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長距離選手のタイムの壁への考察

長距離をやっている高校生の最初の目標は14分台で走りたい!
では無いでしょうか?
大学で箱根駅伝を目指したい!と志している高校生は14分台は出しておきたいところです。
しかし、その14分台を出すという目標はとても曖昧です。
14分台と言っても14分00秒~59秒まである訳ですから、1分近くの差があります。14分59秒を目指すのか、それとも14分54秒を目指すのか、同じ14分台ですが、1kmあたり1秒の差があります。
どちらを目標にするかで普段の練習のペースや試合の進め方も変わってくると思います。

また、14分台を出そう!という目標でいると14分59秒と15分00秒の間にとても大きな壁を感じてしまいます。
自分自身、高校1年生の時の目標は3000mで8分台を出すことでしたが、
何度も9分フラットくらいで走れるのですが、なかなか8分台では走れず、9分00の壁を乗り越えることにとても苦労したのを覚えています。

しかし、その大きく感じる壁は実際そこまで高くないはずなのです。
例として、14分00秒と13分59秒を秒数に直すと、840秒と839秒なのです。これだけ聞くとあまり大きな差を感じません。1kmあたり、0.2秒ですから力の差があるとも思えません。
しかし、この1秒に大きな差、大きな壁を作り出してしまっているのは事実です。高校生で13分台を出せば一流と言われています。また、この1秒で大学での免除額が変わることもあります。ある程度の基準は必要ですが、この壁は想像以上に大きいものだと思います。

ただ、壁というものは抽象的なものに過ぎません。気持ち次第で壁というものは無くなります。
例として、箱根駅伝での6区で57分台は異次元だと言われていました。
58分台前半のタイムで走る選手はいても何十年もの間、57分台で走る選手はいませんでした。昨年の第95回箱根駅伝で青山学院大学の小野田さんが58分の壁を破り、57分台で走りました。ネットでは人間じゃねぇと騒がれ、伝説となりました。

しかし、今年の第96回箱根駅伝では異次元と言われた57分台で、しかも大幅な区間新記録で2人の選手が走りました。あくまで自分の考えですが、小野田さんによって57分という壁が壊されたのではないかと思います。不可能だったはずの57分台が、小野田さんによって可能な物だと証明されました。可能だと分かれば、ペース配分も大きく変わってきます。その結果として、今回東海の館澤さんはかなりのハイペースで前半から入っていました。これはまさに壁が取り払われたということではないでしょうか。

また、今年度13分台で走った高校生はなんと11人!日本全体のレベルが上がったことや靴の進化など、様々な理由は考えられますが、他校のライバル選手が13分台を出しているんだから、俺も行ける!そんな空気感がこういった結果を生み出す要因の1つになったのではないかと自分は考えています。

しかし、この2つの例はあくまで他者の影響によって壁を壊しています。自分自身だけの力で、壁を壊すことは出来ないのでしょうか?
自分自身、5000mのタイムが速いわけではないので、この壁の前に立つことすらできていません。しかし、13分台を出すという曖昧な目標ではなく、13分〇〇秒を出すという明確な目標を立てることで、普段の練習での行動も変わってくると思います。また、13分台を出すこと自体がが目標では無いのでそこに壁は発生しないのではないでしょうか?2020年の自分は5000mでの大きな目標があります。もし来年の今頃それを達成したとしたら、壁があったかどうか、改めて書いてみたいと思います。

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