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時々、コラム。

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1週間に一度程度更新していきます。 島根で活動するNPO・くらしアトリエが考える「未来を見据えた暮らし方」。 明るく、時に凛として未来に向かい、素敵に歳を重ねられる島根でありたい…
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#エッセイ部門

暮らしのヒント、のようなもの。お料理、インテリア、人生のあれこれ。

くらしアトリエは名前のとおり、「暮らし」をとても大切にしています。 活動を気持ちよく継続するためには、まずスタッフが自分自身の暮らしを楽しみ、より良くしていくことが大前提だと思っているからです。 「心地よく、楽しく暮らしていくこと」にこだわってるからこそ、今まで綴ったコラムの中にはそういった「暮らし」にまつわること、お料理、インテリア、そして人生のあれこれについて‥などがけっこう、あるのです。 きょうの「時々、コラム。」は、過去のコラムから「暮らし」にまつわるものをいく

誰も頼んでない…のに勝手に応援シリーズ:津和野町「ざら茶」の魅力を紐解く!

くらしアトリエは今までも何度か「勝手に応援」と称し、何の見返りもないのに勝手に特定の商品や企業のPRをさせていただいたことがありました。 なぜなら「いいものがある」と思うだけで、この土地に暮らすのが楽しくなるんじゃないか、と思っているから。 あるときは山陰を代表する乳業メーカー、「白バラ牛乳」こと「大山乳業」さん。 またあるときは、島根県唯一の私鉄である「ばたでん」こと「一畑電車」。 そしてまたあるときは、あまりに浸透しすぎていてローカルフードだということを知らない人

「1円も生まない仕事」は本当に1円も生んでいないのか

「1円も生んでないのに頑張っちゃってる」 この言葉、最近私たちスタッフの間でよく交わされるのですが、決して悲観的に言っているわけではない、というのが今日のコラムです。 くらしアトリエではNPO法人として現在、「WEB発信事業」「地域のものづくり支援事業」「地域デザイン事業」という3つの事業を行っています。 それぞれが関連性を持ちつつ、随時イベントを企画したり、パッケージやプロダクトのデザインを担当したり、という具合に事業を遂行しているのですが、この中で「活動の一番の核なの

好き、が溢れる世界。〜推しが推しを連れてきた!

イベント「好きな人の好きなものは好き」の開催から1週間が経とうとしているのですが、なんだかまだ、イベントが続いているような気がするぞ?と、不思議な気持ちの中にいるスタッフたち。 お客さまも、そして、協力してくださった作り手の皆さまもにもイベントの余韻が残っているようで、楽しい後日談がいろいろ聴こえてきます。 今日のコラムはそんなお話を。 毎回、イベントを開催するとそれぞれに反響がありますが、今回は特に、なんというか…じわじわと温かな波がやってくる、という感じで、とても興味

「天国に一番近い里」から学ぶ「続ける」ということの意義。

今年も行ってきました、「天国に一番近い里」。 何のこと?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。「天国に一番近い里」とは、島根県邑南町口羽の川角(かいずみ)集落でこの季節に楽しめる、ハナモモと菜の花が咲き乱れるスポットのこと。 白・ピンク・赤のハナモモ2000本に、黄色い菜の花…まるで桃源郷のような風景が広がるため、「天国に一番近い里」と名付けられているのです。 くらしアトリエスタッフは、季節の花々を追いかけて山陰をあちこち動き回っているのですが、特にこのハナモモの風

「ひたすら野菜を焼く会」をやってみた。

先日「ひたすら野菜を焼く会」なるものを、スタッフで開催しました! というのも、先日、本当にすごーく久しぶりにレシピ本を購入し、まさに最近、自分自身が感じていることがそのままタイトルになっている!と思ったからです。 野菜をシンプルに焼いて、スパイスの効いたものをちょっと加えるだけで、すごくおいしくなる、ということがレシピ本によって可視化されてる!という話から、じゃあいろんな野菜×調味料で焼いてみよう、ということになりました。 買い求めたのはワタナベマキさんの『毎日のおかず

小説の中に出てくる「島根」について考える。

2024年もたくさん本を読むぞ!と、年末年始に何冊か興味のあるものを購入して休みの間に読んでいたのですが、そこで感じたとある思いが、今日の「時々、コラム。」のテーマです。 中島京子さんの「ムーンライト・イン」という小説に、「島根」という言葉が出てきました。詳しく言うとネタバレになってしまうのですが、「介護の仕事をしに島根に行く」という描写があり、「おっ」と思ったのです。 こんな感じで、小説に「島根」が出てくること、けっこうあるね、とスタッフと話しました。 例えば、三浦し

