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不登校をめぐる意見

「お子さんを登校させないと、卒業できませんよ」

教員から不登校の保護者に発せられるセリフでよくあります。義務教育だから、1日も登校しなくても、手続きさえすれば、自動的に卒業できるにも関わらず。他には、「家庭が居心地がいいから、子供は学校に来なくなるんです」というのもありがちなセリフです。

登校させないと、卒業できない、と伝えてくる。教員にはそうやって、登校させるよう圧をかけてくる人がいます。端的な例になると、担任が車に自宅でやってきて、生徒を車に乗せて、学校に連れていく事例もありました。

さらに酷いのは教育委員会の職員達が自宅に来て、玄関で「登校させないのは就学義務違反だ、虐待だ」と騒いだ事例。これなど、イジメから不登校になっていることをわかっているはずなのに。父親不在の時間帯を狙って、やってきたとか。

学校は生徒に対し、苦痛を与え、耐えさせるところである。そうした暗黙の意識があるのでしょうか。

最近では滋賀県の東近江市長の発言「善良な市民は子供に我慢を強いて、登校させてるんだ、そこへフリースクールが増え、それを国が認める、そうなれば、児童らはそちらへ雪崩打つ、そうなると国家が崩壊する」。この発言はすぐに報道され、反発を招き、件の市長は態度を修正することに。

この市長は警察官僚出身で、教員出身ではないのですが、一般でも、教員でもこうした発想をされる方は少なくないかと思われます。

一方で、Xでの教員のポストを見ると「不登校の原因の8割は家庭にある」というものが。学校は児童にとって、苦痛である、そう認識しているはずなのに、不登校の原因のほとんどは家庭にあるとは。

不登校の原因は主に、「イジメ、体罰、家庭不和」であると私は考えます。割合でいえば、むしろ、8割、9割は学校だろう、というのが私の感覚値です。

一方では、不登校の児童が遠足の時だけ、学校にやってくる、そのことを快く思わない教員のポストもあります。

つまり、普段は嫌なことを避けておきながら、楽しい時だけ、やってくるのがずるい、という発想なんでしょう。これなども間接的に不登校の原因は学校にあると、認めてますよね。

2000年代初頭、それまであった土曜授業が廃止になり、直後に不登校生が減る、という現象がありました。また、世田谷区立桜ケ丘中学では、西郷孝彦先生の改革、すなわち、制服、チャイム、校則、宿題、定期テストの廃止などの改革によって、不登校が減少する、という成果を上げておられます。

また、岐阜県ではフリースクールの運用を参考にした不登校特例校、草潤中学、が登場し、多くの不登校生が再登校できるようになりました。こうした事例を眺めるに、不登校の原因の大半はやはり、学校であろうと、いう思いを強くします。

不登校の原因の多くは学校であり、とりわけ、イジメであろうと推察します。この事案が難しい理由の一つとして、当事者の親、当事者が不登校になった原因について、語りたがらない、ということもあります。

当事者からすれば、被害を語ることが恥ずかしい、ということもあるし、親からすれば、子供がイジメを受けているとなれば、道義的に子供の側に立って、動くべき、となるけれど、そうなれば、学校から、加害生徒親から敵視されてしまいます。それが怖い。

また、学校側は不登校の原因の多くが学校にあるとは認めようとはしません。これも事態を分かりにくくしています。何より、専門家、有識者とされる人々、フリースクール、親の会、カウンセラー、こうした人々の傾向として、ありがちなのが、「犯人捜しはしない」と称して、原因、大抵はイジメに向かい合おうとはしないのです。

不登校の理由について、当事者も沈黙し、学校側や有識者もはぐらかす。それでいて、学校は子供にとって、苦痛な場所であり、そこに児童を通わせ、苦痛を強いることを当然とする風潮が一般はもとより、教員の間にすらあります。果たして、不登校生は全国で現在、30万人とされています。

不登校が社会問題として、顕在化したのが1980年代ですが、そこから、不登校はいまだ、解決していません。

教員アカウントを眺めると、校則、体罰、怒鳴る指導を肯定し、学校が児童にとって、楽しい場所であるべき論に強く反発する一方、不登校の原因のほとんどは家庭にあるかのような発信をしてしまう。

不登校生は家庭でどうしているのか。ありがちなのが、ゲーム依存になり、親に暴言で臨み、親を支配するかのような態度になると。親はすっかり、疲弊してしまいます。

こうした状況を解決するには、まず、学校の在り方を変えていくことです。イジメが起きにくい環境をつくること、すなわち、各種、学校行事や集会の簡素、廃止。相性によるクラス替え、席替え。校則、宿題、テストの廃止。体罰や怒鳴る指導の否定。

そして、イジメへの介入ですね。第三者機関が学校にあって、生徒の動向を平素、細かく把握していく。不登校があれば、すぐに介入し、適切な処置を講じていくこと、でしょう。

不登校のなかには虐待や地域の不良とのトラブルなど難しい事案もあります。それはまた、別の記事で取り上げます。




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