「心身ともにヘルシーで」を痛感した2020夏の話。

久しぶりの「時々、コラム」は何を書こうかな…と思っていたのですが、この夏に感じた「心身ともに健康であることの大切さ」について。

梅雨の時期に、自宅で自己流の体幹トレーニングを始めました。

今までも何度かチャレンジしては飽きっぽい性格からすぐやめてしまう…ということを繰り返していたのですが、年齢も年齢だし、痩せたいとか細くなりたいとかそういうことではなく、「なるべく長く自分の足で歩けるように」という、ささやかな理由から、あらためてスタート。今はトレーニングの動画をInstagramでも観ることができるので、ちょうどいいくらいの時間で好きな時にできる！というわけで、ヨガマットを買って、毎日ふうふう言いながら筋トレしたりストレッチをしたり、と頑張っていたのでした。

始めて10日くらいが経ち、ちょっと体が軽くなった気がするウキウキ…これで3か月続けられるはず！（1週間続いたら3か月は続けられるという自分的経験に基づく理論）、と考えていたところに、詳しくは書けないのですが、とてもとても落ち込む出来事がありました。

人間、生きているのが嫌になるレベルまで落ち込むと、筋トレなんかできないものですね…。まあ当たり前の話で、前向きに生きるためにしんどい筋トレをするわけだから、後ろ向きになった時に「さあ切り替えて筋トレだ！」とはいかないものです。ヨガマットは丸められて部屋の隅っこに押しやられ、私は日がなエアコンの効いた部屋で鬱々と過ごしていたのでした…。

そうこうしているうちに、筋トレの後遺症なのか、軽いぎっくり腰になりました（弱すぎ）。畑でナスに水やりをしていたら突然「あ、やばい…」となって、脂汗を流しつつ帰宅。2日くらいはまともに歩けない状態が続きました。

そして、腰痛がようやく軽くなってきたかな、というタイミングで、歯が痛み出します（踏んだり蹴ったり）。すぐに歯医者さんに行けばよかったのに、「精神的なストレスが歯に来てるんだな…」と勝手に解釈し、心の落ち込みと歯痛を無理やりつなげて納得していたのですが、お盆前にどうにも痛みがおさまらず、歯科医を受診。「こんなになるまでよく我慢してたね」と言われました…。精神的ストレス関係なかった。単なる虫歯だった。

歯が痛いと食べものがおいしくないし物理的にも食べることができず、食べることができないと料理が楽しくない…というわけで、お盆周辺は気持ちも落ち込み、やはりエアコンの効いた部屋で鬱々と過ごしていました。

お盆を過ぎたくらいでようやく歯痛がおさまり、固くないものなら食べられるようになって、ようやく心のほうも落ち着いてきて今に至ります。

…振り返ると、身体の健康も心の健康もきちんと保てていないと、人間らしく生きることに前向きになれない、ということが良く分かります。筋トレを始めた頃は希望に燃えていて日々前向きだったし、ひとつ目標をクリアすると「よし、次はあれもやってみよう」という感じでますます意欲的に活動ができていました。逆に、心が落ち込み、身体も健康でない時には「ああ今日もまた無為に過ごしてしまった…」と後ろ向きになり、そんな自分にますます落ち込み…という負のループに落ちてしまっていたように思います。

楽しく暮らすためには、身体と心、どちらも健やかでいなければならない。当たり前のことですが、歳を重ねると、このバランスがなかなか難しかったりするものです。あらためて、自分らしく暮らせるくらいの体力はきちんとつけておかねば、と肝に銘じた2020夏、でした。

また、心の体力も然り。

思うに、筋トレを始めて前向きになった気がしていた自分は、なんとなく調子に乗っていたのだと思います。そういう時は周りが見えず、往々にして他の部分がおろそかになりがち。誰かが空の上から「筋トレ始めたくらいで調子に乗るなよ」と、注意をしてくれたのかもしれません。

そして、心が落ち込んだときに大切なのは身体の健康とおいしいごはん、ということも今回痛感しました。食事をおいしくいただけるようになって、ようやく心も少しずつ安らいできたように感じます。食事、おろそかにしてはいけませんね。

というわけで、今年の夏は「ステイヘルシー」をいつもにも増して感じた日々でした。「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」という映画のコピーがありましたが、そう思えるための体力をきちんと保てるよう、地に足をつけて暮らしていきたいものです。

…しかし書き終わってから思いましたが、筋トレしたくらいで万能感を感じて前向きになり、そのうえ調子に乗るって本当に浅はかですよね…。9月からはなお一層「謙虚でありたい」と反省しました。