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発信の向こう側を想像して書こう(書くのをやめよう)。

今日の「時々、コラム」は先日「そうだそうだ」と納得した記事について(先週と同じ感じですが)。

日頃から、読んでは腑に落ちる…と感じる、竹村俊助さんのnote。
特にこちらの記事は、日頃なんとなく「もやっと」していたものを言語化してあり、そういうことだよ~と嬉しくなってスタッフ間でシェアしました。

世界観を共有することの重要さは、WEBで発信していると常日頃感じるところです。リアルな施設がオープンしている時に「見てもらう」ことで共有できたものを、同じようにネット上で感じていただくためには、写真・ことば・時には音など、すべてにおいて気を配る必要があると思っています。

その中で、「ことば」は特に人の心に刺さってしまうもの(私自身、刺されたり刺したりして生きているんだと思う)なので、発した言葉が取り返しのつかないことになるときもあり、WEBでの発信において「何を言うか」あるいは「何を言わないか」はとても大切にすべきことだと心がけています。

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こうやって今、ここに書いている言葉も、「私個人」の言葉ではなく「くらしアトリエ」という、いわば「公」の言葉です。
私個人の感じたことではあるけれど、そこに「くらしアトリエ」というフィルターを一枚かませて、法人の言葉として発する。そうしないと、一定の「らしさ」が保てなくなります。

また、「個」ではなく法人の言葉として発する際には「責任」がついてきます。「責任」とは、品格のようなもの。

背負っているからこそ、これは書くべきではない、これは言うべきだ、というのが仕分けされていき、「らしさ」のある言葉になっていくのだと思います。

自分では良しと思ったことでも、他のスタッフに「この書き方だと誤解されるかも」「こう言ったほうが伝わりやすい」といった指摘を受けることもよくあります。なので、なおさら私の言葉ではなくなる。そうやって「らしさ」が保てているのです。

そして、個人的にはネガティブになりがちな性格なのですが、法人の発信としてはなるべく前向きに、未来志向に、読む人が元気になってくれたらいいな…という思いを込めて書いています。

「こう書いたら伝わるかな…」と思う時、いつも読んでいる「誰か」を具体的に想像しているんです。

日頃SNSなどを見ていて、素敵だなと思っていたお店のアカウントが思いっきり個人に対しての批判を繰り返したり、あまりにも公と私がごっちゃになり過ぎてこちら側が混乱する、ということがたびたびあります。品のない言葉に、自分に言われたのではないにもかかわらず傷ついたりすることも。

竹村さんはこんな例えを提示されています。

たとえば「BRUTUS」をめくっていたら急に政治家への批判が書いてあったらどうでしょうか? 素敵なファッション誌を読んでいたら、急に芸能人の不倫情報が出てきたら……?


この例えのような言動を「あえて」されている方も多いでしょうし、そこに親近感や共感を持って支持される、というのも理解はできるのだけど、正直「…それは別のアカウントで言ってほしかった…」という経験、けっこうあります。

その人にとっては「お店=自分」「会社=自分」なのだと思いますが、私にとって「お店=お店」「会社=会社」であり、ある意味「公のもの」という目で見ています。だから、自分をさらけ出され過ぎると抱えきれなくなってしまう。前向きな感情は、それがそのままお店なり会社なりに反映されるんだろうな、と好意的にとらえますが、マイナスな感情を投げつけられると、(その人はそう思っていなくても)思った以上にダメージを食らうものです。

発信する以上は、その向こうに「読んでいる誰か」がいる、ということを想像してほしいなあ、というのが切なる願いです。常に想像して、思い浮かべながら書いてほしい。傷つく人はいないかな、と、送信ボタンを押す前にちょっとだけ「想像して」ほしいのです。

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逆に、私に言われたのではないのに、いい言葉を見かけて感動することも多いです。世界ってやさしいなあ…としみじみ思ったりする。Twitterなどで、お子さんがお父さんお母さんに向けて発した何気ないやさしい言葉に、「…やさしい!」と涙してしまうこともあります。

誰か別の人にあてた言葉であっても、周りの人たちが豊かな気持ちになる、ということは確かにあるのです。いや、誰か特定の人にかけた言葉だからこそ、奇をてらわない「素のやさしさ」をまとっているのかもしれません。「いいこと言ってやろう」みたいな狙いがない言葉は、まっすぐに伝わってきますよね。
自分もそうやって、喜びとなる言葉を発して周りを豊かにできたら幸せだろうな…と思います。

普段非科学的なものは一切信じない私ですが、そんな私が珍しく信じているのが「言霊(ことだま)」です。
言葉で傷つけたり傷ついたりした経験があるからこそ感じる、言葉の力の大きさ。

裏を返せば、気持ちが豊かになることばを使っていけば、世界はより良くなる。
理想主義かもしれませんがそう信じています。

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世界を「より良く」するためには、一人ひとりが「品のある発信」をすることが大切。発信にやさしさがあるかないかは、見ればわかりますよね。

自分たちもあらためて肝に銘じて、くらしアトリエ「らしい」発信を続けていきたいと(自戒を込めて)思いました。

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