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今日の新聞より:国立大に合議体、教員ら反発

コラム727:今日の新聞より:国立大に合議体、教員ら反発

 大学の自治が脅かされています。今まで、「教授会(教授だけでなく教員すべての会議)」が、学長や理事長と同等かそれ以上の権限をもって、自分たちの方針を決めることができていたのが、数年前の学校法人法改悪、そして、今回の法案によって、トップダウンどころか、国が大学の在り方を決定できるという事態になりそうです。

 何が問題かというと、とかくアメリカ流の「成果主義」を押し付けがちな研究体制の変革と、人事への介入です。

 研究は、成果主義では、長期的な重要な研究ができず、1年、2年といった短期でそこそこの論文を提出することが求められます。イギリスの大学がノーベル賞を150くらい取れるのは、教育や会議に煩わせずに、研究に没頭できる仕組みがあるからだと思います。(その陰には、研究だけをして、なんの業績も遺せない人々もいるはず)アメリカは、学部長がどれだけの外部資金を調達するかが問われたり、教員も近視眼的な研究に忙殺されています。ノーベル賞がすべてではありませんが、研究力の低下は国家の問題です。

 また、人事では、学術会議メンバーの任命に政治が口を出した問題のように、国家に楯突く人々の排除につながります。研究は自由で、政府批判も自由でなけれはいけない!全くナンセンスです。

 というわけで、大学の自治は、大学外の人々の生活にも関係があると思います。大学業務から遠く離れても、怒りに燃えてしまう朝です。

2023年12月12日

クララ

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