見出し画像

サンバのリズムを知ってるかい?

「天網恢恢疎にして漏らさず」

という諺がある。

あるだけで、今回の話には一切関係ない。
知識をひけらかしたかっただけだ。
マジで関係ないからすぐに忘れてほしい。
なんか良い感じの導入が思いつかなかったから、とりあえず難しい言葉を一旦言ってから、あとは書きながら考えようと思ったんだけど思ってた以上に無理だった。
己の力量を見誤るという大失敗。そういう日もある。

それはそうと。

少し前の話になってしまうが、noteのお友達であるマリナ油森さんがこんな面白い記事を投稿した。

途中で気づいた方も居たかもしれない。

この作品、僕の文体を模写してくださっているのだ。

マリナさんは、前回の記事で嶋津亮太さんの文体模写をされていたのだが、もはやその模写が「憑依芸」と評しても過言ではないくらい見事だった。

Twitterでそのお話をした際に

「次はお前だ」

と言われていたので、いや、そんな乱暴な言い方はされてないけど、そんなニュアンスの事は仰っていたので、首を洗って待っていたのだが。

よもやここまで完コピされるとは思わなかった。

すごいよマリナさん!!
あ、セクシーコマンドー外伝みたいになっちゃった。

でも本当に感動すら覚えた。
自分の文体のクセや無意識のうちのこだわりというものを、他人を通じて知るという貴重な経験はなかなか出来るものではない。

今回は、その感動を伝えるべく、こうして筆を執った次第だ。
今後自分の文章の“型”と向き合っていく為にも一度記しておこうと思う。

中には企業秘密すれすれの「逆佐亭流 ライティング術」を披露してしまう羽目になりそうなので、ある程度の期間を過ぎると有料記事にしようと思う。そうだな、二千年後くらいにでも。八万円くらい取ろうかな。



まずは、タイトルと見出し画像。もうこの時点で僕っぽい。
明らかに面白いネタ画像や、ゆるく笑えるポップなイラストは使わず、どちらかと言えば仰々しいというか、厳かな雰囲気を醸すようなものを普段からよく使う。あと絵ではなく、あくまでも写真を選ぶ。
タイトルの言葉選びもそうだ。ものすごく真面目な話になりそうな空気感を纏わせ、敢えて一回読み手に構えさせるように心がけている。
これは笑い(笑いに限らずエンタメ全般)の基本中の基本である、「緊張と緩和」の法則に基づいた一つの戦略である。
要するに、画像とタイトルの時点で「フリを効かせる」という事をしているのだ。
あの記事を書いた後にマリナさんが「意外と“だ・である調”を頑なに崩さない人」と僕を評していたが、これもまた先述した理由からである。なるべく仰々しく見せておく。まるで文豪のように振舞っておく。

で、いざ読んでみたら

「いや、内容しょーもなっ!」

と、なる。必然的になってしまう。
「真面目な顔して何馬鹿な事言ってんだコイツ」と。
それこそが僕の目指すところである。
ある種、読み手をふるいにかけるような印象を与えてしまうかもしれないが、決してそういう事ではなく
「さぁ、今から面白い話しますよ!皆さん!さぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!まずはこれが前振りで、そして、これが良い感じに伏線になっててですねぇ!そしてそして…はい!これ!究極のオチ!!どうですか!?面白いでしょう!?いやー、天才エッセイストあらわるの巻!!noteに舞い降りた最後の天使!!つって!違うかっ!!がははははー!!!!」
って感じの文章読んで笑えますか?と。
ハードルは事前に下げておくに越したことはない。勝率を上げる下準備だ。
最悪、スベったら「いや、笑わそうと思って言ったんじゃない」と言い張ればいい。逃げ道は残したいじゃん。絶対に。

例えるならば。
密かに想いを寄せているバイト先のお姉さんから「今ヒマ?」とかLINE(僕の時代はメールだったけど)が来て、本当は嬉しいのに
「しょうがないなぁセンパイ、また彼氏さんと喧嘩したんすかー?」
とか返信して、複雑な気持ちで恋愛相談に乗っていたら、
「君が彼氏だったら良かったのになぁ」
とか言われて、一瞬躊躇した後に勇気をMAXフルパワーで絞り出しながら
「じゃあ、俺と付き合っちゃいます?(笑)」
と返すときの、この(笑)くらいの保険。この小さな恋の魔法。
いや、これくらいは許してよ。酷だよ。俺、こんなに好きなのに。なんでそんなクソ彼氏なんかと仲直りできるような方法を作戦会議しなきゃいけないのよ。勘弁してよ。本心では一刻も早く、いや、コンマ数秒後にはもう別れて欲しいんだから。別れろよ。そんな奴やめちゃえよ。そしたら下手に「じゃあ、俺が一回話しましょうか?(笑)」とか、かっこつけて言っちゃった後に、たまたまバイト先に来たその彼氏がEXILEの後列右側辺りでアグレッシブに踊ってそうなタイプだった、みたいな悲劇が生まれずに済むじゃないか。ただただ、ニコニコするしかねーわ。返してよ、面目。格好つかんったらない。勘弁して。ホント。

