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プリンのせいで1回〇んだ話

私は冷蔵庫を開ける度「〇〇食べていい?」とよく母に聞いていた。母はいつも「私が買ってきたものはなんだって食べていいよ、許可はいらないよ」と言った。

ある日、この日も変わらず冷蔵庫を覗き「プリン食べていい?」と聞いた。母は相変わらず「私が買ってきたものはなんだって食べていいよ」と言った。

そう、「私が買ってきたものは……」

わーい!と手を伸ばし冷蔵庫に入っている3つ入り100円ほど(当時の価格)のプリンをスルーしてその奥にあるひとつ200円以上はするであろうプリンを掴んだ。

スプーンでそれを掬い口に含んだ瞬間に滑らかな舌触りのそれは私の脳内を一瞬にして天国へとトリップさせた。

そして最後の一口を口に含み、その余韻を楽しんでいる、まさにその時だった。

「ん? あれ? それ私買ってない……」

母のその言葉に私の口内は一瞬にして苦味に溢れた。あの優しかったクリーミーな味はもういない。

私は一瞬にして察した。全てを察した。
私は慌てた。ひどく慌てた。
母に「早く早く早く、コンビニ行くから早くお金ちょうだい」と新手のたかりをしてお金を巻き上げ、超特急で玄関に走りこむも時すでに遅し、ちょうどそのタイミングで部活帰りの姉が帰還したのであった。

その後の展開はお察しの通り、姉の手により私の残機がひとつ減ったのであった。

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