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準備するとは、先々を想像すること。

今日の「時々、コラム」は「準備」について。

日頃、かばんの中はぐちゃぐちゃだし、忘れ物も多いし、気遣いもさっぱり、なスタッフ(私です)で運営しているくらしアトリエですが、こと仕事に関しては「しっかり準備をしたい」というタイプです。

今年度は施設をほとんどオープンしなかったのですが、昨年度まではオープン日に来られるお客さまはもちろん、お休みの日でも「施設を見てみたい」「話を聞きたい」といういわゆる「視察」のカテゴリに入るような依頼がたくさんありました。

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「シマシマしまね」は古い一軒家を最低限リノベーションした施設なので、すきま風もあるし、もともとかやぶきの屋根だったせいか、きれいに掃除して帰っても翌朝になるとうっすらと「何か」が落ちていたりします。

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また、田舎特有のいろんなこと(虫とか、あるいは虫とか)もあったりするため、「お客さまが来られてくつろげる」というところまできれいに掃除をするのは、なかなか大変な作業です。

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でも、やはり長い時間をかけて施設を見に来られた方に「いいところだったな」という感想を持って帰っていただきたいので、通常のオープンの時にも、視察に来られる時にも、あらかじめ、かなり前もって出勤し、掃除や「あしらい」を行います。

※「あしらい」とは…小瓶に花を生けたり、小物を配置したり、布をかけたりといった、インテリアを「いい感じ」にする作業のこと。

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その「あしらい」を行うためにはお花や小物が必要であり、朝に自宅の庭から花をセレクトして摘んで…と考えると、前日から余裕を持って準備をしておかなければいけません。

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十分に余裕を持ってお客さまをお迎えするためには、先を見越し、目が行くであろう部分を想像し、そこに飾るお花や小物を前もって(ある程度計算しつつ)準備する必要があります。

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何事にも「想像すること」が大切なのだなあ、と思います。

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なぜこうやって「準備」に時間と手間をかけるかというと、「いいところだったな」と感じて帰っていただきたい、というのは前述しましたが、裏を返すと「嫌な思いを抱えて帰っていただくことが怖い」から、というネガティブな考えでもあります。

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代表である私はひたすらネガティブ思考で怖がりで、「こんな山奥まで来てもらったのに嫌な印象を与えてしまったらどうしよう…」と常にマイナスに考える癖があります。

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自信がないから、とにかく準備に熱を入れる。そうすることで、「これだけやったから」と自分に言い聞かせているのかもしれません。他のスタッフはけっこう前向き思考な人が多いので、私の個人的なネガティブも、「準備」という点では役に立っているんじゃないかと思います。

思い起こせば高校1年生の春。新入生に向けた応援団による早朝練習がありました。これは今思うと「お前ら上級生なめんなよ」的な要素が非常に強く、6種類の応援歌をすべてそらで覚えて歌わされるという練習だったのですが、入ったばかりの学校の、しかも昔風な文体の応援歌をそうそう覚えられるわけもなく、歌詞を忘れるとステージに上がらされる…というものでした。
私は「ステージに上がらされるのは恥ずかしい!」と考え、必死に応援歌をノートに書き写してほぼ徹夜で暗記したのですが、いざ練習が終わってみたらステージに上がっていないのが新入生の中で私ひとり、という「逆に目立ってるぞ」という状況になり、「真面目過ぎて恥ずかしい…」という経験をしたのでした。

…という高校のエピソードはさておき、ネガティブ思考を逆手にとって、先を見越し、あらゆるトラブルを想定し、言い訳できないくらいにしっかり準備をする、というのは仕事においてとても大切なこと。掃除など、見た目をきれいにすることもそうですが、プレゼンテーションや書類の提出など、誰かに「伝える」ことって、その場しのぎではなかなかうまくいかないものです。

くらしアトリエの場合は複数のスタッフがいるので、自分が「よし」と思ってもまた違うチェックの目が入り、磨き上げられていきます。これがけっこう、自分たちの活動を振り返り、道を照らし直す良いきっかけになるんですよ。

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そしていつも思うのが、「準備をしておく」ことで、いつかそれが本当になるんじゃないかということ。

いつも施設をきれいにしているように「ふるまう」のを続けることで、結果的に施設はきれいになるのかな、と思います。

「いつもこんな感じですよ~」みたいに見せるためには、「きれいにするため」の準備が必要であり、その準備をすんなり行うためには、結局いつもきれいにしている必要があり、おのずとその状態がキープできるんじゃないかと思います。自信を持って実践してるとは言い難いけれど、そうありたいなあ、と思う日々。

また、プレゼンもいつも完璧にできるように「見せる」行為を積み重ねることで、スキルは確実に上がります。その陰でめっちゃ準備をして調べたり練習したりするわけですが、その努力が結果として自分を高めてくれるのだと思うのです。

準備を通じて、先を想像し、考える力を日々養っていく。

その場しのぎではなく、積み重ねることで「理想のあり方」が作られていくのだと思います。

そのようにふるまう、見せることが、理想の自分たちに近づく道になる。
何事においても、理想を掲げながらそこに近づけるようにありたいものです。

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…ちなみに、自宅で気が緩んで掃除が疎かになったときには、自分自身に「来週〇〇さんが泊まりに来る」という暗示をかけることにしています。

現実に泊まりに来そうな、それでいて緊張感のある相手を想定する(小うるさい親戚とか、子どもの友達とか)のがコツです。
そうすると、お風呂のちょっとした汚れとか、玄関のにおいやインテリアなど、些細なところにまで気をつかって掃除ができますよ。おすすめです!


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