2022年、「何が面白かったか」を振り返る ~ その3:漫画・ゲーム・企画物・イラストなどノンジャンル~

前2本の記事がみれていない人は以下からどうぞ。

今までの記事2つでは映像系の作品を取り上げてきたので、それ以外の作品をここで取り上げています。
なお、小説とかの活字が苦手なので、そういうのは基本的に守備範囲外なのでご承知おきください。

記事内での大枠のルール

  1. 2022年中に触れたエンタメ系コンテンツであれば基本的にノンジャンルで取り上げる。ジャンル分けは主観で適当に。

  2. 2022年中に触れたのであれば、旧作であっても取り上げていく。

  3. 順位付けとかしたいわけじゃないので、比較とかしてどっちが上とかそういうのはしない。

上記踏まえた上で、以下どうぞ。




漫画作品

珈琲をしづかに

昨年の作品ですが、完結巻を読んだのが今年だったので。
喫茶店を舞台にしたオネショタ(?)。お姉さん側の気持ちの揺れ動きが良い具合に表現されてて、まさに珈琲に砂糖を入れなくなっていくような成長物語になってました。


オナ禁エスパー

「汚いシンジくん」で今年の前半では最大瞬間風速がかなり出てた漫画。このぐらいの下ネタ、マジでちょうどいい。


ぼくらのよあけ

今年、アニメ映画化された作品(映画未視聴申し訳ない…)
12月前半に知人同士でやっていた「今年何が面白かったのか感想会」で推されてその場でポチったんですが、ラストのロケットのデザインで大号泣しました。

SF×団地×「幼少期の思い出」


タテの国

こちらも「今年何が面白かったのか感想会」で推されて読んでみた作品。
スマホの「縦スワイプ」が当たり前になったからこそ出てきた漫画作品。
縦スワイプという縛りから、冒険とSFを混ぜ合わせた上で「次元を押し上げていく」ような作品。
まさに中間60話過ぎぐらいからの盛り上がりがすごい。


バニーズクエスト

好きな作家さんがいつの間にか名義変わって新連載してる!!ってなった本作。「宇宙人が地球生活に触れる、日常系SF」という感じの作品。
ゆるかわいい


mono

ゆるキャン△の作者、あfろさんの「ゆるカメラ4コマ」漫画。
主人公の使ってるカメラがinsta360なのもあり、パノラマビューの景色が良く出て来て、その画角・構図の独特さとダイナミックさに度肝抜かれるのに、適度に4コマが緩くて面白い。


ショーハショーテン!

漫才の中身を、漫才師本人たちの視点からかみ砕いて解説させたうえで、しっかり面白い作品。
漫才の世界に触れてこなかった自分が、ここまでしっかり面白さを解説されたうえでちゃんとクスっと来るのは、「手品師がタネを明かしたうえでも、手品が成立している」ぐらいすごいと思っている。




イラスト・GIF・デザイン重視の画像・SNS向けなどの作品

重くて読み込まれない油絵

発想の転換、大好き。


ライブ会場で飛ぶクジラ

箱の規模だったり、客数だったりというのはあれど、こういうド派手なことして許される海外のライブすげぇや!!ってなりました。


カモレの夏

「写真×不思議なケモ男子イラスト」。「こういうの僕が好きなの知ってるでしょ!!!!!」って見つけた当初はガチ叫びしました。
昨年から知ってはいましたが、今年も素晴らしい作品が投稿され続けているので是非紹介を。文脈一切知らなくても漂う空気感だけでも吸ってもらえたら。


ピクセル服

脳みそバグり散らかす~~~!




ゲーム作品

Return of the Obra Dinn

1800年初頭の、東インド会社が全盛期の時代。
謎の失踪を遂げたオブラディン号が、数年の時を経て乗員・乗客の全員が消えた状態で突如港に帰ってきたため、被害状況を調べる保険調査員として「死体の死の瞬間」を見ることの懐中時計を駆使して船に起きた謎を解明していくミステリーアドベンチャー作品。

ゲームボーイなどのレトロな白黒液晶を思い起こさせるような独特なビジュアルで強烈に引き付けた後は、ゲームシステムとストーリーテリングが見事にマッチした形でがっちり心をつかみ、中盤~後半の「一気に謎がわかっていく快感」で締めていく良作。


Inscryption

カードゲーム?サイコロジカルホラー?TRPG風?脱出ゲーム?
ものすごい量のジャンルのゲームが入れ子構造のように折り重なった上で、一本の「謎」が貫いていることで秀逸な面白さになっている大傑作。

