自分の親が「高齢者」になって。〜あらためて考えた、歳を重ねてからの生き方について。
実家の母親がスマホデビューすることになり、携帯電話ショップに付き添いました。高齢の母にとって「スマートフォン」は未知の物体。
でも、いま使っているいわゆる「ガラケー」は写真も撮れないしショートメールしか送れない、というので(そんなことあるのか?)、プランから機器まで一緒に選んで、アプリの簡単な操作方法までをレクチャーしてきました。
ぐっと年老いた感のある両親に、なるべく寄り添えたら…と思って、感染症が落ち着いたかな…という頃から時間を見つけては隣県の実家に帰省しているのですが、帰るたびに一抹の寂しさがあります。
幸い、ちゃんと歩けているし日常生活は問題なく送れるのですが、とはいえ「年とったなあ…」と思うことがどんどん増えて、自分が幼かったころの生き生きした両親を思い出してしまいます。
自分が小さい頃、親が高齢者になるなんて想像もしませんでした。両親はいつまでも仕事をして料理も作って、新しいもの好きで車を乗り回して、常にエネルギッシュに動いているものだ、と勝手に思っていたのです。
それが、家の細かなところが掃除できていなかったり(視力が悪くなっているからだと思われる)、同じことを何度も話したり、妙に仏壇をきれいにし始めたり…少しずつ少しずつ、残された時間を意識せざるを得ないような、胸がきゅっと締め付けられるような瞬間が増えてきます。
それでも、70歳を過ぎてスマホデビューしようと決意した母はえらいな、と思うし、さっそく晩ごはんの写真をスマホで撮影してメールで送ってくれた時には「おお~!」と思いました。できることが増えて楽しいな、と思ってくれたらいいなあ。
きっと両親ともに「人生の残り時間」を実感しながら今を過ごしているのだと思うのですが、その時間が少しでも豊かに、楽しく、かつ穏やかになるように…と願わずにいられません。
もちろん、自分自身も同じだけ年齢を重ねているのだ、ということもしみじみ実感します。
うつわのオンラインイベントを控えて県内各地に出かける機会が増え、久しぶりにいろんな方にお会いして話をうかがっているのですが、「30代、みんな若いな~!!」と感動する場面の多いこと!みんな行動が早いしチャレンジ精神がすごい!
でも、15年前の自分を振り返ったら、同じようにひたすら前を向いてがむしゃらに進んでいたわけで、やっぱり若い頃は夢中で夢に向かって前進してなんぼ、なのだと思います。
後から振り返ると「なんであんなことができたんだろう」と恥ずかしくなってしまうようなこともありますが、でも、それだって自分の糧となって今の活動に活かされているのだ、と感じることができるので、若いうちはどんどんチャレンジしたほうがいい!常日頃「年齢はただの数字!」と言い続けている私たちですが、やはり経験値が増えると臆病になるし、チャレンジはしにくくなると思うから。
いまの私たちは、あの頃のように前だけを見て進むことはできないのだけれど、その分ゆっくりと歩みを進めることで、見えなかったものがたくさん見えるようになってきました。視界はよりクリアになり、世の中のことが若い時よりも俯瞰して見えている気がします。
だからこそ、今までとは違う冒険ができるのかもしれない。そう考えると、「年とったなあ…」としんみりしてしまう70代、80代の親世代も、たとえ身体の自由度は低下したとしても、もしかしたら心の中でより豊かに生きることができているのかもしれないですね。実際、素敵な人生の先輩たちに出会うと、めちゃくちゃパワーをいただきます。
そういう方々に共通しているのは「ネガティブなことはあまり言わない」ということ。それって、よくよく考えるとすごいことですよね?だって、絶対に今まで生きてきた年数より、これから生きる年数のほうが短いわけで、ある意味「人生の残り時間が迫っている年齢」なわけです。
そういう状況で前向きなことを考えることなんて自分にできるんだろうか。ついついネガティブな考え方に傾いて、若い人に皮肉を言いがちな「厄介な年寄り」になってしまうんじゃないかと思うのです。
きっと、素敵な人生の先輩方は、若い頃から前向きに生きようと努めてこられたんだろうな。私自身は基本ネガティブなので憧れてしまいますが、少なくとも「どうせ〇〇だから」という「自虐」は言うまい、と心がけています。
自虐はダメです、自虐は!この「自虐ダメ!キャンペーン」が、何十年後かの生き方に良い影響を与えてくれているといいのですが…。
「くらしアトリエ」が今後どうなっていくのか、という話もスタッフ間ですることが多いのですが、少なくとも自分たちがしっかりと動ける、考えられるような状態でいたいな、と思っています。
そのために自分たちも健康づくりに努力しないといけないし、冒険もしていきたいし、活動のあり方も少しずつ見直していくべきかな、というのを今年は特にひしひしと感じています。
(余談ですが、スタッフ間ではあることに挑戦してみる姿をふわわんとよく妄想しているのですが、あまりにも無謀な冒険なので堂々と公言できません…。でも妄想してるだけで楽しい。)
年齢を重ねるって楽しいことなんだ、面白いことが待ってるんだ、と若い方々に思ってもらえるような、そんな大人になりたい!
もういい大人ではあるのですが、まだまだ修行だなあ…と実感する今日この頃。
大人なりに楽しく、チャレンジしていけることを見つけたいものですね。
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