見出し画像

公文式に学ぶ成長のコツ

世界中で支持されている「公文式」という学習法がある。

「公文式」は創立者の公文公(くもん とおる)氏が長男のために1954年に始めた学習法が原型で、元々は海外の日本人駐在員の子供を対象に展開されていたものであったが、現在は世界中の子供を対象に世界48カ国で展開されている。

公文式の基本は「一人ひとりの子供の能力に応じた学習」を行うことだ。理解できる段階の学習から始め、達成感を味あわせて、学びの楽しさを得ながら、本人の実力より少しだけ上の問題に自ら挑戦させることを繰り返す。

この方法の合理性は体を鍛える訓練に置き直すとより分かりやすい。
例えば、腕立て伏せを30回できる人が、毎日25回やったとしても、100回できる様には永遠にならない。

30回できる人は翌日は35回を目指し、それができるようになったら、その次は40回と、実力の少し上に目標を設定し達成するというのを繰り返すことではじめて100回にたどり着くことができる。
また、出来る腕立ての回数が増えて行けば体を鍛える楽しさを実感することができ、目標達成に邁進する動機付けにもなる。

これは仕事でも同じだ。

100の能力を持っている社員が、90の仕事を1年間続けると、能力が90に落ちてしまう。
逆に120の仕事を与え続けると120の仕事をこなす様になる。

そして仕事に楽しさを見出せる社員は100から120へと伸びを示し、次は140へと伸びていく。

公文式が世界中で支持されていることからも分かるように、達成感の喜びと楽しさへの渇望は人が持つ不変の性質だ。
無理なくやれていること、無理矢理やらされていることは進歩も成長もない。

成長のコツの一つ目は今の自分の手の届く範囲より少しだけ上に設定することだ。
普通に手が届く範囲ではなく、頑張って背伸びをしてやっと届くか、出来れば少しジャンプして届くところを目標に置くと良い。
この設定が自分の実力からはるかに離れていると人はあきらめの境地に入ってしまう。

そして二つ目は出来ないことが出来るようになる感覚、分からなかったことを分かるという感覚を楽しむことだ。

楽しいことであれば多少無理目な目標であっても到達のために考え、努力することができる。ただこの楽しさは気分的な「楽しさ」ではなく、意志的な「楽しさ」でなければならない。

意思的な楽しさであれば多少のしんどい事でも苦労に耐える粘り強さを持つことができる。
「しんどいけど、楽しい」「厳しいけど、やりがいがある」という意識で仕事に向かう人が成長できる。

こういう人が集まる組織が強くなっていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?