倉田隆盛

教育、福祉制度について研究。イジメ、体罰、虐待をはじめとする子供・若年者の人権、DV、…

倉田隆盛

教育、福祉制度について研究。イジメ、体罰、虐待をはじめとする子供・若年者の人権、DV、ひきこもり、精神障害を対象に。

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  • 若年者の人権など

    イジメ、体罰、虐待、DV、など扱います

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剣術のことなど、黒田鉄山師範のご逝去

振武舘(しんぶかん)第15代宗家 黒田鉄山(くろだてつざん)師範が3月3日亡くなられました。享年73歳。剣術、棒術、柔術、居合術等の宗家として、古武術を伝えてきた方です。 剣術の発生と発展について、記事にしたいと、考えていたところ、黒田師範の訃報がもたらされ、あらためて、日本の剣術について、ここに記事として投稿します。 剣術の歴史に触れるにあたり、まず、武士の歴史について触れておきましょう。 武士の源流をどこに求めるのか、ということですが、古代の日本にある頃、入植した集

    • 学校改革のこと

      子供の人権を考えるとき、イジメ、体罰、虐待が3大案件となるわけですが。まず、イジメについて。さしあたって、イジメが起きにくい環境をつくりましょう。 すなわち、「生徒が集団で行動する場面をほとんどなくす」「生徒を相性でクラス替え、席替えをしていく」「生徒に対する様々なストレスや負担を解消していく」この3つです。 小中高校大学と振り返って、大学ではイジメをほとんど聞かないのは、大学の特性として、高校以前に比べて、生徒が集団で行動する場面がほとんどない、生徒が誰かと組んで作業す

      • サブカルにみるジェンダーロールの変遷 女性の政治への進出のこと

        昭和末期から現在までの漫画におけるジェンダーロールの変遷と政治における女性の進出のことについて考察してみます。 戦前までは義務教育は小学校まででしたが、戦後、ほどなく中学までが義務教育となり、70年代になると、義務ではないものの、高校も増え、高校進学率が98%以上となります。 誰もが、当たり前に高校に進学する時代になると、荒れる高校が話題になります。その話はやがて、不良漫画となり、80年代、漫画における一つのジャンルを確立します。 90年代になると、少年誌から不良漫画が

        • 不登校をめぐる意見

          「お子さんを登校させないと、卒業できませんよ」 教員から不登校の保護者に発せられるセリフでよくあります。義務教育だから、1日も登校しなくても、手続きさえすれば、自動的に卒業できるにも関わらず。他には、「家庭が居心地がいいから、子供は学校に来なくなるんです」というのもありがちなセリフです。 登校させないと、卒業できない、と伝えてくる。教員にはそうやって、登校させるよう圧をかけてくる人がいます。端的な例になると、担任が車に自宅でやってきて、生徒を車に乗せて、学校に連れていく事

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          共同親権への危惧。孤立し、苦しむものへの関与を。DV外来の義務化を。

          共同親権法案が参議院を可決しました。なんてこった。施行は2年後だそうで、これから廃案に向けて、尽力しなければなりません。 推進派は法案の可決を優先するあまり、条文をわざとあいまいなままにして、通りやすくし、強行採決をはかったようです。 共同親権を推進する側、とりわけ推進派の国会議員たちの意図はどこにあるのか。日ごろ、SNSを追ってるだけではよく見えてこないのですが、どうも、私の憶測のままに書くと、表向きの理由とは別の格別な事情があるのでは、とないかと想像しています。その意

          共同親権への危惧。孤立し、苦しむものへの関与を。DV外来の義務化を。

          児童虐待とDV被害を考える、共同親権の参院審議をひかえて

          幼児の虐待死事件を考察するに、虐待はまた、DVとも親和性が高い、という傾向があります。「親子」の話は、同時に、「夫婦」の話でもある、そうしたケースが多いのです。 これに対応するにあたっては妻にはシェルターを、子供には養護を、夫にはDV外来、心の治療を。そうした、福祉、医療の拡充こそが求められています。 結婚する男女が50万組いて、離婚が20万組。そのうち、DVによる離婚が1万2千組とされています。そのDVでも妻からのDVもありますが、9割がたは夫からのDVが原因とされてい

          児童虐待とDV被害を考える、共同親権の参院審議をひかえて

          追想、鳥山明先生。ドラゴンボールをめぐる雑感。

          漫画界のレジェンド、鳥山明先生がお亡くなりになりました。ここでは代表作、ドラゴンボールに関して思うことをつづっていきます。 ドラゴンボールはもともとカンフー映画に触発されてつくられたので、格闘の描写が多いのですが、作品の前半までは登場人物は地上で戦う描写が多かったのですが、やがて、空中戦の場面が増えていきます。 こうした一連の動きは鳥山先生がモデラー(模型師)、メカ好き、だったことによるのでしょう。鳥山先生の作品や絵には4輪車はもとより、飛行機がよく登場し、丁寧に描かれま

          追想、鳥山明先生。ドラゴンボールをめぐる雑感。

          出産と育児のリスクと負担のこと。共助と公助の拡充を。

          嬰児を遺棄して逮捕される女性がいます。背景には、貧困と孤立。家族を親を頼れない。生きていくために売春をする、男が避妊をしない、そして、中絶もせず、産み捨てる。こうした不幸ないきさつがあるようです。 あるいは、幼い子供を抱えた若い女性がいる、親を頼らず、自分で子供を育てよう、さらには自分の学費も稼ごうとキャバクラで働く。ある時、その事業所の経営に関わっている男の不貞を注意したところ、逆上され、暴行を受け、その女性は亡くなりました。 男と女の関わり方について、考察してみます。

