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2020年スキルマトリックス(1):公表企業数は約50社に

昨年に続き、今年も日本経済新聞に私のスキルマトリックス分析の一部を取り上げていただきました。

スキルマトリックスについては以下の投稿をご覧ください。

上記の日本経済新聞の記事では紙面が限られていたこともありますので、こちらでは完全版を「2020年スキルマトリックス」シリーズとして、何回かに分けて書いていきたいと思います。

第1回の今回は概況ということで、公表企業・業種について取り上げます。タイトルの通り、今年の公表企業数は時価総額上位500社中49社となり、昨年の20社から約2.5倍になりました。日本企業初のスキルマトリックス公表が2016年だったことを考えるとこの5年で浸透率は0.2%から9.8%まで急上昇し、スキルマトリックス開示の慣行が急激に広まったと言えます。私が論文で日本語で初めてスキルマトリックスの有用性を指摘したのも2016年ですので、スキルマトリックスの日本企業への浸透は喜ばしい限りです。

また上記の記事では指摘されていませんが、業種的な広がりが見られたのも今年の特徴です。昨年は東証33業種中12業種で公表されていました。銀行や機械、化学といった業種では複数企業が公表していましたが、その他の業種では1社だけが公表している状態でした。今年は公表業種が24業種と倍増し、複数企業がスキルマトリックスを公表する業種も増加しました。

以下、今年スキルマトリックスを公表した業種・企業の一覧です。企業名の後の★印は今年スキルマトリックス初公表を示しています。

03:建設:積水ハウス★
04:食品:キリンホールディングス★
05:繊維:帝人★、ワコールホールディングス
07:化学:三菱ケミカルホールディングス、積水化学、富士フイルム★、資生堂★
08:医薬品:エーザイ、第一三共★
09:石油・石炭:出光興産★
12:鉄鋼:神戸製鋼
13:非鉄金属:三井金属★
14:金属製品:LIXILグループ★
15:機械:クボタ★、荏原製作所、栗田工業、ダイフク
16:電気機器:イビデン、安川電機、セイコーエプソン★、アドバンテスト★、太陽誘電
17:輸送用機器:日産自動車★、アイシン精機★、SUBARU★、ヤマハ発動機、豊田合成★
19:その他製品:ヤマハ、リンテック★
21:陸運:ヤマトホールディングス★、JR九州★
22:海運:日本郵船
25:情報・通信:KDDI★
26:卸売:伊藤忠★、三井物産★、住友商事
27:小売:すかいらーくホールディングス★
28:銀行:三菱UFJフィナンシャルグループ、りそなホールディングス、三井住友トラスト・ホールディングス、みずほフィナンシャルグループ
29:証券:ジャフコ★、野村ホールディングス★
30:保険:東京海上ホールディングス★
31:その他金融:日本取引所グループ
32:不動産:野村不動産ホールディングス★、パーク24★
33:サービス:電通グループ★

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