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人の成長の源泉は仕事だと思う

「仕事と人生は直結している」
これは選手として、世界のプロ野球史上初の捕手による三冠王を獲得し、監督としても「平成」期間の最多勝利記録を保持する超一流の仕事人、野村克也の言葉だ。

野村は『いい仕事をした人が、いい人生を送れるのであり、いい人生を歩まなければ、いい仕事はできない。人生に対する考え方が確立されていない限り、人はいい仕事ができないのであり、仕事を通じてこそ人間は形成される』と述べている。

人は仕事を通じて人格形成をしていく。
人格形成が十分になされていないと個人の想いを優先し、わがままを通そうとしがちになる。

だが、企業やチームで働く際に優先されるのは個ではなく集だ。組織された集団の中でそれに見合った人格で働くことが求められる。
組織で働くための人格形成が成されないまま無駄に歳を重ねていてはどこかで壁にぶつかる。

組織と個のどちらを優先すべきかと言う議論はその組織の事業内容、規模、成長フェーズによって異なるが、事業が成熟し、規模が大きくなればなるほど組織として動く事が求められる。

一昔前、日本には「人づくり」という概念があった。仕事を通じた人格形成とその教育が重要視され、先輩が後輩を育てるということは当たり前に為されてきた。しかし、情報過多、学びは全てインターネットで経験豊富な年寄を老害扱いする自己肯定感の強い世代の台頭に伴い、この概念は大きく変化してきている。

それと同時に企業側の労働者に対する見方にも変化が生じている。優秀な学生は、外資系投資銀行やコンサルティングファームに流れてしまうため、企業は優秀な学生が取れない。
数少ない優秀な社員を育成をしても生産性の高くなった社員は次々と他企業に流れてしまう。
そうなると企業は人を“育てる”という方向から、“労働力を調達する”という方向に変わっていき、組織としての力が落ちていく。

人格形成が未成熟だと良い仕事が出来ないだけではなく、学びが少なくなる。
黙って口を開けていれば餌をくれる親鳥のような存在は世の中にいない。世間の親鳥は餌を与えたにも関わらず、文句を言うような雛には二度と餌は与えてくれない。
社会の学びは教えられる側に教えを請う姿勢がなければ得ることができない。

資本主義社会は自己選択型の二極化社会だ。頑張りたい者は頑張る。頑張りたくない者は頑張らなくて良いが、その代わり、それなりの社会的結果を受け入れなければならない。

元々の能力が高く、個人で戦っていける能力を持つ者は個の人格で戦っていけば良いが、一人で出せる力には限界があり、組織としてまとまらなければならなくなる時が必ず訪れる。

一流のビジネスマンを自負したいなら仕事そのものに人生の意義があることを認識し、多くを学ぶことだ。何も考えずに日々の仕事を漫然とやっているだけではいい仕事は出来ない。

人はそれぞれのやり方、学び方で成長し、人生論が確立されていく。そして、それが結果としていい仕事を生み出す

仕事を通して人間性が養われていくことを意識して仕事をしていくと、学びが今まで以上に大きくなっていく。

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