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#14 話を聞かない子供と、プレゼンの共通点

息子5歳

好奇心旺盛である。
とにかく話したいことを話すが、人の話は聞かない。

今朝、妻と息子のやり取りをぼーっと見ていた。

「あのね、昨日届いたのは練習用の箸で、ここにマークがついているからそこに指を当てて、これで上手に食べられるようになったら・・・」

「うん、わかった!」(聞いていない)

「ちょっと!!そうじゃないここに指を・・・」

「わかったよ!!もうだいじょうぶだから!」(大丈夫ではない)

「こらー!ちょっと話を聞いて!」

「きいてるってば!でもこのおはし、むずかしいからぼくはちがうのがいいな」

「もうー・・・」

そんな感じ。

そこで息子にこう言った。

「これはスーパー練習お箸だ!これを使えると箸使いのヒーローになれる」
(息子の夢は”ヒーローになること”)

「え!ヒーロー!?スーパーおはし!?ぼく、はしつかいのヒーローになる!どうやってなる?」

「それはね、まず指を置く順番が大事なんだ。慎重にやらないと箸使いのヒーローにはなれない。最初にこの指をここのマークに置くと・・・」

といった具合で集中して持ち始めた。

好奇心旺盛で人の話を全然聞かない息子には話を聞いてもらうには、最初にキャッチ―な殺し文句が必要である。
息子にとっての明らかなメリットがあると分かるような殺し文句だ。

相手が話を聞くメリットを感じさせられなければ失敗だ。
だからインパクトがあるぶっとんだ殺し文句の方が効果的だ。

そのためには相手の興味関心がどこにあるのかの事前情報が重要。

ここまで書いてお気づきかと思うが、この流れ、仕事でのプレゼンテーションと同じである。

取引先バイヤー、会社上層部、さまざまなシーンでのプレゼンテーション。

多くの聞き手はこの時間にうんざりしている。
これだけ毎日忙しい中で、立場的に時間を作って聞かざるを得ない話だが、どうせ面白いものはないだろうと高をくくっている人が多い。
そのような人達にプレゼンをする際に、重要なことは言わずもがな「相手にとってどんなメリットがあるのかを相手の頭の中にイメージさせること」である。

自分の言葉で話す説明をしてはいけない。
用意した原稿を話すことを目的にしてはいけない。
伝わっていなくても、自分は精一杯伝えようとした・・・ではいけない。

相手の頭の中に自分が話した内容が自然に描ける状態を作ることを意識し、相手が何に興味関心があるかを知ったうえで、それに沿わせてイメージしやすい話し方、切り口を考えることが非常に重要になる。

プレゼンで一番大事なのは入り方だ。
まず最初に殺し文句が必要だ。

話を聞かない子供に話を聞かせるのとまったく同じ。

「え?なになに?なんだって?」
そういう驚きと興味を引き出せたら、あとは相手にとってのメリットを相手目線で話せば良い。

話を聞いてくれない子供と、仕事でのプレゼンテーション――
重要なポイントは同じなのだなと、気づいた機会であった。

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