今神栗八

TOEIC990、英検1級、全国通訳案内士、国連英検特A級。本業は衣料品等の販売代理店…

今神栗八

TOEIC990、英検1級、全国通訳案内士、国連英検特A級。本業は衣料品等の販売代理店の経営者ですが、英語好きが高じて、プライベート&英語学校で講師業も。「いまがみくりや」は、英語&小説用の名前で、"Imagine and Create"から。

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  • 3.小説

    文学にまつわる雑感、読書感想文、自作小説など。

  • 5. 批評・評論

  • 1:わがこと

    今神栗八のプロフィール、属性、ヒストリー、思想信条など。

  • 4:雑感

    英語や小説関係以外の雑感、徒然に思うこと、興味を惹かれたことなど。

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    英語雑感、英語講師業エピソード、英語イベント告知など。

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(P-00:最初ページ)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー プロローグ(リンク目次)

<プロローグ> P-01 プロローグ(1) P-02 プロローグ(2) P-03 プロローグ(3) P-04 プロローグ(4) P-05 プロローグ(5) P-06 プロローグ(6) P-07 プロローグ(7) P-08E プロローグ(8) <第1章「万三郎」> 01-01 第1章 万三郎(1) 01-02 第1章 万三郎(2) 01-03 第1章 万三郎(3) 01-04 第1章 万三郎(4) 01-05 第1章 万三郎(5) 01-

    • (22-06-08E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー エピローグ(6)~(8)

      六  斎藤と部下たちはたまったものではないだろうが、これが古都田社長なんだと万三郎たちは顔を見合わせてニヤリとした。 「社長、元気じゃん……」  そうつぶやいた瞬間、いきなり古都田に名前を呼ばれた。 「中浜くん!」 「はっ? は、はい!」  万三郎はびっくりして反射的にその場に立ち上がる。古都田社長は間髪入れず、二人の名前も呼んだ。 「福沢くん! 三浦くん!」 「はい」 「はい」  慌てて立ち上がる二人。たった今、祝賀会の和やかな雰囲気をぶち壊す社長のパワ

      • (22-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー エピローグ(1)~(5)

        一  何を言っているのか分からないが、ひそひそ話が交わされている。二、三人の男たちの低い声……。それがごくゆっくりと、意味のありそうな音の連続として意識の城壁の外から呼びかけている。だが、まだその会話の文脈を分析するだけの理性は戻っていない。ただ、聞いている。 「二人とも、息がある……」 「あの……白衣と袴で良ければ、着替え持ってきましょうか」 「恐れ入ります。お言葉に甘えます」 「こちらの女性へは……」 「智哉くん、司庁舎から巫女装束を」 「あ、神谷さん、分か

        • (21-16-21E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(16)~(21)

          十六  その時、掃き出し窓越しに、中庭に自転車が降って来るのが見えた。大枝の時とは違い、平屋建ての前方部分の屋根を越えて吹き飛ばされてきたのだ。映画ではない、実際の光景ではおおよそ考えられないことが起こっている。自転車は能舞台に斜めに飛び込んできて、大枝の頭をかすめ、さっき三人が瞑想していた辺りを直撃したのち、さらに奥まで舞台を滑って、松が描かれた一番奥の壁にぶち当たって大破した。車輪が横の橋掛かりを力なく転がって、座禅を組んだままの杏児の体側に当たって倒れた。  ユキは

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        • (22-06-08E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー エピローグ(6)~(8)

        • (22-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー エピローグ(1)~(5)

        • (21-16-21E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(16)~(21)

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        記事

          (21-11-15)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(11)~(15)

          十一  一台目カタパルト、万三郎。  二台目カタパルト、ユキ。  三台目カタパルト、杏児。 【hope】たちの誘導、案内役、ちづる。  ようやく妨げなしに【hope】の打ち上げが再開された。 「次!」  打ち上げ後の機械のメンテナンスを目視で行いながら万三郎が叫ぶと、次の【hope】がちづるに指示されて登場する。 「よろしくお願いします!」  万三郎は【hope】と握手をする。握った手がもはや痛むようになってしまっている。【hope】と目を合わせる。心の中で

