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テレワーク、はかどってる?私たちが在宅勤務で心がけていること。

現在の社会状況を受け、在宅勤務を始めておられる方、これから始める方、いらっしゃるかと思います。noteでも「テレワーク」「リモートワーク」のタグでたくさんの方が情報を発信されています。

ここ島根県では、テレワークをしている会社の情報などもまだあまり聞いていません(テレワークできない仕事が多い地域性があるのかもしれません)。でも、状況が変わって「家で仕事をする」人が増えることも十分考えられます。そこで私たちくらしアトリエからも、「(地方で)在宅で仕事をするときに心がけていること」をお伝えしたいと思います。

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というのも、くらしアトリエは拠点がない状態から立ち上げた団体で、いわばずっと「テレワーク状態」だからです。15年前からそれぞれが自宅で作業をしつつ、スタッフ間の意思疎通をはかってきました。一時期は隠岐の島とアメリカ、そして出雲と益田、みたいな距離感でものづくりを進めていた時期があり、「会いたくても会えない」状況であったため、「離れていても密に連絡を取る手法」については、時代ごとに常に気を配ってきたつもりです。その経験を踏まえて、「自宅で仕事をするときに気を付けていること」についていくつか列記してみます。


1.スイッチを作る

多くの方がテレワークの利点として「通勤時間がなくなった」ことを挙げておられます。今までよりゆっくり寝ていられることになり(睡眠時間は大事!)、ついついだらっとしたリズムになりがち、という方もいらっしゃるかもしれません。朝きちんと起きて、朝食を食べる。時計を見ながら仕事をして、自分の中でしっかりとリズムを作ることが大切だと思います。

そのための手段として、私自身は自分の中でいくつか「スイッチ」を作っています。

まずはそれなりな格好に着替える。この「着替える」のがけっこうスイッチになります。ルームウェアでゆったり過ごすのもいいけれど、リラックスしすぎない格好をすると仕事モードに入れます。立ち上げ当初、隠岐で仕事をしていた時にはジャージでノーメイクで10時間くらいパソコンの前にいて、オットから「…朝家を出たときから時間が止まっとる…」と思われたこともありました。周りの理解を得ることも含め、身だしなみ大事かな、と思っています。そういう意味ではフルメイクではなくても、少しお化粧をしたり、髪形を整えたりするのも良いと思います(眉毛を描くとスイッチが入る、という人も多いかも)。

そして、仕事をするスペースをきちんと片づけること!仕事の前には掃除機をかけて、余計なものは机の上に置かない。朝食のお皿はきちんと洗っておく。「掃除」「片づけ」というルーティンを作ると、「さあ仕事をするぞ!」という気持ちになります。別のスタッフは掃除や洗濯をしつつもデザインや情報発信系の動画を観て、モードを少しずつ仕事へシフトしている、と言っていました。

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私はさらに、コーヒーをゆっくりと淹れて、パソコンの横に置き、テレビは消して音楽(日本語じゃないもの)をかけてスタンバイします。これもスイッチのひとつです。

こうして、朝起きてから仕事を始めるまでにいくつかのスイッチを散りばめておくと、モチベーションを上げることにつながります。


2.ルールを作る

パソコンには、ネットショップやYouTube、オンラインのさまざまな誘惑があり、「ちょっと休憩…」と画面を開けたらそのままついつい…ということがありがちです。スマホでタイマーをかけて休憩時間を決める、というのも良さそうですし、例えばスタッフは「夜10時まではプライムビデオは観ない」というルールを決めている、仕事の時に食べるお菓子は決めている、とのこと。

小さなお子さんが家におられる家庭では、「ねえねえ」という子どもの声が集中力を途切れさせ、ストレスに感じる方も多いようです。子どものゾーンと仕事のスペースはしっかりと区分けし、「私はいまお仕事をしているのだ」ということを見える化すること(そういう意味でも掃除は大切)、また、「はいはい」「わかったわかった」という中途半端な対応をしない、ということも大事かなと経験上思います。遊ぼう遊ぼう、と言われたときには、一度しっかりと話を聞いたうえで、「時計の針が〇のところに来るまではお仕事頑張るから、〇〇ちゃんも頑張ろう」というような受け答えをしていたように思います。年齢にもよりますが、一緒に勉強をする、というスタンスでいられたらいいですね。


3.ツールは常にアップデートしておく

パソコンやスマホなどの情報機器、なんとなく使っていていざというときに「アップデートを始めます」となってしまって動かせない…なんていうこともありがちです。また、最新のものにバージョンアップしておかないとそもそもリモートワークができない、ということも。今のうちに自分の身の回りでどんな働き方ができるか、機械まわりも含めて勉強しておいたほうが良いかもしれません。