          出産と育児のリスクと負担のこと。共助と公助の拡充を。

          進学後の経済的虐待

          教育虐待というと、「満点をとれ」「いい大学にいけ」と、高い点数、高い偏差値をとることを強いる、それに伴う、マルトリートメント(不適切な対応)が想起されますが、この項では「進学後の虐待」について考察します。 大学に入学して、間もなく、親が子供に「大学をやめろ」「家から出ていけ」という経済的虐待があります。これまで進学を考えて、高校生活を送ってきた、そして、これから大学生活が始まる、そこへ唐突に、子供を突き放してしまうわけです。 何の準備もなしに、いきなり、進路の変更を迫られ

          進学後の経済的虐待

          進路と親権の話

          医学部受験を9浪させられた娘が母親を殺害した事件がありました。教育虐待の果てに親子は不幸な結末を迎えます。 精神障害で心を病んで入院する人は進学校、有名大学出身者が多いそうですが、この事件も教育虐待の弊害でしょう。 親が子に与えられる最大の資産は教育です。しかし、教養というよりは学歴が出世や社会的地位に直結するため、子供に試験で高い成果を強いる親もいます。 ここでは進路の設定にあたって、第三者機関が入り、子供と話をかさね、当人に相応しい進路を決めるべきだ、ということを私

          進路と親権の話

          概説・谷中中学事案(後編)

          誠一郎君が座り込みを始めたのが2019年1月ごろ、彼がいつも正門の前にいることは学校の誰もが知るところとなります。教員らは彼を敵視する空気が共有されていたのか、校門に面した校舎の窓、一帯のカーテンを閉めて、校舎内から彼の姿を生徒らに見せないようにします。 父親はこの時期、弁護士を立てて、学校、区の側と話をするようになります。学校側もまた、区の顧問法律事務所を立て、校内には弁護士がいつもいるようになり、事態は難しくなっていきます。 父親はまた、区の市民相談窓口に件のことを問

          概説・谷中中学事案(後編)

          概説・谷中中学事案(前編)

          東京都足立区谷中(やなか)中学。ある時、その校門の前にうつむき座り込む、制服姿の男子中学生らしい少年を映した映像がX(当時はツイッター)に投稿され、数万のリツイートを得ていました。 この少年に何があったのか。以前、このブログで数回にわたって、投稿した谷中中学事案ですが、半端なままで長く中断していたため、(私のブログで最も閲覧数が多い)今回、あらためて、振り返り、まとめてみます。 その少年、誠一郎君は(当時)谷中中学の2年生でした。ある朝、教室で他の生徒と喧嘩が起きます。あ

          概説・谷中中学事案(前編)

          共同親権の話

          共同親権をめぐる話を。 法改定により、今の単独親権から共同親権に変えようという動きと、これに反対の声があります。このことについて考察してみます。 夫婦がいて、両者が離婚する。子供は一方の親と暮らす。この際、親権は子供と暮らしている同居親の側にあります。これが単独親権です。これを共同親権に変えようという動きが年来ありました。 共同親権に。つまり、子供の転居や保育園への転園などにも、これまで必要がなかった別居親のハンコがいる、ということです。その理由としては両親が離婚しても

          共同親権の話

          感想:映画「君たちはどう生きるか」

          スタジオジブリ、宮崎駿監督、映画「君たちはどう生きるか」について感想をつづります。 私は「千と千尋」までは見ましたが、「ハウル」「ポニョ」「風立ちぬ」は見てないので、それらの作品も見てからのほうがより深い感想を書けるのでしょうが、見てきた範囲だけで書いてみます。 (以下、ネタバレ) あの作品は、端的にいって、「母と息子」の話でしたね。宮崎作品はこれまで「父と娘」についてはよく描かれてきたのですが。 主人公の少年は冒頭、火事で母を亡くします。懸命に母にすがろうとするも、

          感想:映画「君たちはどう生きるか」

          進路コンサルについて

          中学2年のころ、将来、自分はどうなるのか、を考えます。「サラリーマンや公務員は違うな」と感覚的には思っていました。では、何になるのか、ここから私の模索が始まります。 進路を考えるうえで、どうしてもコンサルが必要になるでしょう。高校生のころ、教室には蛍雪時代なる大学入試情報誌が置かれていました。しかし、3年間を通じて、誰も読んでいるところを見たことがありません。 私も1年次の最初だけ、少し読みましたが、蛍雪時代は電話帳を3冊分ぐらいの厚さがあって、とてものこと、丁寧に読む気

          進路コンサルについて

          家族の絆とDVのこと

          イジメ、体罰、虐待。若年者の人権の問題について考察します。イジメに関しては、学校組織の在り方、教育制度に関して、これを改変していけば、かなり改善するでしょう。 問題は虐待です。家族の在り方にどうかかわるか。殺人事件の半数近くは親族間です。家族というのはこの社会で、最も頼れる存在であると同時に、最も危険な存在でもあります。 DVでも、虐待でもそうですが、加害者側に立つ人の言い分はやたら、「親子、家族の絆」なるものを強調してきます。これはつまるところ、「逃げるな、耐えろ、我慢

          家族の絆とDVのこと