          (21-11-15)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(11)~(15)

          (21-06-10)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(6)~(10)

          六  辺りの空間全体が、ぐにゃりとゆがむ。自分の足で立っていた雉島が吹き飛んだ。彼が放射していた念波のエリアも一瞬で消滅した。打ち破られたばかりの恵美の念波のエネルギーも雲散霧消した。そして、恵美も、ちづるも、杏児も、古都田も、新渡戸も、スローモーションのように吹き飛んだ。  皆が吹き飛ばされた方向と反対側に、万三郎とユキが立っていた。二人は、さっき杏児がちづると一緒に念波放射した時と同じ、並んで片手の手のひらを立てて真っ直ぐ前へ伸ばしたポーズを取ったまま、そのパワーの大

          (21-06-10)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(6)~(10)

          (21-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(1)~(5)

          一  古都田に意識がないのを認めた新渡戸は、それ以上古都田を攻撃しようとはしなかった。横を向いて、棒を持っていない方の手を口に当てて、吐き気に顔をしかめて上体を屈めた。 「おじ様ッ!」  恵美が古都田に駆け寄って跪き、大きく揺さぶる。新渡戸が悲痛な声を絞り出した。 「恵美ちゃん、すまない。親代わりの人を……。でも、こうするしかないんだ」  恵美は、ネガティヴィティー波を受けた胸のむかつきに加え、古都田が倒された怒りに燃えて、今まで見たことのないような表情で新渡戸を振

          (21-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十一章 祈り(1)~(5)

          (20-16-19E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(16)~(19)

          十六  そう言ったのは万三郎ではない。ユキが雉島の右背後から、万三郎の手首をつかんでいる雉島の上腕に斜めに手刀を振り下ろしながら言ったのだ。ところが、雉島は背後のユキに気付いていた。肩口から肘関節のあたり目がけて振り下ろされてくるユキの手首を、雉島は左手で素早くつかんだ。 「あっ!」  ユキが叫ぶ間もなく雉島は、手首をつかんだままの左手を、自分の頭の周りをぐるりとめぐらせて、万三郎とは反対側へ導いた。なされるがままにユキは雉島の左側へ回り込まされた。そうしなければ腕がへ

          (20-16-19E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(16)~(19)

          (20-11-15)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(11)~(15)

          十一  スピーカーから発せられたその宣言は、辺り一帯に焚かれたかがり火の光の届かないずっと先の方まで響いていった。光の向こうまで、すでにワーズたちで埋め尽くされているようだ。その声が群衆を撫でつけたかのように、チャントはざわめきへ、ざわめきは静寂へと入れ替わっていく。 「前の人から順番に、ステージへ」  最初の三人の【hope】が上ってきた。皆、吊り半ズボンに白ソックス姿だ。顔も本家と同じに見えるのだが、それこそ希望に瞳をキラキラ輝かせた、テンションの高そうな【hope

          (20-11-15)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(11)~(15)

          (20-06-10)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(6)~(10)

          六  その時、杏児の隣りで万三郎が手をポンと打った。 「分かった! このテンション、祖父谷たちが先にレシプロして、ここでワーズたちを盛り上げておいてくれたんだ」  すると、【hope】が笑いながら万三郎に答えた。 「ああ、そういえば、さっき祖父谷さんたちが来た。僕に以前のことすごく謝ってきて、それから皆の方に向き直って、急に古代の神官ばりに偉そうに胸張って両手広げて言ってたよ。 『聞け、ここに集えることだまの民よ。優れた三人のETたちが、まもなくここ、ことだま伊勢神

          (20-06-10)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(6)~(10)

          (20-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(1)~(5)

