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『女性として』経験したこと

2021.2.4

私は泊まりがけの仕事をしているのですが、
昨日から今日にかけて『女性差別』の発言があったとかなんとか。
性別に関わらず、あの発言に引っかかった方はいたかと思います。

ということで今回は、女性である私が、短いながら男性社会で働いてきて今まで感じたことを、まとめてみます。
かなり長くなりますので、もしお時間があれば読んでいただけると嬉しいです。

①私の仕事のこと

最初の投稿でも書きましたが、私は入社3年目の正社員です。
職種としては技術職採用で、ここ最近はオフィス仕事ではなく現場で働いています。
最近は都市部近辺を中心にだんだん地方へも女性が増えてきていますが、元々は男性が多い会社です。
私はオフィス仕事(新入社員研修)約4ヶ月ののち、何個か現場を転勤しています。

その中で、とある現場へ、女性社員として初めて行きました。
その職場へ行く前の研修で一緒だった女性の先輩と2人で。
その時感じたことを書いていきます。

②『女性として』初めて働くにあたり

研修修了後に、配属先が決まったのですが、その職場自体に女性社員はいません。
2人一緒だったので当時はそこまで不安はなかったですが、
人事の人には、
『女性として』働く上で何が足りないのか、何が困るのかなど、
お互いに分からないことだらけだと思うので、
不安に思ったり気づいたことがあれば声に出すように、と言われました。


ということで現場に行きましたが、職場の皆さんは温かく受け入れてくれました。
指導を担当する皆さんも困ったことはないか、と頻繁に声をかけてくださったし、
とりわけ私を個人で担当してくれた先生はまさに神様仏様のような人でした。

最初は仕事を覚えるのに精一杯でしたが、いろんな方に支えられてなんとか見習い期間を終えてひとり立ちすることができました。

見習い中は先生がいてくれたおかげで守ってもらっていた面が多々あったのですが、1人になってからは気づいたことはこまめに言うようにしていました。

後に女性の後輩も4人増えて、MAXで6人働くこととなりました。

③『女性として』職場に伝えたこと

でも、職場にとっては初めての女性社員。
どうやって扱ったら良いか、分からない部分も多かったと思います。
特に男性ばかりの会社だと、そう思っている人が多いのではないでしょうか。

まず、設備などのハード面について。
これは実際に働く上で比較的伝えやすかったと思います。

職場にこれを置いて貰えますか、
この道具が使いづらいので検討してくれますか、
管理が職場ではなく違う部署なので、間を繋いでもらったりしてもらいました。

ただ、新しい設備を作るか作らないか、となった時には、
『人数が少ない』ので、現状では投資するには難しいですよね。
足りないところは違う方法を考えながら、乗り切っていきました。
もしこの先人数が増えてきたら考えてもらえるように、意見はちょこちょこと出していきました。

次に、勤務内容などのソフト面について。
これについては、悩む部分がかなりありました。
まず当時は、設備と防犯上女性は働けないシフトがあり、
そのときは、ほかの男性と交代していただくことになっていました。
自分がきつくなる分はいいのですが、相手方がきつくなることもあり、
それは仕方ないのは分かっていますが申し訳ないなと心苦しく思っていました。
(途中で女性はそんなことにならないように改善してもらいました)

他にも夜遅くにひとりで作業すのを少しでも早い時間にさせてもらえないか、
例えば連続3時間くらい休憩がないのは、調整できたりしますか、など
(生理のときナプキン替えられないの割としんどいのでですね…)
次に勤務内容を更新できるタイミングで検討して貰えるように、
素直に伝えるようにしていました。

すぐに対応できることはしていただけて大変ありがたかったです。

ただ、急に女性がポンっと入って来てその都度判明したことに対して、
全て対応することは難しいですよね。
使えるお金には限りがあるし、他にも皆さん仕事は鬼のように抱えてるわけですし。
信頼できる人、親身になってくれる人、パイプが太い人を見つけて、少しずつ、少しずつやっていくしかありません。

④『女性として』 生理について思ったこと

『生理』という女性にしか無いものを理解してくれるかどうか不安な社員は多かったです。
オフィス仕事ではなく現場仕事なので、結構直結する人はします。
しかも個人によって症状の重さがかなり違いますよね。

私は配属されてすぐの面談で、生理のことはすぐに上司に話しました。
現場叩き上げの方が多いので、早めに伝えておくに越したことはないなあ、と。

仕事が出来ないほど生理が重くない人
痛み止めを飲めば大丈夫な人
できる手は尽くしても動くことも出来ない人

更に、普段は大丈夫だけど何故か今月は急におかしい時もありますね。

私は先生がこのあたりの個人差を理解してくれる人だったので、
しんどい時は素直にしんどいです、と伝えることができましたし
そもそも察しの良い先生だったので、顔色悪くて険しい顔をしていると、
何も聞かずに少し仕事を手伝ってくれました。

前述しましたが、代わりの人が必ず必要な仕事なので、
誰かが休みだったのに仕事にいかないといけなくなります。
『自分もかつて熱出したことあるし、お互いさまだと思うよ』と思う人と、
『本当に生理ってだけで休むくらいきついのか?急に休んで迷惑だ』と思う人もいるでしょう。

