デュエプレ環境振り返り(8弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
デュエプレ環境の振り返りを行っていきます。
今回は8弾篇です。
7弾がまだの方はこちらからどうぞ。
第8弾パック概要
第8弾・「極神創世譚-VIOLENCE FUSION-」は2021年2月18日にリリースされます。
サブタイトルは続く9弾でカード化するので、紙のエキスパンションにもよくあった気の利いたものでした。
メインテーマとなったのはその名の通り”ゴッド”。
紙ではその個性である”G・リンク”能力が扱いづらく、元々のゴッドクリーチャーのグッドスタッフ性が高いもののみが、G・リンクをほとんど無視して活躍するといった程度でした。
ですが、その癖に補正をかけるべく、デュエプレではまさかの新カードタイプ・ゴッドカードとして登場します。
1枚が複数のカードの役割を果たすという特性は、紙を知っている人には超次元を彷彿とさせるものでした。
究極進化(ルナティック進化)や超次元の実装を経た後になって振り返れば、ゴッドはこれらのための布石(テスト)だったのではないかとも考えることができます。
まったく新しく、紙にも存在しないカードタイプにユーザーの反応も様々でしたが、いざ実装されるとその汎用性の高さで環境を席巻していきました。
ゴッドカードによるゲームの多様性の貢献度は非常に高く、その後はゴッドというだけで注目を受けるほどのエリートカードタイプとなります。
また、ゴッドカードが異なる文明の神同士で構成されたことからすべて多色カードであるように、この8弾は5弾以来の多色推しエキスパンションでした。
3文明に跨るカードも登場し、紙の極神編がそうであったのと同じようにカードパワーの向上(インフレ)が起こります。
2色のカードにも多色事故を考慮しなければ多大なアドバンテージをもたらすカードが多く、デッキ開発の多様性に貢献していきます。
単色のカードたちでは一種族で複数文明に跨るハイブリッド種族が引き続きテコ入れされ、特にアーク・セラフィム、グランド・デビル、ティラノ・ドレイクはようやくデッキをして成り立つようになりました。
ただ、デッキの体を成すようになったとはいえ、環境級とは言い難く、上記のような汎用的なカードが出張する形での進出に留まります。
少々話としてはズレてしまいますが、いずれも程度の差こそあれどこの後のEXパックにて強化を受けて準環境級へと出世を遂げることができるので、ひょっとすると開発の方向性に影響したカード群とも言えるのかもしれません。
その他、R以下で環境で見られたカードたちは以下。
7弾のデザイナーズな方向性からは打って変わって、全体的にグッドスタッフ性の強いラインナップとなりました。
汎用的なカードが増えたことで、デッキ構築の幅が広がった面を好意的に受け止めたユーザーが多かったように感じます。
後に4枚の下方修正と1枚の殿堂入りを輩出し、環境デッキの数々のキーカードを生み出した8弾がどのようなものであったかを以下では整理していきます。
少々長い記事ではありますが、この時期にプレイしていた人が懐かしめる、プレイしていなかった人には「こんな時代があったんだな」と楽しめる記事になれば幸いです。
New Division 環境変遷
環境前期
・赤緑ドリメ⇒リースドリメ
新弾のラインナップを俯瞰した時、最も明快な強化の入っていたテーマデッキは『ドリームメイト』でした。
SRに指定された「ボルパンサー」は5コストにしてたやすくW・ブレイカー以上になるSAで、これまで踏み倒すカードに魅力の薄かった「ケンジ・パンダネルラ」の評価を急騰させます。
前環境で暴れ始めた「ガルベリアス」が条件付き6コストSAだった点、紙で6コストSAの先駆けになる「ボルシャック・大和」が未実装だった点を見ても、かなりのインフレを感じさせたカードです。
前環境である程度戦えたデッキが強化されたということもあって、早速試みる人たちが多く見られました。
同型に対して強く出るために、定番の流れとして白のトリガーを採用する『リース』へと短期間で移行していきます。
・クローシス除去コントロール
同じく8弾のSR陣で注目を集めていた「竜極神」をすんなり採用する構築として、除去コントロール系のデッキも環境初期に急増します。
「ポワワン」「バジル」「のろいとテラーの贈り物」のデザイナーズコンボがわかりやすく膨大なアドバンテージを稼ぐものであったことも影響しているでしょう。
前環境の『除去サファイア』をアレンジする形で成立し、人気を集めていきます。
・リースアポロ
シークレットに指定された、紙で殿堂入りの功績を持つ「ロマネスク」も色と種族を活かした様々な構築が模索されました。
環境序盤に姿を見せたのが『リースアポロ』です。