カードゲーム部分だけ周回できる公式MOD、楽しすぎてクリアしてしまった……


Slay the Spire

Inscryptionのカードゲーム部分、楽しすぎぃ!!って思ってたら、元になったといわれる「デッキ構築型ローグライト」の走りともいわれる本作にいつの間にか手を伸ばしていた。

高難易度には手を出してないですが、一通りクリアするまで狂ったように遊んでました……


Horizon Forbidden West

たまたまPS5購入権の抽選に当たって、購入後に最初にやってみた一作。
前作はプレイ動画でストーリーを抑えさせてもらって、そのSF設定の壮大さに惚れ込んで本作から実際のプレーをした感じに。

どうしても昨今の作品に多い「売れたら続編、やるかもね!!」的な締まりの悪いエンドを迎えていたなという印象のため、(続編やってくれるの!?ってわくわくできる人もいるとは思いますが)その点だけは個人的にどうしても評価しにくい。

しかしそれを差し引いてもゲーム体験としての価値は高かったように思う。
特にPS5のコントローラーに仕込まれたアクティブトリガー機能で、弓を引き絞る感覚がフィードバックされたのと、その影響で人差し指が筋肉痛になったのがマジで没入という意味でよかった。戦闘も慣れると非常に爽快。
何より、圧倒的なSFとポストアポカリプスの混ざった、「サイバー原始人」とも言える各種ビジュアルが本当に美しかった。


Stray

猫のかわいさと、サイバーパンクじみた世界観で相当話題になった一作。
自分も遊びましたが、短い尺に濃密な世界観としっかりした物語の展開があったのと、ラストのムービーパートのショットが個人的に大好きな演出なのもあり「終わりも良ければ、全て良い!」ぐらいの気持ちで遊べました。


7 Days to End with You

記憶をなくして目を覚ましたら、未知の言語をしゃべるが親切にしてくれる見知らぬ女性……女性の手を借りながら家の中の状況などから何をしゃべっているのかを推察していくゲーム。

どことなく言葉が通じないことであったり、それを教えてもらう感覚だったりが「ことのはアムリラート」の高難易度版という印象。

最終的に知人と二人で「どういう仕組みでこの言語が構築されているのか」まで丸2日ほどかけて自力で調べてみましたが、本当によくできた作品でした。




記事・企画・WEBサイト系・音楽・その他諸々

元・天才キッズ動画配信者の末路

小説チックな、ちょっと薄気味悪い感じの読み物として面白かったなと。


推しスタ – Oshista –

8カ月前で止まってしまっているが、「アート入門」としてめちゃくちゃ良い企画・シリーズだったなと。
アート、特に現代アートにはその作品がそうなるまでの「文脈」があり、その前提を知らないと楽しみ方がわからないという難しさが存在していたのを、藝大生という「キャラクター」「ブランド」の枠にはめることで伝えやすくしていたなと。

また学年が変わったら企画再開してくれないですかね……


連載「#物語の生老病死」(全4回)

連載中で語られていた「人間の4つの苦しみ、生老病死。生・老・病は当事者から話が聞けるが、死だけは想像することしかできず創作をすることしかできない」という言葉があり、ハッとさせられた記事。
生老病死感という生きてる間にふっと思ってしまう悩みに対してどこか一歩自分なりの解釈が進んだかなという気持ちになれました。


あんスタ!!ハロウィン広告

再帰反射塗料がちょうどいい時期に実用化・市販化されはじめたとはいえ、こういう遊びに使ってくるのは予想外であり、最高の演出でしたね。


マンガ『SPY×FAMILY』から見る、近代名作椅子のストーリー

ちょうどデザイン史に興味があった時期だったこともあり、そのあたりへの理解を進める一助になったなと。


部屋に響いた長女の悲鳴──山田ルイ53世、娘に“正体”を明かした一世一代の「ルネッサンス」

ぐいぐい引き込まれる、文書うますぎ太郎。


ルール無用JCJCタイムアタック

ホビー改造系の投稿者の人たちが、ミニ四駆の公式ルールを一切無視して最速を極めようとする、夏から始まった謎のシリーズ。
各位の発想力と技術力の高さに脱帽しながらめっちゃ笑わせてもらってる。

その上で、10年以上昔に現状最速の人よりも速いタイムをたたき出していた方がいたという事実が発覚して参加者が戦々恐々とし始めたあたり、完全に漫画展開じみてて大好き。


