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変化は突然やってきて仕事も組織も壊されるという事実

2011年の米国の同時多発テロの後、米国政府関係者は語った。
「備えは十分だった。だが脅威は我々の背後から予想を超える速度で突っ込んできた」
この台詞は、今、我々が直面しているコロナウィルスという脅威にも通じる。

コロナショックによってデジタル・テクノロジーによるイノベーションが加速し、既存のビジネスモデルが破壊されつつあることは誰もが感じていることだ。

今まで安泰だと思われていた世界に人知れず近づき、あっという間に広がっていくのがイノベーションだ。医療界や法曹界のような人智を活用するような業界でもイノベーションの波は迫っている。

イノベーションは大なり小なり淘汰を伴う。

2004年2月に音楽ソフトの大型チェーン店タワーレコードの親会社MTSが倒産した。この原因となったのはiPod と、インターネットによる音楽配信サービスだ。Sonyが開発したMD(Mini Disc)を駆逐したiPodが移動中の音楽の世界を席巻した。

2015年9月、世界最大の動画配信サービス事業者Netflixが日本でのサービスを開始するとローカルレンタルビデオチェーンを駆逐し、レンタルビデオ業界の王者であったTSUTAYAを駆逐しにかかっている。

他にもCDの爆発的な普及によってレコード針のナガオカが倒産したり、デジタルカメラの普及によってコダックや富士写真フィルムなどが写真業界から排除されたように技術革新によって王者の立場から陥落した事例は挙げだせばキリが無い。

グローバルな時代はこういったディスラプション(破壊)が一気に広がることを止めることはできないし、グローバル規模のディスラプションはスピードや規模が非常に大きくしかも唐突に起きる。

ベンチャー企業、尖った個人のようにスピード感があり、既存の価値に捉われない人々によってディスラプト(破壊)されるのが、硬直したビジネスモデル・秩序・構造を持つ組織やイノベーションが無い企業や業界だ。特に長年、王者の位置を確立し、安泰で危機感が薄く、スピード感の無い大企業に多い。

個人の力で組織を変えることやイノベーションの波を止めることは難しいが、ディスラプションが起こるということを念頭にディスラプションの襲来に備え、業界や自社内のウォッチを怠らず変化に備えておくことだ。

だが、どんなに備えていてもディスラプションの波は我々の想像を簡単に超えてくる。

ディスラプションの予兆を早期に発見し、自ら情報発信をしながら周囲を巻き込み、それをビジネス化する手段を考えておくことで時代の流れに柔軟かつ素早く対応することが重要だ。

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