まぁ、とにかく。
それを知ってか知らずか、あのタイトルと見出し画像。素晴らしい。

それから。
今もまさに書いてしまったのだが。

「まぁ、」

これ、すごく多用してしまう。
他には「は?」「〇〇おじさん」「……ん?」とか。
僕が今まで書いてきたものの中でも合計で二億回くらいは使ってきた表現だろう。少なく見積もって。口癖というものがあるように、書き癖というか。

あと、細かい部分での「逆佐亭あるある」にも、ニヤリとさせられた。

なんならバッハの行きつけだったドイツ最古のコーヒー店、カフェ・バウムでコーヒーを飲んだし、もはや時空を超えてバッハとお茶したと言っても過言ではない。飲んだのはコーヒーだけど。

この言い切ったあとの「〇〇だけど」ってやつ。即、自己否定するやつ。常套手段である。他には

ペダルを踏まずして何がピアノかと、先生の怒りにふれるたび舌打ちをしていたのだった。チッ。
(ピアノの足元に付いているペダルで一番右のは"ダンパーペダル"といいます)

()の中でその都度、注釈するという小賢しい手法、尚且つそのときだけ語り口を変えがちという模写も見事であるし、

あんなに嫌いだったのに、
俺、バッハとマブダチなんじゃないの?

“だ・である調”で徹底しておきながらも随所に口語を挟むのも逆佐亭あるあるの一つだろう。それも本当の意味での「普段の口調」という、真の口語。一人称だって全然変える。
ある種、ライティングの基本中の基本すら守らない。
素人の一番こわいところである。
格闘ゲームとか一切やったことない友達をボコボコにしてストレス発散しようと思ったら、そいつがボタン適当に押しまくるおかげで行動が読めない故に意外に苦戦する、アレだ。
でも、これもまた緊張と緩和というものを意識して意図的にやっている。いや、実はいろいろ考えてんのよ。こう見えて。
しかし、ここのチェンジングは本当に感動した。よく読んでくださっているのだな、と。

そんで、何よりも一番感動したのが。
お話全体の構成。
読めばわかると思うが、結局は
「余計なことすんなって散々言われたんだから、おとなしく普通に弾きゃいいのに、変にイキった美意識の所為でちょっと気取って演奏しようとする」
とか
「演奏しているうちに勝手に作曲者であるバッハに友達意識が芽生え、なんか距離感が近くなったような気(勘違い)がしたから、よくよく調べたら作曲したのが全然バッハじゃなくて、最終的に軽く逆ギレする」
という、このお話全体を纏う「馬鹿の波動」が、何よりも嬉しかった。
これこそが僕の目指している世界観だ。僕が常に纏っていたい空気感だ。
まさにそれを醸し出してくれた。細かい部分の模写も嬉しかったし、このメインテーマの再現性も本当に嬉しかった。
誤解のないように言っておくが、マリナさんご本人は聡明な方である。
それは普段の文章作品や、SNS等での立ち振る舞いからも窺い知れるところではあるし、何気に僕がオフラインで実際に顔を合わせた事のある数少ないnoteのお友達だからこそ、よくわかる。知性と品性と優しさを兼ね揃えた方だ。(たまに鋭い殺気を感じるときもあるけど)

そんな方が「馬鹿の波動」を纏ってくれたのだ。
「全集中 馬鹿の呼吸」をやってくれたのだ。
「飛天御剣流 馬鹿龍閃」を繰り出してくれたのだ。
こんなに嬉しい事はない。
本当に、こんなに嬉しい事はないって思ったよ。
マリナさん。ありがとう。


noteにはたくさんの人が居て、いろんな人が居て。
楽しい事とか、たまにはそうじゃない事とか、いろいろあるけど。

またここで遊ぼうね。

誘ってくれりゃ行くからさ。暇だったらね。あと気が向いたら。
だから僕が誘ったときも来てね。
勿論、暇だったらでいいし、気が向いたらでいいや。
あ、これはマリナさんに限らずね。

そんな感じ。

…とまぁ。
なんか、最後の最後で文体模写のとは違う、別の記事に対するアンサーnoteになってしまったが、とにかく感謝を、感動を伝えたかった。という事で。

しかし、完璧な模写だったな。

もう一回、入門しちゃいます?(笑) ←保険

画像1



御後が宜しい様で。



お金は好きです。