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「人生を楽しむスコープ」を持っている人の話。

つい昨日、パッと視界が改めて開ける、という体験をスタッフとしましたので、コラムでシェアしたいと思います。

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5月24日から松江市の「まちなびホール」で開催されている「飯南の輝く女性展」を見に出かけてきました。

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タイトルのとおり、島根県飯南町で活躍する女性の皆さんが創作した作品が展示されています。

マイクロインスタ用1

この中のおひとり「かげやままき」さんは、くらしアトリエで先日オープンした「山の図書室」のマイクロライブラリーにイラストを描いてくださった方。

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マイクロライブラリー以外にも、かつて開催していた「暮らしを楽しむ朝市」でマップを作ってくださったり、

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オリジナルのイラストを描いてくださったり、かつてのアトリエで個展を開いてくださったり。

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イベント会場で楽しめるすごろくを制作してくださったり、などなど、多方面でお世話になっているのです。

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どれも思い出深いものばかり…。

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大きなホールでかげやまさんの絵をたくさん観る機会というのはとても久しぶりだったのですが、とにかくどの作品もとても素敵で、感動しました。


かげやまさんのイラストは飯南町や雲南市などの、いわばかげやまさんのホームグラウンドで目にする機会がとても多いのですが(道沿いの看板や地域の地図など)、そのたびに「”かげやままきスコープ”による地域の見え方」に心底びっくりします。

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「かげやままきスコープ」とは…何でもない街並みや山などの景色が、かげやままきさんの目線で見てイラストになったらとんでもなく素敵に変わってしまう現象のこと。

「道の駅赤来高原」のマップのイラストなんて、もう夢の国のようでした…。

https://www.kageyamamaki.net/local?lightbox=dataItem-k9kx4nnv

私にはどう見ても(失礼)こんな景色には見えないんだけど、かげやままきスコープでのぞいたらこんな色彩豊かでかわいい街並みに変わるのか!と、本当に驚きます。「衣掛(飯南町のレストラン)がこんな風に…見えるの?まじで?」という感じで、にわかに信じがたく、しばらくイラストを凝視してしまいました。

他にも、かげやま家の日常(主にお父さん・お母さんの微笑ましいエピソードや、家の周りの植物や虫などのエピソード)がイラストになっているのですが、もう本当に愛おしくて…!↓をごらんください!

https://www.kageyamamaki.net/local?lightbox=dataItem-jehwkocf

私だったら自分の親が妙な行動をとったら「もう、しょうがないな…」で終わってしまうところを、こんなほのぼのイラストに昇華できるなんて、「かげやままきスコープ」は本当にすごいです。

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くらしアトリエは常日頃から「地域が変わるというよりも、地域を見る目のほうを変える」ということを発信し続けています。

便利なものや都市部で流行ったものを地方にただ持ってくるだけではなくて、「いま、ここにある」ものをしっかり見据える意識を持つことのほうが大切ではないか。

地域の資源をじっくりと味わって、磨き上げていくことで、そこに暮らす人々自身が誇りを持って地域を思うことができるはず。

だから、「自分自身の意識を変える=地域を見る目のほうを変える」と言い続けています。

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かげやまさんは、私たちがそんな発信をし始めたずっと前からきっと、ご自身が住んでいた地域を「素敵な場所」としてとらえられるような意識を持って暮らしてこられたのだと思います。

周りにある豊かな自然、家族のぬくもり、幼い頃の読書体験、ちいさな小学校での思い出など、ひとつひとつはささやかな事柄であっても、積み重なることで人格をつくり、素晴らしい絵でご自身の視界を表現しておられるのだと思うのです。

いいなあ、私もこんな風に地域が見えるようになりたい、と、イラストを見ていて強く感じました。

おそらくですが、こんな豊かなイメージで地域を捉えられるようになるには、前述した「ちいさな体験の積み重ね」はもちろんですが、その人の中にある知識の深さと探求心も関係しているのではないでしょうか。

いろんなものに興味や疑問を持ちながら暮らしてこられたからこそ、暮らしを楽しみ、人生を楽しみ、それをイラストで表現することができているのかなあ、とかげやまさんを見ていると感じます。

これは私たち自身も経験したことなのですが(だからこそ、ずっと15年間同じことを言い続けているのですが)一度この「地域を見る目のほうを変える」ことができると、それまでとは景色がまるで違って見えます。

これをさっきの「かげやままきスコープ」風に言うならば、「人生を楽しむスコープ」。

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何でもない田んぼとか、空の色とか、毎日通っている町の風景が、それまでとは全然違ったものに映る。

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くらしアトリエのスタッフの中にもそんな体験をした人が何人もいて、どこで暮らしても「楽しい」と思えるようになった、と話していました。

そんな、生きるコツとも言える『人生を楽しむスコープ』を持っているのといないのとでは、きっと人生のトータル幸福度が変わってくると思うんですよね。

私にはこんな素敵なイラストを描く力もないし、アクティブさも比べようもありませんが、いま一度「地域を見る目のほうを変える」ということの大切さを教えてもらったような気がして、ぱっと視界が開けた気がしました。

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そう、何も特別な才能を持った人だけがスコープを持つことができるわけではないんですよね。

日々の暮らしの中のふとした瞬間に「ああ、ここで暮らしててよかった」とじんわり感じること、それこそが「地域を見る目のほうを変える」チャンスなんだと思います。

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「飯南の輝く女性展」の話に戻りますが、かげやまさんのほかにも押し花のグループさん(この作品もとってもかわいくて素敵!)

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リタイアしたら押し花をしようか…と思ったほどです。

自然の素材を違う自然に見立てて立体的に作品にされていて、素晴らしかったです。きっとこの押し花グループさんのスコープで見ると、ちょっとした草花も輝いて見えるんだろうなあ‥。

他にも迫力や存在感のある日本画などもあって、見ごたえがありました。

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5月30日(月)までの開催ですので、お近くの方はぜひ、お出かけください。かげやまさんご本人も期間中はご在廊だそうです(私たちが行った時にはぽつんと立っておられてかわいらしかった)。

…それにしても、初めてかげやまさんに会ったのはもう10年以上前なのに、ぜんっぜん変わられないのがすごい。見た目も変わらないし、まとっておられる雰囲気とか、急に距離が近くなる独特の感じとか、本当にずっとそのままで、スタッフの間では「かげやまさん妖精説」が浮上するほど。

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「山の図書室」のマイクロライブラリーにも、かげやまさんワールドが楽しめるイラストが描かれていますので、こちらもぜひ、見にいらしてくださいね。


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