ゲームさんぽ /ライブドアニュース

ライブドアニュースさんが企画してる、特定分野のプロとゲームの世界を「さんぽ」してみるという趣旨の企画。

昨年より前からずっと企画自体はやってるが、ここ1年ほどだと古代ギリシア研究家の藤村シシンさんによる「HADES」回デザイナー/アートディレクターの有馬トモユキさんによる「APEX 」回、(ゲーム関係ないですが)千葉工業大学デザイン科学科教授の八馬智さんによるイギリス土木建築旅行の3シリーズが特にお気に入り。
特に八馬先生のドボク旅は、何周したか……土木建築の魅力がかなり学べたような気がします。


【なんでも使う】スプラトゥーン3で学ぶストリートカルチャー

ピクセルアーティストのAPO+さんのyoutubeチャンネルでの企画動画。同じくピクセルアートをやっていらっしゃるモトクロス斉藤さんがストリートアート文化に詳しいということで、スプラトゥーン3内でどのようにストリートアートの文脈が解釈・展開されているかを丁寧に解説されていて、触れる機会が少なかったストリートアートに対しての知見が深まったなと。


【復活?】残りの5割 のライブ配信【AIの話】

PALOW.さん、米山舞さん、FAMYさんのイラストレーターお三方が中心になってやってるイラストメイキング&トーク配信チャンネル「残りの5割」で放送されたAI画像生成にまつわる話。

昨今界隈を賑わせている「AI画像生成」「AIお絵かき」に対して、上記の3人が現状で思っていることや、今後の展望について、視聴者のコメントも広いながら丁寧にわかりやすくトークを展開されていたので、AI画像生成まわりで気になることがあるような人は試しにみてみるとスッキリするかもしれません。


桜井政博のゲーム作るには

スマブラのディレクターの桜井さんが、「ゲームってどう作っているのか」を解説してくれているyoutubeチャンネル。
ゲームという世界からの視点で話してくれてますが、概ね他の業種でも通じる根源的なお話や、愛猫がカワイイとかのほっこりするお話まで、実生活(?)に役立つ話ばかり。
自分がCG系の業界にいるのもあって、「わかるわかる」ってなることがすごく多いのもつい薦めたくなるチャンネル。


ドラマ「エルピス —希望、あるいは災い—」キービジュアル

アートディレクターの吉田ユニさんの作品。
既存のデジタル表現を、アナログなやり方でどうやって作品の世界観に落とし込むのかというこういった発想は自分はなかなかできないので、脱帽。


「余命一年、夫婦始めます」表紙イラスト

すごく明るい雰囲気なのに、不安定さをどことなく覚える一枚。
割とTLにあふれていそうなイラストな気がしたのに、今年見た中ではかなり印象に残ってるイラストだったなと。


Animator Creating Animation

純粋に好き。


彼女と旅行

さっきも言ったような気がするんですが、「僕がこういうの好きなの知ってるでしょ!!」って画面に向かって叫んだシリーズの一枚です。
文脈を感じれる出来のいい「イラスト×実写」は大好物です。


ケース・バイ・ケース / in the blue shirt feat.初音ミク

ゆるっとしてるけど、聞いてて楽しい曲。


Syphony in Acid

「WEB上で動くキネティックタイポグラフィ」
WEBで動くということは、あらゆるデバイスで、あらゆる形状の画面に対して、再生できるというインタラクティブアート的な側面もあり。素晴らしい。




※書ききってみて、感想

全部で記事3本にジャンルを区切りながら書きましたが、思い出して感想書き出すのには苦労する量なのに、これでもまだ「インプットすくないなー」と自分で思う次第です。

世の中、エンタメがあふれかえっているし、どのSNSでも視聴履歴などに基づいた「あなたへのオススメ」がすごくあるなと。そのために、一度誰かの「これ良かったよ」のフィルターを通した方が純度の高いエンタメに出合いやすいというのは自分も常日頃感じている次第ですが、それでもできるだけ新規で新鮮な作品との出会いを求めて自分なりに開拓をしないと本当の意味での「インプット」や「新鮮な作品との出会い」ができないので、そのあたり来年もまた楽しみながらいっぱい見れたらいいなーと思う次第です。

そういう意味では、この記事が誰かの「これ良かったよ」フィルターの一助になって、年末年始のエンタメ消化がはかどったら良いのかなーとは思っています。

というわけで、それではみなさん良いお年を~~~!!