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ガスの配管工 【1】19歳

ゴタゴタの中就職しました。
仕事自体は敷地内のガスの配管。子供の頃から手伝いでやっていたので、全く苦にはなりませんでした。
子供の頃から出入りしていたので、顔見知りのオッちゃんも沢山いた。僕はゆくゆくはオヤジの会社で一緒に働くための修行という事で親会社に正社員として入社した。2、3年働いてこいと言う事だった。しかし、ここからこの会社でトラブルが色々起きる。

エピソード0
初給料の時に、早速縁故就職の悪い所が露見してしまいます。入社時に話していた給料と実際に振り込まれた給料の額が3万程低くなっていた。僕はこう言うのを避けたくて縁故は嫌だと言っていたので、一応オヤジに話して会社におかしいと言いに行くと伝えて、社長室に乗り込んだ。社長に事情を説明しておかしいと伝えるとどうも総務の担当が勝手に手取りを総支給に変更していた。給料は元通りにしてもらえたが、総務の担当は18歳で金金言うなと言って来たので、

「あなたは給料今の半額でも同じ仕事をせえと言われたらするのか?」

と言うと、

「俺は子供もいてる。お前と一緒にすんな」

と言ってきたので

「給料は働いた対価で貰っている。子供がおるからとか関係ないでしょ。子供がいると給料増えるなら事務員の女の人は貴方より給料が高くないとおかしいって話になりますよ」

と言い返したら何も言わなくなった。その後、僕はこの総務のオッサンに金の亡者として扱われる事になる。

この仕事はペアで回る事が多く。入社したばかりの僕は先輩と2人で回らなくてはいけなくなりました。この先輩が強烈で、凄い迷惑な人でした。


エピソード1
どうもサラリーマンは残業で稼ぐもんだと言う考えの持ち主で、夕方の5時まで働かない。そこまでは車で寝ていたりして僕1人で現場で働くことになる。当然残業が凄い事になる。先輩は直帰で僕は会社に帰ってタイムカードを押して帰る。こんな事をしているうちに社長に僕は呼び出され注意を受ける。多い月で100時間の残業になっていた。

エピソード2
昼飯にわざわざ片道1時間かけて嫁を連れて来てイチャつく。

エピソード3
錆び止めの色には大まかなルールがあってその現場ではこの色にして欲しいと言われていたのに勝ってにブルーに塗って僕が意見すると怒られたので、言われた通りすると現場監督に呼び出され2人で1時間ほど怒られた。

以上の事があり、我慢できなくなった。僕は会社に全てを報告してこの先輩の元を外してくれないと辞めると宣言した。その事により別の人と組む事になる。その先輩はその後半年程でクビになった。当たり前だ。

次に組んだ人は歳がオヤジと同じくらいなので師匠とする。
師匠はイラチでメシとトイレは素早く済ませろとコンコンと言われた。
この時から僕はご飯を食べるのが人より早くなった。師匠も少し変わっていた。

エピソード1
タバコを常に吸っている感じの人で、カラダに良くないと言う事で1mgのタバコにするとなった。しかし今まで二箱だったのが三箱以上になった。あんまり意味がないように思ったので、それを師匠に伝えると物凄く怒鳴られた。僕には師匠が何をしたいのかがわからなかった。

エピソード2
鹿島建設のマンション群の現場で、僕の家からかなり離れていたので現地集合となった。朝の7時に僕が着くためには4時に出ないと間に合わなかったので、頑張って向かった。この現場は厳しくて朝礼に出ないと仕事をさせてもらえないとは師匠から聞いていた。だから絶対遅刻はするなと強く言われていた。しかし師匠は来ない。待っても待っても来ない。朝礼が始まり、一応僕も整列していました。朝礼で今日の作業内容と注意する所を職長が言わないといけない。僕の番がきました。僕は作業内容と注意点を言って次に現場監督がいこうとしたので良かったと思った瞬間。

「職長はどうした。何で職長が話さんのや」

と言われたので仕方なく、

「少し遅れてます。もう来ます」

と答えたら

「帰れ!今日はガスの配管は中止や」

と大人数の前で怒鳴られた。
当たり前だ。しかも当時まだ携帯が普及していなくて、ポケベルの時代で師匠と連絡が取れない。来るのか来ないのかがわからない。会社には事情を説明する電話をかけた。
すると事務員が師匠からFAXが来ていてそこに休むとだけ書いてあると教えてくれた。
僕は朝4時に家をでて3時間かけてはるばるやって来たのにFAXって何やねん。とかなりイラついたのを覚えている。
僕はやる事がなくなったので、前述の先輩の現場に行って欲しいと言われ、その日結局帰れたのは、夜中の2時。先輩は安定の5時までは働かないのでイライラしながら仕事をした。

そんなこんなで僕はこの会社で働くのは無理だなと考え出した所で、友達が大学行ったら4年間遊び放題らしいぞと僕を誘ってきた。まだ卒業して1年しか経ってないから予備校行って勉強したら何とかなるやろって話になった。僕はオヤジに全てを話して仕事を辞めて新聞奨学金をもらって予備校に自分で行く事にした。

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