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不動産屋営業【7】24歳

知り合いの旦那さんに誘われて、不動産屋の営業の仕事に就いた。
試用期間が2ヶ月でその間は給料25万を補償してくれるので安心して営業ができると思いました。
しかし働き始めてすぐにおかしな事が沢山でてきました。

エピソード1
入社して3日目、会社の電話にでてみると相手は整理回収銀行からだったので、社長にその事を伝えると何故か強く怒られる事になった。
当時整理回収銀行の意味があまりよくわかっていなくて、事務所内で社長に
「社長、整理回収銀行からお電話です」
と大きな声で言ったのがいけなかった。今ならわかるが、経営が火の車だったようだ。
先輩から聞くと僕の入る前の月に不当たりを出したみたいで、その時点でヤバイ会社だった。

エピソード2
それでも仕事はしていて、和歌山の分譲地にチラシを打ったからお客が来たら対応してくれと言われてその分譲地に車を停めて待機していた。
すると周りに人が集まってきて、降りてこいと言われた。
話を聞くとその周りの家も僕のいた不動産屋が家を売っていたようで、その家の壁が剥がれ落ちたり、天井が腐ってきたりしていた。
会社の方にはクレームを入れていたようだが、無回答でここまで来ていたみたいで、4家族に囲まれて会社に電話して上司を呼び出せといわれ会社に電話した。

「周りの家の方がクレームがあるから上司を呼び出せと怒っていますよ。主任か誰か来てください。」

「やっぱり来たか、そっちに行くと問題がおおきくなるからなー、なんとか言うてそこを離れてこい。」

と言われた。
とりあえず、クレームを全てノートに書きますので教えて欲しいと伝えて、ノートに書いて、もう一度会社に連絡したフリをして、誰もつながらないと演技をして、必ず伝えますので今日は一旦会社に帰って話し合ってきます。必ず答えを持ってきますので、と言う事で逃げてきました。
あの時は大人が本気で怒っていて、捲し立てられて逃げ道がなくて、正直怖かったのを強く覚えています。
その後主任に帰って聞くと、わかっていたようで誰もあそこの分譲地には行きたくないから何も知らない僕を使ったと言われました。
ブチギレて主任に後は任せましたから僕は知りません。と言うとわかったと言ってその分譲地に行ってましたが、裁判になったと言ってました。
当たり前ですね。

エピソード3
新しい分譲地で家を売るのに会議があって、チラシに今購入していただくと100万円分のお得がありますと打ったからその100万円ぶんのお得を考えてくれと言われて色々話し合って、社長に報告しました。その時に100万円分の割引になるのかと聞くと、

「そんなもんローンに上乗せしといたら良い、客はそんなもんわからん」

と社長は言い放ってました。これますますヤバイ会社だなと思いました。

そんなこんなで、一応営業はしました。テレアポも取りましたし、家を買いたいというお客様も出てきました。しかし僕は、自信を持ってこの不動産屋の家を売る事ができず。買うと言ってくれたお客様に住友林業の不動産屋を紹介していました。
売ると後からトラブルに巻き込まれるような気がしたので、試用期間の2ヶ月を働いてすぐに転職する事にしました。
ここでは住宅ローンの仕組みや、住宅金融公庫があるとか土地には建ぺい率があるとか営業をかける時の資料の作り方や資料の出し方、話し方を学びました。もう少ししっかりした不動産屋なら長く働けたのかなと思う。その後半年持たずに潰れてしまっていました。
当然の事だと思いました。

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