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逆流性食道炎

君はいつも僕より素敵な歌を知っていた。
だから僕は毎晩、毎晩、君の聴いてる歌を探すんだ。
そうしているうちに僕は何者でもないことに気づいてしまった。
自分の付加価値を気にしてばかりだったが、僕にあるのは若さだけだった。
“若さにうつつを抜かす者は愚かだ。”
そう言い聞かせて止まないのは、僕自身がどう足掻こうとそれに囚われているからであった。
そしてまた、この世は腐っていると嘆く以前に、腐った世界に腐った僕が生きているのはとてつもなく理にかなっていると思わざるを得なかった。
いつからだろう。僕が相対的にしか物事を図れなくなってしまったのは。

栗山の一句
屁こき宣言した時に限って、屁が出ない現象ってなんなん?

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