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⑥はじめての説明会はカルチャーショックまつり/その1 

周回遅れ寸前で就職活動を始めた私も、しばらくして選考を兼ねた説明会に参加できる機会に恵まれた。

それは、子供の頃に大好きだったキャラクターグッズの製造販売を行なう会社。第一志望といっても過言ではない。

小学生の時、文集の「将来の夢」の欄に、ここのグッズを売るお姉さんになりたいと書いたことは今でもはっきり覚えている。

しかし内心、「お店だと土日やお正月は休めなさそうだから無理かな…」と子供ながらに思っており、「土日などの休日は家で過ごしたい・仕事をせずにいたい」という願望が当時から強くあったのだった。

それから十数年後。
その会社の就職試験を受ける日がやってきた。
応募したのは、もちろん土日祝日が休みの事務職である。

都心のとある駅に下り立ち、オフィスビルに入ると、大きな会議室には数えきれないほどの黒い(スーツと髪の)学生が。

この人達の何人かは、つい最近まで茶髪や金髪だったり、ファンキーな髪形だったりしたんだろうな…。

今はスーツだけど、普段はギャルみたいな服やメイクの人もいるんだろうな。
なんでみんな、こんな格好をさせられているんだろう。なんか滑稽だよね。

などと余計なことばかり考えていた。

あらかじめ付与されたIDごとに席が設けられ、説明会の後、5~6名のグループに分かれて面接と自己PRタイム。

面接では、例のごとく志望動機とやりたいことを尋ねられた。

前回、志望動機について「募集が出ていて条件が良さそうだったから。それだけ!入社してからやりたいこと?入社してないから分からないよ!以上!!」だった私でも、ここでは自信を持って言えたのだった。

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御社で発行していた小冊子が子供の頃から大好きで、毎日のように読んで楽しんでいた。
それがきっかけで、自分でも趣味で小冊子を作ったり、小中学校では新聞係や広報委員を担当したりした。
また、御社のグッズたくさん集めて、使ったり眺めるたりするのが至福のひとときだったし、あの頃のときめきやワクワクは今でもよく覚えている。

そしていつか、自分も御社の小冊子を作りたいと思い続けてきた。
今度は私がこの冊子を作る側になり、御社のグッズが好きな子達に、そんな夢や楽しさを提供できるようになりたい。
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おそらく、そんなようなことを私にしては熱く語った。

就活のプロ?や人事担当者からしたら、平凡!!弱いよ!!全然響かないよ!!な内容かもしれないが、これが私の素直で率直な思いだった。

私にしてはよく言えたよ。これでダメならもういい。
嘘つくつもりもないし、変に飾るつもりもないし!と開き直り。

そして自己PRタイムが始まったのだった。(つづく)

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