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いろんなツールで応援を。

日々のnoteを読んでくださっている皆さま、今日の「時々、コラム。」は、NPO法人くらしアトリエの「ファンドレイジング」について書いてみたいと思います。

ファンドレイジングとは何ぞや、という方もいらっしゃるかもしれません。広義では「資金調達」のことを指す言葉で、NPO法人がこの言葉を使うときには特に社会課題の解決、つまり「社会をより良くしていくための資金調達」のことを指すことが多いです。

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皆さん、NPO法人の収入にはどんなものがあるか、ご存じでしょうか。

「NPOって非営利法人だから利益を生んじゃいけないでしょ」…と言われることもさすがに近年はなくなりましたが、それでも「≒ボランティア」だと思っている方もまだいらっしゃいますし、どうやって活動を回してるの?と疑問に思う方も多いかもしれません。

NPO法人の主な収入源は一般的に

・事業収入
・会費
・助成金、補助金
・寄付

です。

くらしアトリエの場合、この4つのうちで一番の柱(と言っても頼りない柱ですが)になっているのが「事業収入」。
物販をしたりデザインの料金をいただいたりして、定款に定められている事業(くらしアトリエでは、WEB発信事業、地域のものづくりに関する事業、デザイン事業)で収入を得ることが、「事業収入」となります。

「会費」は法人の社員(会員)が毎年支払うもので、大きなNPOだとこれが収入の柱になるところもありますが、私たちは社員数も少ない小規模NPOなので、ここで大きな収入を見込むことはあまりできません。

また、「助成金、補助金」は新規の企画を立ち上げるときに利用したり、コロナ禍で活動がままならなかったときにいただいたりしていますが、恒常的に得られるものではないので、これに頼りきりになるのは難しい。


そもそも、助成金や補助金は「このお金あげますよ~」と言うものではもちろんなく(案外、ここを理解されずに「ばらまき」と考えている方が多いような気がします)、きちんとしたビジョンを持ち、計画を実現する可能性が高いプロジェクトでなければ採択されませんし、その事業を実現するためには自己資金が必要です。例えば「3分の2助成」なら、事業に係る経費のうち残りの3分の1は自分たちでまかなうことが必須で、ちゃんと資金がなければ申請もできないわけです。

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今までのくらしアトリエは「会費+事業収入、たまに助成金・補助金」で活動を続けてきましたが、専門機関の方やアドバイスをくださるいろんな方から「寄付を募ってみたら」「クラウドファンディングしたらいいのに」といった声を常々いただいていました。

でも当初、この手の資金調達には正直、あまり関心がありませんでした。

というのも、皆さん「発信力もあってファンもいらっしゃるんですから、呼びかけたら資金が集まりますよ~」と、けっこう簡単に言われるのです。

そうかなあ…例えば災害や貧困などですごく困っている方々への寄付はできても、うちみたいな、概念を訴える「ふわっとしたコンセプトのNPO」にお金を送るなんて、そんな奇特な人いるんだろうか。いや、おらんやろ、ということで、せっかくのアドバイスもスルーしていたのです。

また、スルーしていたのには「ファンドレイジングに頭を使う余裕がなかった」という理由もありました。日々の活動だけで精いっぱい。お金の調達について考えるのは向いてないし、そこに頭を使うならおもしろい企画のほうに頭を使いたい。という感じで、現実から逃げていたのでした…。

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それが、昨年から少しずつ法人の体制をリニューアルしていて、スタッフの役割分担が変わり、同時に「くらしアトリエがこれからも活動を続けていくために、資金調達の選択肢を増やすべきだ」という問題について真剣に向き合わざるを得なくなりました。これは逆に考えると「資金調達の選択肢を増やしていかないと、くらしアトリエは活動を続けていけなくなる」ということです。

支援者が寄付をしたい!と思ってくださった時に備えて、窓口を設けておくことがファンドレイジングの第一歩。

ということで、いろいろな方法を模索しましたが、「気軽に」「簡単に」「気持ちで」寄付をしていただけるようなものが良いと考え、4月からファンドレイジングのプラットフォーム「Syncable」に登録し、寄付サイトもオープンしました。

ここから、NPO法人くらしアトリエへの寄付が1,000円から可能です。クレジットカード払いもできてとっても便利。

このサイトに綴っているように、私たちが思い描く理想の地域づくりは「ひとりひとりが住んでいる土地に誇りを持って暮らすこと。その土地のことを楽しみ、その思いを家族や社会で共有すること。」で、その積み重ねが地域を元気にする、と考えています。

つまり、シビックプライドの醸成こそが最大の地域貢献である、と。これは団体立ち上げの頃から揺るがぬコンセプトです。

シビックプライドを高めていくために必要なのは「好奇心を持って暮らすこと」。だから「島根を知る、楽しむ、学ぶ」というコンセプトで「シマシマしまね」を運営し、知識を広げる場所づくりがしたくて「山の図書室」もオープンしました。

ただ、どの事業にしても最大の課題は「継続していくこと」

斐川に移転し、新たな拠点を築いている私たちにとって、「島根にこの場所があって良かったなあ…」と思っていただけることがこの上ない幸せなのですが、そんな風に感じていただくためにも、活動は続けていきたい。

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くらしアトリエ、続いてくれたらいいなあ、とか、たまにしか行かないけど、もしなかったら寂しいかも、とか思ってくださる方がもしいらっしゃったら、ちょっと寄付サイトを覗いていただけたら嬉しいです。

ページには私たちがどんなビジョンで活動しているのか、という点や、寄付の使い道などについても記載していますので、読んでみてください。他にもいろんな団体が紹介されているので、見てみると楽しいかも。

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もちろん、ショップで商品をご購入いただいたりすることも私たちにとってはとても大切なファンドレイジング(資金調達)であり、お客さまとのつながりを感じる一番の機会でもあるため、「買って応援」も大歓迎。とはいえ、「おいしいから」「かわいいから」「島根が好きだから」という理由でご購入いただけるのが一番ではありますが。

ほかにも、図書室にお越しいただいてゆっくり過ごしてもらうこと、イベントに来てくださること、オンラインサークル「くらしの学校」に参加していただくこと、noteを読んでくださることなど、くらしアトリエといろんなツールでつながってくださることも、とても励みになっています!


資金調達も大事だけど、リアルな声をいただくこと、顔を見せていただくことも、同じくらい私たちにとっては「活動を続ける理由」になっています。

これからも皆さまとともに、自分たちのペースながら、真摯に活動に取り組んでまいりますので、ご支援どうぞよろしくお願いいたします。

サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。