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暮らしのエッセイ|民族を受け継いだ人々の想いが今ここにある

人々の想いが集まる場所がすき。それを改めて感じた今日の一瞬を、ていねいに書くことにします。

私は、日本の地域がだいすきだ。田舎も街の路地裏も、その土地土地は面白い。例えば「田舎は何もない」という声もあるけれど、そこにこそ自然とともに生きている人々の想いや願い、暮らしの知恵が現れている。所変われば品が変わるように、その地域の習慣や風俗にふれる国内旅に夢中だったこれまで、日本国外にまで、まだ興味が広がっていなかった。

今日、それが覆った。
オランダライデン市にある国立民族学博物館(Rijksmuseum Volkenkunde)

ここには、オランダとの歴史が根深いインドネシアや日本から始まり、アジア、アフリカ、オセアニア、北極・北アメリカ、中央・南アメリカ、それぞれ地域ごとに祝い、悼み、飾り、祈る、愛する、戦う、すべての民族に共通する営みのコレクションが展示されている。人間の物語を語っているのだ。

あるドラマで、演者の石田ゆり子さんが世界遺産ラスコー展の洞窟壁画を見ながら、こんなことを言っていた。

素敵ね。
2万年も昔にこの絵を描いた人たちの想いが、今ここにあるなんて。

まさにその通りだ。展示されているコレクションや映像は、世界の民族のごく一部かもしれないが、そのモノたちを受け継いだ人々の想いが、今ここにあった。なんて素敵なんだ。博物館関係者に感謝を込めて。


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