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東京は人の層がきっと10層くらいある よなよなふうふ話02
「くらしてん」をやっている私たち夫婦は、よなよなよく長話をする。
先日、「くらしてん」の記事にも協力してくれたフォトスタジオ経営兼カメラマンのジョンさんが我が家に来てくれて家族写真を撮ってくれた。「くらしてん」をやってなかったら生まれなかったご縁、尊い。
今回は、このジョンさんとの会話で受けた”カルチャーショック”の話から。
※ちなみにジョンさんの記事はこちら。
ヴィンチェンツォのカルチャーショック
otto:ジョンさんと話してて、「ヴィンチェンツォ」(Netflix)みたいに海外へ養子にもらわれていった人の話が割とリアルなんだって知ってびっくりした。
yome:韓国は海外に養子縁組する時代があって話してたんだよね。「ヴィンチェンツォ」を最初観た時に、イタリアのマフィアに養子縁組されるって初っ端から飛んだストーリーだなって思ったけど、背景にそんなことがあるとはねー。
otto:あの日、ジョンさんも含めてほぼ韓国の方だったから、一気に我が家がグローバルな感じになったね。海外の人と話すと、自分の知らない世界を知れて面白い。
yome:そうそう。海外の人と話すと、カルチャーショックもあるけど、自分のアイデンティティを感じることもあるよね。日本人同士だと気がつかないような。
ちょっと違う話だけど、カルチャーショックというと思い出す話があって。
昔友だちとギャラリーをやっていた時に、来客の人と夜ギャラリーで飲み明かすことが結構あって、ある日ゲイのさっちゃんっていう人と飲んだ時に「ゲイということが周りに認められなくて苦しくて、日本を出てアメリカに行ったんだけど、アメリカだとゲイである自分を認めてくれて」っていう話をしていて。それ、すごいカルチャーショックな夜だったんだよね。
なんでかっていうと、こんなふうに自分のアイデンティティと葛藤するっていうことが私にはなかったから。そこからゲイの人に対してリスペクトだったり、関心がすごい生まれたんだよね。すごいことじゃない?10代くらいから、そういうことを考えるっていうのは。
otto:へー、それ初めて聞いた。確かに、日本人で中流家庭で異性愛者で周りに日本人しかいない、それで何の疑いもなく育ってきていると、”アイデンティティ”なんて考えもしないよね。
yome:ゲイバーで悩み相談とかするのがあるけど、アイデンティティについて考え抜いた「自分の先を行っている人たち」感みたいのを感じるんだよね。YouTubeで「ふたりぱぱ」とかLGBTの、特にゲイの方の動画観たりするけど、それはそういうところが来てる。それと同じように海外の人と話をするのも好きなんだよね。
※出典:ふたりぱぱチャンネル
東京は人の層がきっと10層くらいある
yome:ジョンさんはオーストラリアにも住んでたし、韓国も日本も住んでて、相当いろんな社会や世界を見てきていると思うよね。日本で苦しい時期もあったって言ってたし、東京も長いから、いろんな縮図みたいなのを見てきてるんだろうなって思った。
otto:縮図かー…。そういう意味だと、俺、警備員のバイトしてたのはいい経験だったな。「わにとがげぎす」読んでて警備員のバイトに興味があってやったんだけど、いろんな世界を垣間見た。真夜中に隅田川沿いのホームレスの脇を巡回する警備とか、青山のセレブマンションの警備とか、振り幅がすごい。
東京って場所によって全然住む人が違うでしょ、すごいセレブな豪邸のあるエリアがあれば、ドヤ街があったり。自分の地元とか今住んでる郊外とかだと、街の中に金持ちが住むエリアとかそうそう無いけど、東京ってすごい近い距離でそれがある。そこが東京の面白さなんだと思うよ。
yome:大学時代に錦糸町で喫茶店が併設されたケーキ屋でバイトしてたんだけど、喫茶店とケーキ屋でお客さんの温度差が違ったんだよね。喫茶店のお客さんは、錦糸町って場外馬券売り場があるから休日は大概競馬やってる人と、あと、おそらく借金の取り立ての人と保証人の人が長時間本人を待っている?みたいな、ちょっと際どいお客さんもいたりするんだけど、外のケーキ屋は子どものいるお父さんとか、家族連れが幸せそうにケーキを買って帰ってるみたいな感じでさ。もうそれはすごいギャップなのよ。でもなんか東京らしいというか。
otto:あー、なんか似たようなことあったな。前にさ、渋谷の自転車屋さんのデザインしてた時に、現場行ったらちょうどお祭りやっていたんだけど、神輿担いでるそばをサラリーマンが全く興味なく素通りするの。これぞ東京って感じでびっくりしたんだわ。俺らのお祭りのイメージって、江差のお祭り(北海道江差町の姥神大神宮渡御祭)とか町をあげて盛り上がるから、そういうことは考えられなくて。
yome:今住んでる街の人をカテゴライズしても3つの層にしか分かれないけど、東京はその人の層が10層くらいある気がする。それが東京の面白さだし、人間としてのリアルみたいなものが感じられるんだよね。
otto:縮図というか、人間的にリアルで奥が深い。東京の暮らしももっと知りたいよね。
<出てきた本など>
※出典:わにとかげぎす/古谷実(講談社)
ヴィンチェンツォ(Netflix)
マフィアの弁護士が韓国に帰ってきて巨大組織に立ち向かうお話。ぶっ飛んだ設定だなと思って見てたけど、リアルな設定なら見る目が変わるかも。回数が多くて、いまだ折り返し地点。
ふたりぱぱ(YouTube)
サロガシー(代理母出産)を経て子どもを持ったスウェーデン在住のゲイパパのチャンネル。エピソードも面白いし、何より子どもの”息子くん”が可愛すぎる。
わにとかげぎす/古谷 実(講談社)
ドラマにもなった古谷実のマンガ。警備員をしてるときの描写が心理的に怖い。いろいろじんわり怖いから、あまり繰り返し読めない。
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ちなみにジョンさんに撮ってもらった家族写真は、数日後、素晴らしい感じであがってきた。いい家族に見えるなぁ。(冒頭の写真も同じくジョンさんの写真。)
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