          一  防犯、防災の両方への用心から、雨戸のある家は雨戸を全て固く閉ざし、商店や事務所はシャッターを下ろしていて、人はもちろん、野良猫一匹街を歩いていない。  長引く停電で外灯はおろか信号すら消えている。樹木が暴風に翻弄されて起こる枝擦れの音も、路面を激しく叩く雨音のホワイトノイズに塗りつぶされ、他には何も聞こえなかった。  内宮の神苑を縁取って流れる清流五十鈴川。この川にかかる宇治橋のたもとに神宮をお守りする衛士の見張所がある。その見張所の前に杏児が運転する軽自動車がた

          (20-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第二十章 伊勢(1)~(5)

          (19-21-24E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(21)~(24)

          二十一  万三郎は、次に京子に手を差し出して、その手を握りながら言った。 「京子さん、今日どうしたの? とっても可愛いじゃない」  京子はちょっとムッとして言った。 「なんか、今まで可愛くなかったみたいな言い方やな」 「いや、まつ毛。今日、すごく自然でいい感じじゃない?」 「イヤやわ……」  京子はちょっと顔を赤らめて目をそらした。万三郎の記憶の中で、いちばん四葉京子らしくないリアクションだった。 「高速学習の副作用やと思うねんけど、まつ毛だけが生き甲斐の女っ

          (19-21-24E)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(21)~(24)

          (19-16-20)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(16)~(20)

          十六  民間車通行止めになっている名古屋高速はスイスイ走れるだろうと予想していた杏児の期待は裏切られた。凄まじい横風に恐ろしいほどハンドルを取られるのだ。ジャンクションを経由して伊勢湾岸自動車道に入ると、伊勢湾を渡ってくる暴風が横からまともにぶち当たり、ハンドルを切り誤ると、車体が浮いてひっくり返ってしまうのではないかと思われた。ヘリの副操縦士が、普通の台風の真っただ中と同じレベルだと二時間前に言っていた風は、すでに普通の台風のレベルを超えているのかも知れない。  小牧基

          (19-16-20)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(16)~(20)

          (19-11-15)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(11)~(15)

          十一  琴代志乃は、そこにいるように見える。鑑三郎の目には。  今の鑑三郎は、二枚の布を上下にうねる縫い針のように、リアル・ワールドとことだまワールドをほとんど瞬時に、自在に行き来していた。その意識の往復運動があまりにも早く、あたかも彼は、両方の世界に同時に存在しているように見えた。今や鑑三郎は究極のレシプロケーターだった。  志乃は、ことだまワールドで、鑑三郎が気に入って購入したこの中古の古民家と、同じ空間座標に存在していた。パラレル・ワールドにまたがる鑑三郎にとって

          (19-11-15)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(11)~(15)

          (19-06-10)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(6)~(10)

          六  杏児はハッとした顔で恵美を見つめ返したが、急にまた恵美の肩を持つ手に力を入れ、恵美を揺らした。 「恵美さん、頼む、教えて下さい。ちづるは僕と一緒に救助されたはずだ」  杏児は、恵美がまたうつむいて答える様子がないと分かると、恵美の肩から手を離し、三和土(たたき)から靴を脱いで板の間に上がり、さらに畳敷きのラボを奥へとすたすた歩いて行く。覚醒した時、この奥に、さらにいくつものカプセルが安置してあるのを杏児は見ているのだ。あの並びのうち、一つがちづるのカプセルだろうと

          (19-06-10)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(6)~(10)

          (19-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(1)~(5)

          一  雨と相当な強風の中、日本政府専用機は辛うじてJFケネディー空港を離陸し、上昇を始めていた。  揺れる機内の後ろの方のセクションは、帰国を許された在米邦人高官とその家族で満員だった。  そのセクションとはカーテンを隔てて、こちら側、随行員席のシートに、救国官たちは席を得ていた。横並びで、窓側から杏児、万三郎、そして通路を挟んでユキだ。まだ意識のないユキが横たわる席は、特例で離陸時からフルフラットに倒されていた。点滴を施され、体温や血圧や脈拍がモニターされている。

          (19-01-05)擬人化された英単語が地球を救う。はあ?【小説】ことだまカンパニー 第十九章 前夜(1)~(5)