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【無料公開中】施策が進まない本当の理由とは?

 皆さんは職場で、『何を話し合う会議かわからない』『決めた施策の効果が分からず立ち消える』『上司に理由を尋ねてもはぐらかされる』などの経験はあるでしょうか?

 またはあなたが上司として、『施策に対して部下からの質問に対してうまく答えられない』『どうも指示した方向に進んでいかない』などの経験はあるでしょうか?

 大なり小なり、こういった経験がある方はきっと多いのではないでしょうか?

 これらの問題は、『目的』の捉え方と『目標』設定の仕方、それに伴う『手段』の構築に原因があると考えられます。


目的ドリブンの思考法https://book-tech.com/books/authors/望月安迪


 この本では、『目的』→『目標』→『手段』と順を追って考えていくことが重要なのだと解説しています。

私の理解としては以下のようになります。

  1. 『目的』ゴールとして、あるべき姿や解決したい課題の設定

  2. 『目標』道しるべとして、手段に対しての方向性や、手段による目的への進捗度を測る

  3. 『手段』どのように目標をクリアし、目的を達成するか

 『目的』から『目標』『手段』までの流れは、マクロからミクロへと辿っていくイメージで、常に『目的』以下を設定する際はその上流(目標であれば目的を、手段であれば目標と目的)との整合性を『必ず』確認し、『手段』を設定する際は逆説的に、『手段』により『必ず』目的を達成できるようになっているかを確認しなければなりません。


ドラクエのようなゲームで例えてみたいと思います。

目的の設定:ボスを倒したい
目標の設定:ボス攻略のために有利な最終奥義の獲得
     (それには中ボスの討伐が必須)
(小目標設定):中ボスを倒すために必要なレベル(Lv45を推奨)への到達
       ・町CまでにLv40
       ・町BまでにLv20
       ・町AまでにLv5
手段:道中の敵から逃げず経験値を稼ぐ


といった感じでしょうか。
 大きな目的「ボスを倒す」を達成するために、そのアプローチとして目標「最終奥義」獲得を選択しました。そこから小さな目標を経て、では目先どのように進めていくかの問いである手段は、「道中の敵から逃げず経験値を稼ぐ」とし、これが、目的に対しての具体的な施策となります。

 また、目標も段階的に設定することで到達度が分かりやすく、もし計画が破綻し手段の再考が必要となっても、目標が明確のため対策の思考範囲を最小にでき、対策が取りやすいのではないかと思います。
 もし町Bまでのレベル目標が達成できなかった場合でも、町Cまでに到達できていれば良いわけですし、または町B近隣で目標レベルまで上げることだって可能です。

 このように、手段が上手く作用しなかった、というのは現実よくあるものです。しかし目標をしっかり捉えていれば、計画修正もさほど大きな労力を使うことはないかと思います。

 さて、ここから少し難易度を上げてみます。


 このゲームを進めていくと、大きな問題が発生しました。

 低レベルであっても中ボスを無力化(≠討伐)する方法が見つかったのです!


さて、あなたならどうするでしょうか?
 レベルが低くても中ボスを無力化出来るなら、これほど効率のいいものはありません。
 すぐに飛びついてしまいそうなおいしい事案ですが、ここでは一度協議した方が良いでしょう。

 まず前提として、この新しい事案は、目標である『中ボスを討伐』ではなく「中ボスを無力化」なわけです。
 そして本来の目的、目標設定をみてみると、『ボスを倒す』ことが目的であり、そのために『最終奥義の獲得(中ボスの討伐が必須)』を目標としています。
 ここでの協議の議題は『中ボスの討伐ではなく無力化で、最終奥義が獲得できるのか』となります。
 もし、無力化では最終奥義を獲得できないとなれば、本来の目標をクリアできないため、この手段は『目的達成には無関係』なものとなります。

つまりここでの答えは、

  • 無力化でも最終奥義を獲得できるなら、無力化を目標に変更し、そのための手段をとる。

  • 無力化で最終奥義を獲得できないのなら、計画通りに、やはりレベルを上げて討伐する。

となります。


と、

かなりたとえ話が長くなってしましましたが…

 特に後半の『中ボスの無力化』のような、『手段を進めていく中で(または手段を考えている中で)、よりよい施策が発見された』場合などに、『目的』や、『目的』から設定した『目標』があらかじめしっかり設定されていても、それが直前ですっ飛んで、全く効果のない手段が突如として採用(変更)されることがよくあり、これも手段により施策が進まない大きな原因のように感じます。

 目的目標を設定せず手段を安直に考案してしまうことももちろんそうですが、このように目的目標としっかり考えていても、序盤で説明した、

’’ 常に『目的』以下を設定する際はその上流(目標であれば目的を、手段であれば目標と目的)との整合性を『必ず』確認し、『手段』を設定する際は逆説的に、『手段』により『必ず』目的を達成できるようになっているかを確認しなければなりません。 ’’

が出来ていないと、結果的には目的が達成せず、ピントの合っていない施策が横行し、目的もろとも風化します。

 常に『手段』に対して『目標』が監視をすることで、『目的』が見失われないのです。


ここで冒頭の問いかけに戻ります。

『何を話し合う会議かわからない』
 会議の『目的』を設定できておらず『ゴール』が分からなくなっているため起きている場合があります。会議の目的が『意見交換』なのか『方向性を決めたい』なのかで、話し合いをどこに向けていくのかが大きく変わります。

『決めた施策の効果が分からず立ち消える』
 『目的』→『目標』→『手段』の流れを辿れず、安直に手段を生み出すと、『目的』がしっかり定義されていないがために手段が散発的になり、『目標』が設定されていないので効果もわかりません。やる意味があるのかわからないまま進めることによって、だんだんと実行者の気持ちが離れていき、いつしか忘れ去られてしまいます。

『上司に理由を尋ねてもはぐらかされる』
『どうも指示した方向に進んでいかない』
『施策に対して部下からの質問に対してうまく答えられない』

 これも、『目的』が設定されていない、または共有されていないことによって起こります。やる意味を上司が理解していないと、いくら目的を設定されていても、上記のように気持ちが離れていき、思うような効果は得られません。


 特にビジネスシーンにおいて、『課題解決』は常に付きまとうテーマかと思います。
『課題解決』は『目的』『目標』を常に確認することで、結果に圧倒的な差が生まれる。
このことを念頭に、ぜひ社会生活に役立てていただければ幸いです。


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