くりちょこ編集委員会のコピーのコピーのコピー

話したくなる聞きかた


コミュニケーションの基本は「上手にきく」ことから始まります。朝会や勉強会で、短時間でできるワークを紹介します。

良い聞きかた・悪い聞きかた

2人1組になって、まず話し手と聞き手と役割を決めてください。この2人で、1分間、会話をします。

話の内容は何でも構いません。最近の楽しかった出来事とか、好きな食べ物とか、気楽に話せる話題にしましょう。

そのとき、聞き手は、絶対に相手の話に反応しないこと。相手を見ないようにして、あいづち、うなずきも禁止です。スマホやメイク道具など小道具に逃げてOKです。
話し手は、楽しい話を続けてください。

1分経ったら第1ラウンド終了。

次に、聞き手・話し手の役割は同じままで、もう一度、同じ内容で会話をしてください。ただし、今度は、聞き手さんは相手の目を見て、うなずきながら、合いの手も入れながら聞いてください。これも1分続けましょう。

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ネタバラシをしてしまいますが、第一ラウンドで話しつづけるのは、かなりつらいです。(そして聞き手もかなりつらいです。)楽しい話題のはずなのに、何をしゃべっていいかわからなくなってしまいます。話が止まってしまう人もいます。1分を非常に長く感じます。

一方、第2ラウンドの聞きかただと、話し手のペースもはずみます。同じ1分でも、どんどん話が進んだり、深まったり、あちこちにそれたりして、1回目よりもたくさんの情報が入ってきます。

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あなたが上司の立場のとき、「話したくなる聞きかた」ができているでしょうか。

「ちゃんと聞くことは大事」とはわかっていても、忙しい職場では、目を合わせない、他のことをやりながら聞いている、質問もしないで「うんうんわかった」と切り上げる。よくあることです。
目上の人の話だと、比較的神妙な態度で聞けても、部下や後輩が相手だと、ぞんざいな態度になりがちなものです。

その態度は、「あなたの話には私の興味をひく価値がないよ~ん」を意味する無言のメッセージ。こういう聞きかたをしていると、語る側は伝えるべきことの半分も伝えられなくなります。

聞く側が、聞く姿勢をきちんと示せば、100話そうとしたら100、もしかしたら120も引き出せるかもしれません。これが〈話したくなる聞きかた〉です。上司として「聞きたい」姿勢をとれていないのに、「うちの従業員は報連相がなってなくてね…」なんて考えていませんか?

上司が忙しくて聞いてくれない人は…

逆に、職場では上司や同僚が「聞いてくれない」という場合もよくあると思います。
目下の者からできることとして、話しかける時に、相手が〈聞く〉態勢になれるように声かけを行なうことも大切なのです。しっかり聞いてもらえるようなシチュエーションを作るための働きかけです。

「ちょっと聞いてください」「今お時間いいですか?」など。これだけです。話を聞ける状況でなければ改めて時間をいただく約束をする。

相手の状況を確認せずに一方的に伝えるだけでは、伝わらないことも多いのです。伝えたいと思ったら、 〈聞いてもらえる〉状況を作り出す。伝えるためには、状況づくりも、必要なプロセスの一部なのです。

じっくり聞いてくれると、鋭い指摘がとんで来て逆に困る……ってこともありますが、それは大成功の証拠です。相手がちゃんと聞いているからこそ、疑問もツッコミどころも見つかるのです。

「なんとなくできている」を脱する

「コミュニケーションなんか、わざわざ勉強するもの?」とお感じの人もおられると思います。
実際、特別な知識を学ばなくても、コミュニケーション上手な人はたくさんいます。3歳児でもコミュニケーション上手な子がいますもんね。
とくに、すでに受付で働いている人は、コミュニケーションの素養が決め手で採用になった人も多いでしょう。

ですが、「なんとなく自然にできている」状態のままで、自信を持てていますか? もし下手こいてしまったとき、どこがまずかったのか、振り返ることができるでしょうか。
動物的勘や経験、慣れでうまくやってこれただけなら、3歳児と同じ。職業人としてのスキルとは言い難い。

「なんとなく」を脱して、「意識して」できるようになると、その能力はスキルになるのです。再現性があり、改善可能になり、人に教えることもできるようになります。


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