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三隅の地粉+雲南のそば粉=島根のおいしいお蕎麦、の公式。

浜田市三隅町で無農薬の小麦を育てる「あいの会」さんと、雲南市掛合町の蕎麦打ち名人「松笠そば」さん。今日のコラムは、そんな両者の出会いのお話です。

2017年の秋に、拠点である「はたひよどり」で開催したイベント「展望台マルシェ」。

覚えておられるでしょうか、企画のひとつに、地元・雲南市掛合町の「松笠そば」の出店がありました。県外でのイベントでも引っ張りだこの「松笠そば」、実は、蕎麦を作ってくださっているのはくらしアトリエスタッフIさんの義理のお父さんなのです。

お義父さんの蕎麦はおいしい!という噂は常々耳にしていたので、地元の方も喜ばれるからぜひ出店してください!とお誘いし、展望公園まで来ていただいたのですが、実はこの時、お義父さんが「つなぎの小麦粉」を忘れて来られるというハプニングがありました。

さあ大変どうしよう、つなぎがないと蕎麦が打てないと困っておられたのですが、その場に偶然「シマシマしまね」で販売する予定だった浜田市三隅町「あいの会」さんの地粉(中力粉)があったのです。

「小麦粉ならありますよ~」と、地粉をお渡しして無事蕎麦打ちが行われ、おいしいお蕎麦が出来上がって、皆さんとても喜ばれました。

それから1年が経ち、年の瀬の頃。「松笠そば」さんが県外でのイベントで蕎麦打ちをされる際に、「どうせなら100%島根産の蕎麦が打ちたい」というお話があり、ふたたび「あいの会」さんの粉を使いたい旨のご連絡をいただいたのです。雲南のそば粉と三隅の中力粉、なるほど、打った蕎麦は確かに100%島根産です!

災い転じて…と言いましょうか、あのとき偶然小麦粉を忘れたことであいの会さんの粉を使っていただき、そこから島根の粉に思いを巡らせてくださったのだなあ…と、とても嬉しくなりました。

正直、「あいの会」さんの粉はスーパーで販売されている粉よりかなりお高いです。それは、規模が小さく、かつ無農薬であるということで、手間がかかっている分仕方がないことなのですが、1kgとかならまだしも、お願いされたのは30kg!

「かなりのお値段になりますが…」と伝えてもらったのですが、そこは材料に妥協を許さない松笠そば、良いものを作って県外の方に島根の魅力をPRしたい、という思いを持っておられたため、30kgの粉が三隅から雲南・掛合まで渡っていきました。

その後、「いい蕎麦ができた、これからも使いたい」というご連絡をいただき、あいの会さんにもそのことをご報告すると、すごく喜んでくださっていました。自分たちが育てた小麦が、島根をPRする食のイベントで使われたということは、やっぱりすごく誇らしいこと。「シマシマしまね」オープン当初からお付き合いをさせていただいた私たちも、間を取り持つことができてすごく温かい気持ちになりました。

「仕入れて売る」というのは、すごく難しいし、お金にならないことも多いもの。私たちのように利潤追求型のお店とは違う形態であっても、さすがにつらいな~と思うときもあります。

でも、やっぱりこういうひょんな出会いや、素材と素材のマッチングの妙が、プライスレスな喜びとなって私たちに元気を与えてくれます。こういうことがやりたいんだよな~!という気持ちです。

「あいの会」さんは、まだ小麦を育てて間がないため、毎年違う品種の麦を植えて、収量や需要を研究されています。今年の6月には、また新しい粉ができる予定。一度お邪魔したときにはもう収穫の後だったので、今年は6月までに一度、小麦畑を見に行こう!と今からわくわくしています。

「松笠そば」さんは蕎麦出汁にもかなりのこだわりを持っていらっしゃるそうで、イベントでは行列もできる人気ぶり!県外の方も、島根のPRイベントなどに出店されることがありますので、チェックしてみてくださいね。

どちらも自慢の島根の味です!



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