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第11話:流通に乗せるための機関に登録する

発売は2024年3月9日だったのだが、「第9話:印刷するまでに必要なこと」の一連の作業と並行し、流通に乗せる準備をしていた。
「広く書店への営業をするのではなく、私たちの活動に興味を持っていただけるような奇特なお店に限定し、初版の1,000部までは取次を使わず、基本的にはBASEでの販売にすることにした。Amazonでの販売もしない。」という方針にしたので、本来、以下に記載するような機関に登録する必要はない。
 
では、なぜ、登録したのか。
私たちは、紙の本が持つ力はなにものにも代えがたく、遠い未来まで受け継がれるべき文化だと考え、本に関わるすべての人を幸せにするために、出版活動の振興に取り組んでいる。
そのために、自らが出版社として、本に関わるすべてのことを経験することはもちろんのこと、長く続けることが必要と考えており、第1弾のリッキーシリーズも、10作以上を目指している。

本に関わる全てのことを経験する必要があること、今は、お客様1人1人に自分たちで発送することができていても、いずれ難しくなる時が来ると思っていることから登録した。
 
また、私は本屋さんが大好きなのだが、私たちのことを知っていただきたい、という個人的な思いも大きかった。さらに、お取引いただく書店様には、喜んでいただけるお付き合いになるよう、不慣れなことでご迷惑をおかけすることなく丁寧に対応したく、わからないことがあっても、教えていただきやすい機関を選んだ。
 
こうして、発売の約1ヶ月半前に、JPRO版元ドットコムBookCellarに登録し、約3週間前に書誌情報を登録したのである。
ちなみに、書誌情報の登録は、2ヶ月前の登録が推奨されている。
私たちは、初めての出版で慎重になっていたこと、かつ、基本的にBASEでの販売で、時間をかけて売る方針のため、書店(ネット書店を含む)での販売で初速を出す必要はなかったことから、印刷会社へ入稿してから登録した。
 
JPROの登録は1冊1,000円、版元ドットコムの会員入会費は10,000円、10点までは月会費1,000円、BookCellarは無料である。
 
私は段取りがわかっておらず、それぞれに登録してしまったので、書誌情報の登録もそれぞれに登録することになってしまったのだが、初めに、版元ドットコムに登録し、JPROの登録方法を「システム支援会社を利用」にできれば、版元ドットコムに入力した情報がJPROに反映され、BookCellarにも反映されるので、登録する際は順序に気を付けていただきたい。
 
また、直取引のみで、JPROを使う際は、Amazon・楽天に配慮する必要がある。
JPROは、書誌情報を業界各所に一斉に配信する仕組みで、特定の受信者を除くことができない。
「取次会社取り扱い:なし」にしていても、この2社は、購入できる状態になってしまうため、個別で連絡して対応してもらう必要がある。これを知らなかったので、基本的にBASEでの販売になることは周知していたものの、発売直後、少し対応が発生した。
連絡すると、「次回は、JPROで対応してもらってください」と言われるが、JPROは「受信者への代理対応はしない」ので、次回の対応をどうするかは悩ましいところである。

JPROパンフレットより

BookCellarは、書店と出版者を繋ぐ受発注webシステムなのだが、このように、新規参加の出版社を紹介してくれる。

このように、直取引ではあるものの、流通できる体制を整えた。

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