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倉谷ユウ
2020年5月17日 17:02
「自由だーーーー!!!!」 電話の向こうで叫んだのは、彼女の弟だった。 それを聞いてた、彼氏の僕。 すげえ、映画みてーだな、と思った。 西友の三階、赤ちゃん用品売り場。僕と彼女は、粉ミルクの缶と紙おむつの棚の間で電話をしていた。通話先は彼女の実家、福島県。僕は300km離れた場所にいる、会ったこともない男の子に向かって、東京に向かう手順を繰り返し説明していた。 「すこやか