、「顧客に選ばれ続ける最強ブランド」を実現するためのUAVのつくり方が解説されています。著者は、まず企業が自社の強みや市場でのポジショニングを明確に理解することの重要性を強調しています。その上で、UAVを見つけ出し、それを中心に据えたブランド戦略を構築するプロセスが示されています。具体的なステップとして、①市場調査による顧客インサイトの収集、②社内の強みと市場ニーズの整合性の確認、③競合他社との差別化ポイントの明確化、④UAVに基づいた一貫性のあるブランドメッセージの発信が挙げられています。また、実際に成功している企業の事例を通じて、これらのステップがどのように実践され、ブランド力が強化されたかが具体的に紹介されています。この章を通じて、企業が競争の激しい市場で勝ち残るための戦略的なアプローチが詳細に解説されています。

詳細は実際に書籍を手にとっていただきチェックしていただきたいので割愛しますが、普段から身近で実施している定性調査と定量調査を活用しつつUAVを決定していくというプロセスは非常に勉強になりました。
また、「ペインポイント」「購入ドライバー」「購入バリア」という言葉も重要なkeywordになると学びました。


第5章 UAVの効果を最大化する5つのポイント

第5章にて、特に印象に残っている部分としては「優れた戦略と優れた実行は両輪である」という部分です。まさに戦略が机上の空論で終わるケースはみなさん非常に悩みを抱える部分なのかなと思っています。どこがボトルネックで実行に障害をきたしているのか?そこをクリアにすることの重要性について説いていると私は感じました。非常に耳が痛いパートでもあったことが印象深いです。
また、マクロWHO/WHATとマイクロWHO/WHATについて詳細に言及されている章でもありました。
上流のブランドから下流の集客コミュニケーションまで、コミュニケーションが分断するケースもみなさんを悩ませるポイントなのではないか?と思っています。UAVで設定したブランドとしてのコミュニケーションを他のプロモーションや集客活動において軸として活用してくことで一貫性をもたせることが可能になるので、非常に実践したいフレームワークだと思いました。


第6章 強いマーケティング組織をつくる3つのポイント

第6章では、強いマーケティング組織を構築するための3つのポイントが取り上げられています。まず、1つ目のポイントとして「リーダーシップの重要性」が強調されています。リーダーが明確なビジョンを持ち、組織全体にUAVの重要性を浸透させることが必要です。2つ目のポイントは「組織文化の構築」であり、UAVに基づいた意思決定が自然に行われる文化を作り上げることが求められます。これにより、社員一人ひとりがUAVを意識し、顧客に対する価値提供に集中することが可能になります。最後に、3つ目のポイントとして「人材育成」が挙げられています。マーケティングの専門知識を持つだけでなく、データ分析やクリエイティブな思考ができる多様なスキルを持つ人材を育てることが、強いマーケティング組織を作る鍵となります。この章を通じて、組織全体が一丸となってUAVを実践し、強力なブランドを築くための組織作りの重要性が語られています。

端的にいうと人を見極める能力も必要だということ。
そのなかでも計画力と実行力という大きなくくりで見るということ。
更に細分化して自分の組織のスキルセットを言語化していくことでより成果を残せる組織を作っていくことができるということがイメージできた章でした。


おわりに

マーケティングにかかわる人であれば対象の商品やサービスの強みを言語化していくことは非常に重要だと思っています。
本書籍を読んで良かったと思うことは、強みを普段とは違った観点で考えることに尽きるなと個人的には思っています。
また、強みだけではなく、様々なことにおいても複数の多角的な観点をもっておくということも大事だと思いますので、そういった意味でも非常に私自身の視野を大きく広げてくれる。そんな一冊になったと思っています。

最後になりますが、書籍本編にはファミリーマートCMOの足立さんやnoteのCXOの深津さんの対談コンテンツなど盛り込まれておりましたので、ご興味がある方はぜひ手にとっていただければと思います。

KUROKO


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