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短編御題小説「電車」

短編御題小説「電車」

 僕はどうやら見えないらしい。

 そんなことを夕焼けで溶けるホームで思った。

 海に沈む夕日を目を凝らして見たが良く見えなかった。

 隣にはぐったりとした夕ちゃんがいた。ベンチで僕に寄りかかっている。まるで恋人みたいだ。

 電車が来る。僕は夕ちゃんの肩をゆすぶると、夕ちゃんは目が覚め、慌てて電車に乗る。僕も後ろに続く。

 電車の席はほとんど人がいなかった。僕と夕ちゃんは真ん中に

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