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強行採決裏話

コラム519:強行採決裏話

 昨日、参議院の委員会で、入管法に関する強行採決があった。国会で働いていたことがあるので、久しぶりに思い出したことを連ねます。

 強行採決をするのは、なぜか事前に与野党双方が分かっていて、野党は、とにかく人数を揃えたり、武闘派の議員が押し寄せたりする。一方、与党も武闘派議員を詰めさせる。

 議長は、原稿を読まねばならないのだが、真っ先に手元の原稿を奪われてしまうため、なんと、胸ポケットに小さな原稿をもうひとつ忍ばせている。(ふたつくらいあるかもしれない)

 そこで、「ご異議ございませんか。起立多数と認めます。」などという原稿をマイクに向かって読むのだが、マイクの声は通っていないし、第一、全員立って抗議しているので、意味がないことを言うことになる。

 だが、後に議事録を見ると、議長の言った(言いたかった)とおりに速記者が聞いて書いたことになっている。事務局も委員長の味方になりがちである。

 というわけで、暴力や茶番に満ちた強行採決も、議事録上は、粛々と採決が行われている。おかしいと感じる国民が多いのもうなずける。

 ちなみに、昨日、暴力的抗議を行った議員に対し懲罰動議がかけられる様子だが、皆が暴力的な場所で、少々暴れることには問題がないように思う。与党も元運動選手などを集結させるので、動物園だ。

 このような醜い混乱のない議会にしてほしいものだ、と思う。

以上

クララ

2023年6月9日

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