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プレゼンは苦手。苦手なものを頑張ることで見えてくるもの。

こうして「時々、コラム」を書いている金曜日。

あすは出雲市斐川町の荘原地区というところで、タウンミーティングのコーディネーターを担当するのですが、その中で「地域づくりの心得」的なことを発表させていただくということで、プレゼンの準備もしています。

■ 今までいろんなプレゼンをやってきました。‥が、一向に慣れません。

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プレゼンテーションや事例発表。NPOとして活動し始めて12年、今まで幾度となく、いろいろな場面でプレゼンをさせていただいている私たち。もう慣れっこでしょ?という人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。なぜなら、毎回がその都度、初めてのプレゼンになるからです。

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プレゼンを依頼される局面はその時々で異なります。今回のように地域づくりというくくりで発表をすることもあれば、NPO法人としての活動の事例発表を、という依頼もありますし、大学で「くらしアトリエ」がやっていることを題材として授業をしてくれという依頼や、助成金を申請する際の自己PRのプレゼンもあります。対象となる人たちも、年齢や職業はさまざま。

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NPOについて詳しい人、まったく門外漢な人。地元の人、県外から来られた人。トラック運転手さんや運送事業所さんを対象にお話したこともありましたし、時には審査員が相手ということもある。そんな状態だから、いつも同じ話をしているわけにはいきません。

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というわけで、そのたびに一から内容を組み立て、シートを作り、時間を測り…という感じで、直前までわたわたと準備をして本番、となります。

トラック事業者さんたちにNPOの意義や活動内容を理解してもらうには、どんな表現をしたらいいだろう?

これからNPOを立ち上げようという方々に発表するなら、何を切り口にしたら面白いだろう?

そんなことを考えながら、筋道をたてて作っていくのです。


■ ちゃんと伝わったかな?と、いつも不安。

確か一番はじめにプレゼンを行ったのは、NPO法人を目指す県内の方々に向けた事例発表でした。「あなたたちNPO法人にしては変わってるし、法人化までの経緯もいろいろあったし、ユニークな活動をしてるから、こんなんでもいいんだ、みたいなのが伝わると思って」というのが依頼の理由。

キワモノとして見られている…という自覚を持ちつつ、法人化のメリットや活動の意義をお話させていただきました。めちゃくちゃ緊張したのを今でも覚えていますし、発表の後依頼してくださった方が「ね、この人たち変わってるでしょ?お金も儲かってないのになんか楽しそうでしょ?」というようなニュアンスのことをおっしゃって、「お、おう…伝わったならそれでいいけど…」と思ったのも覚えています。

余談ですが、その時に個別に話しかけてくださった方がおられて、NPOについていろいろと相談を受けました。メールで何度かやり取りをしたのですが、いま、その方が立ち上げたNPOは出雲市内で今も活動を続けておられます。あのとき頑張って話をして良かった…と、折に触れてありがたく思う出来事です。

■ 大失敗したプレゼン!‥だけど得るものもありました。

自分たちがおこなったプレゼンテーションで一番印象に残っているのは、雲南市で活動を始めて間もなく、とある助成金に申請したときの公開審査会です。10分間という短い時間に、助成を受けられるかどうかがかかっている…ということで、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発売したときのプレゼン動画を何度も観て勉強しました。

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言葉の間合いとか、「さりげなくいいこと言う」みたいな手法(?)とかを学ぼうと思ったのです。「プロフェッショナル 仕事の流儀」も良く観たなあ。また、「指定された10分間でプレゼンをまとめる」ということに気を遣い、時計とにらめっこしながら原稿を何度も読み返したものです。

果たして審査会当日。プレゼンはうまくいきましたが、肝心の「助成の目的との合致や公益性・計画性」に乏しいということで、あえなく落選‥。

「くらしアトリエさんは、思い先行型。いいことをしようとしているのは理解できますが、思いだけでは事業は続きません。計画的に確実に事業を遂行することを考えなければ」と言われ、「魅せるプレゼンは完璧だったけどね‥」と慰められ、涙を流したのでした。いま思い出してもあれは恥ずかしかったなあ…。自分たちの思いだけをただ発信しただけで、期待される効果や事業の計画性が、何ともふわっと抽象的過ぎた…魅せたけど、伝わらなかったということ。落とされて当然、と今なら分かります。若かった…。

※ちなみに、翌年しっかりと事業計画書を作りこむとともに「伝わるプレゼン」を徹底的に研究した結果、無事に審査会を通過することができました!

あのプレゼンは思い出すと顔から火が出る経験ですが、でもあの経験がなければ、こんな風に「プレゼンテーション」というものを重要視することもなかったし、「プレゼンは完璧」と言われたことが少し自信にもなって、それからは依頼があれば極力お引き受けして、いろいろな場所で自分たちの考えを発表するチャンスを頂いている、というわけです。

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プレゼンの準備をすると、自分たちの活動をあらためて、客観的に見ることができます。過去を振り返って今につなげ、未来を想像することもできますし、何より自分たちの活動の芯の部分をどう相手に伝え、理解してもらえるのかを必死で考えることができる。こういう機会は普段活動しているとなかなかないものなのです。

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だから、プレゼンは苦手だけど、ある意味「修行」だと思って一生懸命やる、というのが私たちの暗黙のルールみたいになっています。プレゼンシートはその都度保存してあるので、あとで読み返して反省したり、次につなげたり。

くらしアトリエのある意味、歴史のひとつでもある。面はゆいけれど少しは成長しているかな…と確かめられる部分でもあります。

明日もたくさんの方が参加されるということなので緊張しまくると思いますが、少しでも地域づくりの意義や楽しさを分かっていただけるよう、全力を尽くしたいと思います!

サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。