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仕事、ほとんど辞めてしまった

転居によって仕事は減った。
というより、母の死の直後はそれより前と同じ量の仕事をこなせる状態になかった。
私から仕事をとったら何も残らないのに、働く気なんてなくなって。
方々に多大なる迷惑をかけた。
断って退き仕事を「減らした」。

本業はWEBのディレクション。
母が亡くなる少し前から、ほぼリモートに切り替わっていた。
コロナ感染の恐怖や緊張感の中、体制を変え、手順を変え、いろいろ混乱しながら。
母が亡くなり、翌日の昼間からクライアントさんやチームの仲間へかたっぱしから電話。
次にいつ東京の部屋に戻れるかもわからない。
実家にはネットの環境もないし、手元にパソコンもない。
社会人としては失格だけど、メールを見る、電話に出る気力もわかない。
頭が働かない中、ものすっごい感情のうねりの中で母のことでは決めること、探すものの連続で。

東京の仕事、全部辞めようと思った。
仕事はどれも私がいなくても回る。
しばらく混乱したり、多少質が落ちても、それはそれなりに続いていく。
これまで残される側として回してきたからわかる。
「この人いなくなったら絶対回らない!」って思っていても、回すしかないのでどうにか回してきたのだから。
ただ、残される側を散々経験してきて、引継ぎの大事さも学び、どんな辞め方ならかける迷惑を小さくできるか知っているのに、自分がこんな辞め方することになろうとは。
どの仕事にも、クライアントさんや仲間にも全て感謝しているし、迷惑をかける形で辞めるとか自分で自分を許せないけれど。

母が亡くなった後の手続き、父との日々の暮らし、実家の片付け、自分の引越し。
落ち着いたら地元で仕事を探せばいい。
高齢の父と暮らすのだから、東京へ行く仕事は行き帰りの電車がリスク大。

副業のひとつは「そういう事情なら仕方ないですね」で終わり。
正直、そこが1番、穴をあけられない仕事だったんだけど。
正確には忘れてしまったけれど、16年とか続けていた副業。

本業の全てが「どういう形なら続けられるか考えましょう」という感じだったのだけれど、これまでと同じ結果を出し続ける自信がない。
だけど、どういうわけか2つの仕事が残った。
正直、「この2つなら続けていけるぞ」とは思えていない。
ただ、「本当に限界だというところまでやってみよう」と思えた。

親の死ぐらいで仕事なんて辞められない?
社会人としては、それが正解だと思う。
でもあの時の私に正しい判断はできなかった。

続けることになった2社は、本当に配慮してもらい、半年経った今でも(今のところ)どうにか続けられてはいる。
あとはコロナ次第。
実家でなら、残った2つの仕事でも生活はできるけど、時々地元の求人とか見ることも。
ある程度、想像はしていたけれど、スキルを活かせる仕事の少なさ、それと単価の安さに愕然とする。
よっぽど惹かれる内容の仕事でなければ、下手に手を出してもモチベーションが維持できないので。
地元での求職活動は棚上げ中。

私には本業のWEB以外にも大事なライフワークもあるのだけれど、それは「対面」であることが大前提。
東京ではなくなったし、社会の変化も考慮して別のやり方を考える。
一生終わらなそうな物量の実家の片付けもしながら、前へは進む。

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