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スケッチのルール

 ここで定義するスケッチとは以下の三点のルールを守って書かれた日記と小説の中間にある文章のことをさす。

◆スケッチのルール(暫定)

①実際に自分が見たものを書く。
②感情描写は入れない。
③おおよそ10分以内のことを描く。

 あくまでも、暫定的な定義なので、上記の三点を守れば、そのほかは自由に書いてよいということにした。後から記憶に頼ってスケッチを書いてもよいし、今、見ているものをそのまま書いてもよい。
 また、実際に体験をしたこと以外にも、視覚的な作品、映画や絵画について見た内容をスケッチで書いてもよい。
 こうして、最低限のルール設定をして、実際にいくつか文章を書いてみると、自分の記憶や目の前にあるものと書いた文章の間にズレができることがわかった。
 それは私の文章技術が拙いために現実をそのまま書けずに、デフォルメすることによって生まれるズレもあるが、多くは文章そのものが持つ特性によってズレが生じるのだ。
 視覚情報に比べて、文は伝えられる情報量が圧倒的に少ない。風景を文章で写しとると構造的に抜け落ちる部分が出てくる。
 この取捨選択、記憶の思い違い、先ほども書いた技術的要因、これらが複合的に合わさって現実から意図せぬ虚構が生まれる。

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