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"Fun経済"と"Good Locals"

今月に入り、奥さんカットを挟んで5ヶ月ぶりに美容院で髪を切りました。緊急事態宣言解除に伴い髪を切った方、多いんじゃないでしょうか。

さて今日書きたいなと思ったのは、そんな美容院でのちょっとした経験にインスパイアされた"Fun経済"と"Good Locals"という持論についてです。あくまで仮説なので、今後自分の中でも変わっていく可能性もあります。要点をまとめると、

Fun経済:「仕事も、イベントも、情報も、買い物もオンライン化が進み、自分にとって重要でない体験への消費は安価なもので済まし、重要な体験に投資することが可能になる。消費のウェイトは『必要なもの』から『好きなもの』にいくはず!」

Good Locals:「Fun経済を前提とした時にも、リアルに求めることの一つが人とのつながり。仕事のリモート化が社会全体では広がるのであれば、仕事以外での人との関わりは価値観や話の合う人と繋がっていたいよね。リアルで繋がる、地元コミュニティの重要度は相対的に高まるはず!」

どこの学者が言ったのでもない僕の持論なので、経済学や社会学に詳しい方は関連する通説などあれば是非教えてください。また株価や不動産価値に言及するものではないのでその点ご注意を。ちなみに石川善樹さん曰く、人とのつながりは長生きの秘訣だそうです。

これらの考えは仮説でしかないのですが、一方で僕自身は一個人としては魅力的に思う世の中でもあります。思考実験として、この仮説を正とした場合の社会の変化をイメージして、世の中で新たに普及しうるサービスについて想像を膨らませてみます。

感覚の定量化が進む・・・?

"Fun経済"も"Good Locals"も、その人にとってのということですから、これすなわちパーソナライズのニーズが拡大するとも言えます。そしてパーソナライズを提案する根拠としての定量化は、サービスの納得感を示す上で非常に大事。そんな定量的パーソナライズの手法が世の中に圧倒的に増えていくのでは、と思います。

teleport.orgは、海外好きな僕が、数年前からたびたびチェックしているサイトの一つです。ユーザーが居住地として大事にしているポイントや優先順位、現在の生活基準などを入力すると、世界中の都市の中から個人の好みにマッチする居住都市を提案してくれます。

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入力した情報に応じ、僕の生活選択基準に合致した都市が提案されました。唯一東京以上に合いそうだと提案されたのがシンガポール。あとはランキング的には、検討しても良さそうな選択肢はトロント、ソウル、ニューヨーク、ロンドンあたりでしょうか。シンガポールやニューヨークでも、生活予算は今よりも下がるですね。(本当かなぁ)

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ちなみに合わない方を見るのもまあまあ楽しくて、僕の場合はタンザニアのダルエスサラームとかキューバのハバナとか。テレワークだとしても平和に生きていきたいよと答えた結果、このあたりの都市は低く出てきたようです。

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ロジックの精度は一旦置いておいたとしても、ある一定の定量的な根拠が、teleport.orgをよくある占いや診断系サービスとは一線を画していると思っています。

より微妙な文化的志向の地域差が可視化される・・・?

次に、現在のteleport.orgの提案に感じる違和感を起点に、ここで抜け落ちている重要な指標について考えてみたいと思います。

ひとつは、この優先順位項目があまりに大まかすぎるという問題があると思います。例えば僕の場合"Leisure & Culture"の重要度を高めているのですが、美術館といっても好きなジャンルや展示の仕方などもあるし、映画といってもこれまた好きなジャンルや視聴スタイルもあります。気の合う人とコミュニティを作りたい"Good Locals"論者としては、感性の親和性についてはもう少し丁寧に分析をしてもらいたいところ。

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例えば、映画レビューサイトのFilmarksと言う国内の映画レビューサービスがあります。FacebookやTwitterとも連動し、また芸人さんやタレントさんなどの著名人アカウントなども公開され、フォローした人が視聴しレビューした映画についてタイムラインで見ることができるソーシャル機能が最大の特徴です。

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僕のレビューです。最近初めてゴッドファーザー観ました。

つまり、自分と趣味や感性が合いそうな人の映画レビューを参考にして、次に見るべき映画についてインスピレーションを沸かすことができるのです。「好きな映画なに?」って聞かれて、SFとかヒューマンドラマとかアニメとか答えるけど、実際のところの「好きな映画」ってもっと粒度の細かい情報じゃないですか。Fimarksのようなサービスに位置情報が合わされば、結構精度の高い"Good Locals"を見つけられると思いますし、逆に「感性」を評価する時にはそのくらいの粒度でないと意味がないのではと思います。なので"Good Locals"の実現を文化的側面を中心に考えると、teleport.orgのような提案を、Fimarksのようなアプローチで行えば、実現もありうるのではと思います。

人の流動化が進む・・・?

ちなみに、teleport.orgの更に面白いところは、提案された都市での仕事の紹介も行っているところです。人の希望居住地をベースにした、新しい形の人材紹介ビジネスですね。実はこの部分は今のテレワーク普及によりポテンシャルが高まっているのではないかと、ファンとしても期待したいところです。

もし僕がteleport.org開発の仕事に関わることができたとすると、人材ビジネスとしては本業に加え副業紹介ビジネスを提案したいです。また単発案件もたくさん集めて、収入のリスク分散を提供できるようにしたいです。これにより収入のリスク分散ができる環境が整った上で、不動産仲介ビジネスを始めることをご提案します。その際には良いコミュニティ作りを軸に居住地の提示ができるよう、Filmarksのような他社サービスとの連携からデータを分析し、可視化するアルゴリズムも準備しておきます。そんなサービスのキャッチコピーは"Good Locals, Good Life." これは某有名コピーのパクリですね。

以上、"Fun経済"と"Good Locals"という社会仮説に基づいたサービス仮説のブレストでした。「感性 x 都市」は社会構造が大きく変化しつつあるいまだからこその面白いテーマだと思うので、個人的にも今後考えを深めていきたいと思っています。

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