こればかりは、男性しかいなかった職場なので知らなくても当然です。

後輩が生理休暇をとった時に実際生理ってどうなの?と言う人がいたので、そのときはわりとオープンに話すようにしていました。
(私は数年に1回たまーに本当にのたうち回るくらい辛いときがあります)

話したら、結構そうなのか、それでこの仕事をやるのはきついね…と分かってくれる人がほとんどでした。
こればかりは知ってもらうことが先決だなと感じました。
特に上の世代になればなるほど、知る機会が少なかったかもしれないですね。

最近は、男性に生理を知ってもらおうというサイトや漫画などもよく見かけます。
男性の皆さんも、もしひょんなことでも知る機会があれば、
積極的に知っていただけると嬉しいなと思います。

⑤『女性として』辛かったこと

1番辛かったのは、『設備も整ってないのに状況で女の子来るなんてかわいそう』と言われたこと。
年配の方に多かったですね…。気持ちはわかります。そりゃそうです。
娘くらいの歳の子達が、ペーペーの立場なのに、何かあるごとに困ったことをちょこちょこ職場に言ってるわけです。
ていうか自分が娘だったらこんな現場仕事心配なのに、都市部ではなくてわりと田舎。

でも、私たちはその状況をどうにかするために行ってるし、
そもそも今の仕事をするとわかった上で入社していますし、
そもそもその仕事を本当にやりたくて、入社している人もいます。


本人が何も言っていなければ、かわいそうだと思わず、
周りの同期とかとある程度同じようにひとりの同僚として扱ってもらいたいな…と感じました。

あとは、気持ちが同じ方を向いている人じゃないと、応えてもらえないこと。
人を選べばいい話かもしれませんが、立場上そうせざるを得ない場合は辛いですよね。
これは誰かと何かをする上で、すべてにおいてそうだと思いますが。

いざ気づいたことがあっても、自分たちだけで勝手に決めて行動することはできません。
ひとまず、上司たちに相談するように言われていたので伝えてみようと思いますが、
まずは誰に意見を伝えるか模索するところから始まりました。
具体的に『この類の内容はこの人/この立場の人に』という窓口を示されたわけではないので、
自分たちで判断しなくてはいけません。
その人を見つけるまでに辛かったことがありました。

先輩と協力しつつ、色んな人に相談してみた結果が前述の通り。
勇気を出して言ってみたけど受け取ってさえくれない人がいたら、辛かったですね。

こんな状況で女性来たってどうにもならないだろ、と思っている人に困っていることを伝えても、なかなか聞き入れさえもらえません。
『なんで今更そういうこと言うの?』と言われたときは泣きそうになりました。
それなりに勇気を出してタイミングを見計らいつつ、勇気を出して伝えていたので…。
その方には二度と困ったこととかの話をすることはありませんでした。

⑥『女性として』どうしていくのか

私たちが運が良かったのは、
泊まり勤務なので同じような立場の上司が何人もいたことでした。
話を真剣に聞いてくれる人が、きちんといたのです。
意見がほしい / できることは対処したいと思ってくれている人は、
職責とか立場に関わらず、実際に行動してくれたり、ほかの窓口を教えてくれたりしてくれました。

あとは、ひとり立ちしてからも、
辛いことがあった時も話を聞いてくれて相談に乗ってくれた先生の存在は心の支えになりました。
先生は元々都市部の職場から転勤してきた人で、勿論女性の同僚とも働いたことのある方で、
頭の堅くない、柔軟な気持ちで働いている優しい先生でした。

私の考えていることを否定せずに聞いてもらえて、
『あなたは間違ってないよ』と背中を押して自信を持たせてくれたので、
今でも私たちが感じたことは間違ったことではないと信じて行動してこられたと思います。

しかし、
もしこんなに理解してくれる人が1人もいない環境だったら?
女性なんてすぐに結婚して辞めるだろうと思っている人ばかりだったら?

考えただけで恐ろしいです。
私達は運が良かったなと痛感しています。

本当は女性が働く環境が整った上で配属されるのがベストなのが当たり前なのかもしれません。
私も最初はそう思っていました。
でも、みんな手探りの状態ですし、女性がいないのに女性の環境を作るのは難しいです。
後々分かることや気づくことが多いです。
だから、まずは
女性たちが意見を述べやすく、反映しやすくなるような状態は作った上で新しく女性を進出させていければいいのかなと思います。

こんな経験ができる人ってそう多くないと思うので、貴重な経験になったかと思います。
次はもっと自分の実力とか立場とかをしっかりつけていって、
当時の意見は出せるけど結果を待つことかできない立場ではなく、
実際に具体的に決めて行動できる立場になったときに、
女性の皆さんが不便なく、安全に、安心して働けるような環境を整えていきたいです。

そもそも女性だけではなく、みんながそうなる環境がベストなのですが、
個人的に男性社会の職場は、
まず女性にとって働きやすい環境を作ることで、
ベストな状態に近づけられるんじゃないかなと思います。
みんなが前向きな気持ちで働ける会社になるように、まずはしっかり力をつけていきます。


自分の思っていたことをまとめるために
かなり長ーーーくなってしまいました。
振り返るとかなり大変だったなと今でも思いますが
この経験は忘れないようにこうして残しておきたいと思います。


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