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真の宗教(目次)

今回は、アウグスティヌスの著作『真の宗教』について、少しだけ深く触れたいと思います。「アウグスティヌス著作集 第2巻」の解説部分には、次のような説明があります。

『真の宗教』は、ダカステで、389~391年に書かれたと推測される。同じ391年には、ヒッポの教会から招聘があり、アウグスティヌスは熟慮の末、召命としてその招聘を受け、助祭に就任し、396年にはヒッポの司教に叙階されるので、『真の宗教』は信徒としての最後の書物である。したがってアウグスティヌスの精神的内的発展の歴史からすれば、一時期を画する書物である。初期の哲学的著作群の中に入れられるけれども、分類としては後期哲学的著作群の最後に位置付けられる。

「アウグスティヌス著作集 2巻 真の宗教 解説 より引用

さて、この『真の宗教』なる著作の「目次」を次に紹介しておきます。


「真の宗教」目次
序文
1.哲学者たちは自分たちの学派の学校ではそれぞれ別の事柄を教え、他   
  方、同じ神殿で礼拝をした
2.ソクラテスの警告および彼の限界
3.人々を説得することができるとプラトンが信じなかった事柄を、真の宗
  教であるキリスト教は説得する
4.感覚的なものに固執するプラトン派の哲学者たち
5.どんな学派に真の宗教が存在するか
6.真の宗教はただカトリック教会の中にのみ存する。それはすべてのあや
  まった者たちを教会の前進のために用いる
第1部 作業全体の展望
7.カトリック教会の宗教は受け容れられるべきである
8.はじめに権威によって導かれて信じたものを、後に理性によって知解す
  る。異端は教会に役立つ。
9.二つの原理、二つの魂を主張するマニ教徒の誤謬
10.教会の中に誤謬が入り込む理由。神の支配と助けによって完全な宗教  
   が建設された。それはキリスト教である。
第2部 悪と再生(救済)について
11.すべての生命は神からである。邪悪は魂の死である。
12.人間の堕罪(だざい)と贖罪(しょくざい)
13.二種類の天使
14.神は自発的な意志から生じる
15,罪の罰は正しく、それによって回心へと向けられる
16.肉体となった言(ことば)は人間の最高の助言者である
17.旧約と新約の相違およびそれらは唯一の神に由来し、それぞれの目的のた
 めに必要であること
第3部 善の創造。悪は何処から
18.無からの創造。一切の存在、善は神から
19.神は壊敗されない。他の善は壊敗されうる
20.存在が悪なのではない。神の命令に対する違反、無秩序が悪である
21.すべての実体は善であり、悪は人間からである
22.不信仰な魂のみが宇宙の統治を好まない
23.すべての実体は善である
第4部 人間の救済の二様の道
24.権威の道、理性の道
25.神の礼拝についてはいかなる人の権威、いかなる書物の権威が信ぜられる
 べきであるか
26.神の摂理および救済のための六つの段階・時期
27.人類における二種類の人間の経歴
28.だれに、だれによって、どのように伝達されるか
29.救いのもう一つの手段、理性について
30.不変の法則、すなわち理性がそれによって判断する真理はその理性よりも
 すぐれている
31.神は理性がそれに従って判断するところの、かの最高の法則であり、理性
 にはそれを判断することは許されない
32.身体の中にも統一性の痕跡は存する。しかし、統一性そのものは場所時間
 空間的なものではなく、それを超越したものである
33.欺くのは身体でも身体の感覚でもなく、判断のほうである
34.思惟によって想像される空想は虚偽である。真の光のみが一切の判断の規
 準である
35.神を認識するために人は内的な平静を保たなければならない
36.神の言は真理である。なぜなら、完全な統一性は初めから神の中に存する
 からである。誤謬は事物に存するのではなく、罪に由来する
第5部 理性による神への期間
37.偶像崇拝の不敬虔は被造物への愛から生ずる
38.もう一つの種類の偶像崇拝。唯一の神に隷属しない人は必ずこの世の時間
 的なものに隷属していること
39.魂は悪徳そのものによって根源的な美を探求するように促される
40.身体の美、肉欲、罪の罰について
41.罪なる魂の罰の中にもなお美が存する
42.肉の欲は秩序を求めるよう促す。倒れたところを支えとして起き上がらな
 ければならないこと
43.人間の内奥に物体や時間の比例を判断する力が存するのはどうしてか。一
 切に先立つ形相
44.御子は神の像(イマーゴ)であり、それに従ってあるものは造られた
45.転倒は人間自身の失敗。唯一の主たらんとする傲慢の悪徳、徳への促進的
 契機
46.奪い去られることのないものを愛する者は打ち負かされることはない。隣
 人愛の形相
47.真の隣人愛
48.完全な正義とは何か
49.人は好奇心によって真理の認識へと促される
50.聖書解釈の原理。四重の比喩。
51.聖書の研究は好奇心に満ちた魂を癒し、それを養う
52.好奇心やそれ以外の悪徳も徳を発見する契機となる
53.現世における愚者の道と賢者の道
54.一切を善用する者と悪用する者との相違。タラントの教え
結語
55.偽りの宗教を去り、真の宗教へと向かうことのすすめ


全部で「55章」ある、『真の宗教』の目次部分になります。

次回からは、多少、余談を挟みながら、1章づつ、読み進めていきたいと思っています。

お付き合いのほど、宜しくお願い申し上げますm(__)m

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