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消費増税の愚を忘れてはいけない。

4月に公表された消費総合指数をみると、今年1月の指数が97.3となっている。月例経済報告では「持ち直しの動きがみられる」ものの、「ウクライナ情勢等による不透明感」がみられ、「感染症による影響を 注視」とある。

今はもちろん、あまりいい景況ではなく、その主な原因がコロナ禍とウクライナ情勢であることは間違いない。だが、1点、見落としていることがないか。

こちらが、先の消費総合指数をグラフ化したものであるが、こうしてみると、1月時点の指数で、消費税増税後までは戻っていることがわかる。

内閣府 月例経済報告より作成

消費税増税前は、もちろん月によってバラつきはあるものの、おおむね100を超え、100~102あたりで推移していた。増税直前の2019年9月は駆け込み需要があって103.6と伸びているが、直後は大きく落ち込んで96.2となる。その後やや持ち直して同じ年の11月・12月には98を超えた水準である。コロナ禍の影響が本格的に始まる直前の2020年1月・2月は100に迫り、コロナ前の水準まであと一歩というところであった。

その後コロナ禍が始まり大きく落ち込み、現在は97~98の水準である。

つまり、今現在の水準は、消費税の増税直後、駆け込み需要がやや落ち着いてきたころとかなり近い水準なのである。

ということは、もし消費税増税がなければ、コロナ前の水準に戻っていたのではないか。

消費税の10%への増税は、直後にコロナ禍が始まったため、正しくその影響を評価するのは難しい。だが、この消費総合指数を見る限り、増税がなければコロナ禍前に戻っていると考えることは可能である。

私は安倍政権は全般的には支持している。が、消費増税は愚策であると言わざるを得ない(他にもいくつか支持できない政策はある)。日本では政治的な意味合いも含めて消費税は大きなインパクトがある。経済が本格回復する前の増税などするべきではない。

決して、その愚を忘れてはいけないのである。

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