ここで風に吹かれてみたい〜本のひととき〜
柴田よしき「風のベーコンサンド 高原カフェ日誌」season1。
街の古本屋の店頭のワゴンで見つけた。
私は元来が食いしんぼうなのだと思う。本棚で目にとまるのは食堂やら和菓子やらコーヒーやら…食べ物に関わるタイトルばかりだから。
物語のヒロインは東京から1人、「百合が原」という名の高原に移住してカフェを開く。廃業したペンションをリノベーションして。
冒頭から料理の描写が瑞々しく、惹きつけられた。お皿の上の彩りまで目に浮かぶようだったから。
本格的な料理とは言えないかもしれない。
でも懸命に気持ちを込める。
高原の新鮮な食材を使って、食べる人の表情まで思い浮かべて…そんな気がした。
新しい土地、新しい暮らし。
これからの自分を作るために一歩ずつ積み重ねていく。季節の移ろいとともに、ヒロインの姿もたくましくなっていく。
彼女の料理を食べてみたいと思った。
心を伝えるのは、ことばだけではない。
想いはちゃんと、届いている。
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