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一人で苦しむ誰かのために、僕は命を使う。

まだ大学生だった頃、薬剤師になるために毎日を勉強へ捧げていた二十歳の頃、僕は医療介護業界に理想を抱いていました。
病気で苦しむ患者さんのために、多くの職種が一致団結し、困難を乗り越えてゆく。
考えるだけでも鳥肌が立つ、ワクワクしながらその一員になることを夢見て毎日を過ごしていました。

無事に国家資格を獲得し、ついに僕は念願の医療介護業界へ足を踏み入れました。
しかし、そこで目にした光景はあまりにも理想からかけ離れた世界でした。

たくさんの医療介護スタッフがひしめき合い、ただ慌ただしく時が過ぎていく。
一緒に活動しているのに、みんなひとりぼっちに見えてしまう。
誰かを救う余裕なんてあるのかと思うほどの状況でした。

時は経ち、管理者となった私は職員と二人きりで話す機会を頻繁にもうけるようになっていました。
何かをさせるためではなく、ただ相手のことが心配で設けた時間でした。
そこで見えてきたのは、ひとりぼっちで苦しむ職員が沢山いるという現実です。

患者さんを支える立場である医療介護従事者を誰かが支えなければ、この業界はいつまでも経っても好転しない。
なにが必要なのか、なにが足りないのか、日々考え続けていました。

そんな中、出会ったのが「言葉の力」でした。
肉体的健康は医療介護業界の得意分野ですが、精神的、そして社会的健康は中々アプローチが難しい。
しかし言葉の力があれば、精神的支え、そして社会的な支えになれると私は考え、「言葉の薬剤師」として活動を始めました。

目指す中でたくさん否定されました。

•しっかり収益はとれるのか。
•目に見えない、数値化できないものに取り組む意味があるのか。
•ただの精神論じゃないか。
•時間の無駄。

しかしなにを言われても、私の決意はまったく揺らぎませんでした。
僕が今まで話してきた人たちが笑顔になったのは、嘘なんかじゃない。
言葉には人を笑顔にする力がある。
人の人生を好転させる力がある。
僕はそれを信じている、だから毎日ひとりぼっちで苦しんでいる誰かのために、僕は命を使う。

医療介護業界だけじゃない、全ての業界で苦しんでいる誰かのために、僕は命を使う。

きっとこの活動は無駄にはならないと信じているから。
この世界がよりよい方向に進むためにも必要だと信じているから。
苦しんでいる誰かのために、僕は命を使う。

ひとりじゃないよって、多くの人に伝えたい。
これが僕の使命なのだから。


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