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くらしアトリエの場合は、「Slack」で常に打ち合わせを行っています。グループLINEもありますが、こちらはどっちかというと「今日はここに出かけてるよ」とか「これとこれ、どっちがいいと思う?」という、報告や簡単な選択の場所。密度の濃い打ち合わせや企画の場合、LINEではあとで振り返るのが大変です。その点Slackはスレッドごとに話題を切り替えられるので、「いま、この事業がどこまで進んでいるか」がよく分かりますし、過去の会話をさかのぼるのも楽です。

※余談ですが、Slackには仕事モードではないチャンネルもあって、子どものこととか仕事以外の話はこのチャンネルを使います。雑談も、息抜きには大切です。

他にも、Dropboxというクラウドシステムを使うことでデータの量を気にせずに仕事ができたり、仕事場以外の場所や、パソコン以外の場所からも気軽にファイルやデータを見たり保存したりできるということも、働き方を大いに変えてくれたと思います。新たなアプリやシステムが話題になっていたら共有し、「これってどうかな」「私たちには向いてないかも」などと話し合うことも行っています。

これからは在宅ワークに向けての最適化されたアプリやサービスがどんどん出てくると思います。なるべくフレッシュな情報を自分で取りに行き、自分の仕事に合うかどうかを試すことも大事かと思います。

「アップデート」にはもちろん、自分の頭の中のアップデートも含まれます。オンラインで直接会っているように話を進めるためには、自分自身の知識もしっかり最新版にしておく必要がありそうです。

スタッフはGLOBISの動画や、「NewsPicks」の動画などを観て日々学んでいます。地方の、いわゆる「普通の人」が知らない世界、例えば前述したSlackというツールなどもビジネス系の動画から学んだこと。地方にいるからこそ、積極的に情報を「取りに行く」ことで、足りない部分を補っている、とも言えます。


4.コミュニケーションは密に

テレワークのデメリットとして一番多く聞かれるのが、スタッフ間で直接やりとりができず、コミュニケーションに不安があるというもの。

くらしアトリエスタッフの経験からお話すると、例えば15年くらい前、離れて暮らしていながらの打ち合わせの際には、主にSkypeとネットの掲示板のようなものを組み合わせ、画像を共有してSkypeで意見を言い合う、みたいな方法をとっていました。この場合、ひとりひとりのタイピングのスキルに差があるため、会話にどうしてもタイムラグが生じます。けっこう話が進んだあたりで、前の話題についての長い意見がぽん、と来たりして、こういうちょっとした積み重ねがストレスになることもありました。

そういう時期に比べたら、今は通信手段が多様で、動画やテレビ電話を使えばかなりスムーズにコミュニケーションがとれます(もちろんこれはスタッフそれぞれが機器も頭もアップデートされていることが前提)。そうではなく文字だけのコミュニケーションの場合は、それぞれのスキルを把握したうえで、ゆったりとしたスパンで会話を続けることが重要かな、というのが経験から学んだことです。そして、話し言葉とは違う文字の羅列から、その人が言わんとしていることをくみ取るのはけっこう大変だったりするので、伝えるほうもなるべく細かく、行間まで明確に文章化することが大切。普段気心が知れている人ではない、ビジネスの会話をするときには、さらにニュアンスを伝えるのが難しくなると思いますので、ここは文章力が問われますね。


5.ストレスの回避方法を会得しておく

そうは言っても、やっぱりいつもと違う働き方をするのだからストレスは溜まります。休憩時間においしいお菓子を食べるとか、夜に思いっきりダラダラするとか、家でご馳走を食べるとか、逆に思いっきりジャンキーな晩ごはんにしてみるとか、頑張ったご褒美を用意しておくことも良さそう。また、適度に身体を動かすことも心身を緩めてくれます。あったかいお風呂やアロマなどもいいですね。疲労やストレスを自分の中で客観的に見る時間をとることが大切だと思います。

私の回避方法は「犬をモフること」。犬は癒やし!そして、毎日夕方には犬の散歩に出るので、ちょっとした運動にもなっています。

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島根ではウィルス感染はどこか他人ごとで、まだまだ身に迫った不安を持っている方は少ないように個人的には感じています。でも、テレワーク・リモートワークに関する知識は今に限ったことではなく、これらが将来的に働き方の選択肢の一つになるのは間違いないと思います。もちろんライフラインを守ったり、物流を動かしたりと、在宅では仕事ができない方もたくさんいて、支えられているなあと最近とみに感じています。お互いリスペクトしながら暮らしたいですね。

何よりいろんな働き方がある、というこの時代が素晴らしい。9時から5時までスーツ着てするのが仕事、と思われていた時代は終わった、と言えるのかもしれません。

地方でもしっかり対策をしつつ、ストレスを回避するスキルも高めて、健やかに生活できる工夫をしていければと思っています。


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