家事を管理したら暮らしが整った話。

今日の「時々、コラム。」は、家事について。 結婚して25年になる私。 独身時代はお世辞にも家事に勤しむタイプではなく、実家暮らしで親に甘えっぱなしだったのですが、もともと「生活」を豊かにすることには貪欲だったので、結婚後の毎日の家事はさほど苦にはなりませんでした。それは、今もそう。 ただ、「洗濯」にまつわる一連の家事(洗濯をする、洗濯物を干す、洗濯物を畳む、アイロンをかける)がどれも苦手で、オットがやったほうが格段にうまいので、これらはほぼ任せっきりです。 他にも、床のワ

「いない」わけでは、決してない。「おとなしい」人でもいいじゃないか。

このnoteを書いている「NPO法人くらしアトリエ」、noteのフォロワー数はおよそ2000人。 ですが、日々の発信につく「スキ」の数はいつもひとケタです。 見ている人が少ないのか?と思いきや、コンスタントに数百名の方のビューがあるので、継続して読んでくださっている方は一定数いらっしゃるんですよね。ありがとうございます! 「読んだけどスキに値しないから押さない」ということなのかもしれませんが(もしそうだったら申し訳ない…)、私たちはこれを、「シャイな方が大勢読んでくださっ

地域づくりに「正解」はない。あるとすれば…

地域づくりに「正解」はない。あるとすれば、「住民の方たちが一生懸命考えた結果」が正解に一番近い形、なのではないでしょうか。 かつて活動していた「はたよどり」という地域に出会うまでは、「地域に賑わいを」が正解で、それが地域づくりや町おこしなのだと思っていました。 今日の「時々、コラム。」は、私たちの活動の原点であり、方向性に気づきを与えてくれた場所について綴ってみたいと思います。 今週、ふと思い立ってかつての事務所があった雲南市の「はたひよどり」へ出かけました。 2021

「一生もの」って必要ですか?

今日の「時々、コラム。」は、「一生もの」の意味について。 25歳くらいの時、企業の総務課に勤務していた私は、女性の上司から「いい大人なんだから、きちんとした礼服を持っておきなさい」と言われ、とあるフォーマルウエアの展示会に連れて行かれました。 そこで女性の店員さんに「礼服は黒で差が出るから」と言われ、「この礼服はね、一生ものだから。本当にいいものだから」と勧められるがままに一着のフォーマルウエアを購入しました。 その額、およそ7万円。 ワンピース+ジャケットのフォーマル

たとえそこにいなくなっても、花は咲いていてくれる。

先日、お天気の良かった日に、かつての事務所があった雲南市大東町の「はたひよどり」を訪ねました。 毎年春になると、地区内にある「畑展望公園」で早咲きの桜が咲いたり、オオイヌノフグリなどの野の花が咲き誇ったりして、「桃源郷」のような風景が広がります。 移転してからは、季節のうつろいを知る機会も減ってしまったのですが、どうやら今年は春が早く来そうだ、ということで、いつもよりも少し早めに出かけてみたのでした。 桜は見ごろをやや過ぎた感じではありましたが、まだまだきれいな濃いピン

気がつけば、「作り置きおかず」が必要ないライフスタイルになっていた話。

いわゆる「ていねいな暮らし」というライフスタイルの中で、「保存食づくり」や「作り置きおかず」というのは、取り入れやすいものの一つだと思います。 私も、この2つが大好き。とても憧れます。 「ていねいな暮らし」の代名詞といいますか、とにかく「保存食」や「作り置きおかず」が特集してある雑誌をみると、ついパラパラとめくってしまいます。 30代前半、まだ社宅暮らし&島暮らしだったころは、干物を自分で作ったり、釣ってきてもらったイカで塩辛を作ったり、「ないものは作ればよい」の精神で

もし、もう一度引き出物が選べるとしたら。

先日スタッフ同士で話をしていて、「結婚式の引き出物」の話題になりました。 「もう一度結婚式をするとしたら、引き出物どんなのにする?」 まあ、ありえない話なのですが…。 20代の若い頃、もちろん「くらしアトリエ」の活動なんてしていないし、何なら「こんなところ、何もないな」と愚痴を言いながら山陰で暮らしていた私。 結婚式は出雲大社で行い、披露宴などはせず、お互いの家族だけがこじんまりと集まっての食事会を催したのですが、引き出物は百貨店に勤めていた兄に頼って、 ・女性にはウエ