他に『5c天門』などでも採用が模索されましたが、結局のところ「ロマネスク」の採用先は限定的で、SRとしてはまだ格の低かった「ボルグレス・バーズ」との併用を要求されることからそこまで流行ることはありませんでした。
・赤白アポロ
7弾環境を席巻していた『アポロ』は、同格の『メカオー』や『ツヴァイ』が『クローシス除去コントロール』によって下火になる中で、唯一活躍を続けます。
「ボルガウル・ジャック」は大きな強化カードで、この8弾環境ではキーカードとも言える強さを誇りました。
これによるビートダウンが強力であったため、中には『赤白アポロ』から「アポロ」を抜いて、その枠を「ボルガウル・ジャック」の増量とSAのドラゴンに割く構築、いわゆる『アポロ抜きアポロ』も見られるようになります。
こうして新弾の目玉カードを使ったデザイナーズデッキに、旧来の環境デッキが加わることで8弾環境は始まっていきます。
リリース当初の環境分布は以下のような感じ。
7弾がデザイナーズの色と比して、グッドスタッフの多い8弾ではどのようなデッキが時間をかけて開発されていくのかと期待を集めていました。
ところが、その変化の時は思いの外早く、それも想像を超える存在感を放って現れます。
後に長く語り継がれる『ゲオルグ天門』の登場です。
・ゲオルグ天門
おそらく初出と思われるものはADで結果を出したものでしたが、当時はまだADとNDのカードプールの差が小さかった時代です。
「ホーリー・メール」以外のカードがそのまま流用なことからすぐさまND環境にも持ち込まれ、瞬く間に環境を支配していきました。
https://twitter.com/yofe_ranta/status/1363377490907996160
https://twitter.com/113B_LAB/status/1364032423000870914
このデッキが注目を集めた理由は多数ありますが、要点を絞って説明するならば
・『天門』という7弾でデザイナーズに飲まれたデッキが
・ユーザーの開拓によって
・「アガピトス」という事前評価の低かったカードを軸に据えつつ
・「ゲオルグ」という圧倒的なパワーカードを切り札にして復活した
ということにあるでしょう。
振り返ってみれば「アガピトス」の事前評価の低さは「ウルコス」が未公開カードであったことが影響していたり、「アガピトス」と「ウルコス」と「ヘブンズ・ゲート」を採用するところを出発点にしていけば全体的にさほど奇抜なカードは入っていなかったりと、案外構築難度は高くなかったのではないかと考えられる部分もあります。
ですが、当時としては非常にセンセーショナルなデッキで、多くのユーザーにその印象を焼き付けることとなりました。
こうして『ゲオルグ天門』によって激震の走った環境でしたが、とはいえこれだけで8弾を伝説にするまでの影響力はなかったでしょう。
もう一つのイレギュラーがほどなくして台頭するようになります。
『トリーヴァドリームメイト』の登場でした。
・トリーヴァドリメ
前述の通り、5コストでSA2点以上になる「ボルパンサー」は革新的と言って相違ない、デュエプレのコスト論を破壊してきたカードでした。
赤緑、またはリースの『ドリームメイト』がこれを採用して環境進出したのは、まさに予定調和だったと判断できるのです。
ところが、8弾リリースからそう長い時間の経たない頃に、その壁をぶち破る構築が現れてしまいました。
このデッキが想定外だったのは、
・前述通りぶっ壊れのSR「ボルパンサー」に見切りをつけ
・VRの「ジェネラル・クワガタン」が優先された上に
・まさかのこちらでも「アガピトス」が採用され
・ビートダウンなのに攻撃的な火よりも水が優先された
という点に尽きます。
特に「アガピトス」は「ヘブンズ・ゲート」で出さずとも6コストで3打点を形成しつつ余りある+αの動きが高く評価され、当初の評判をここでも大きく覆していきます。
後にも先にも、「アガピトス」ほどのシンデレラストーリーを辿るカードはそうないでしょう。(この成功譚も実は序章に過ぎないのですが…)
とはいえ主役は「パンダ」から出て来る「ジェネラル・クワガタン」で、基盤の固さから更なるパワーカードとして「アルバトロス」を加える黒入りの形にも派生していきます。
環境中期
『トリーヴァドリメ』と『ゲオルグ天門』のデッキパワーは凄まじく、ビートとコントロールの二極の頂点デッキが環境を強く締め上げる構造が出来上がりました。
多少の波こそあれど8弾環境の圧倒的Tier1格として君臨し続けます。
7弾の流れを汲んだデザイナーズ路線で行くと思われた矢先の急転直下の環境変化に面を喰らうプレイヤーも多かったことでしょう。
ただ、この二つのデッキがデザイナーズでなかったということが、まだ希望となり得たのかもしれません。
二強を崩すには至らないものの、ヒビを入れる程度の試行錯誤を見ることができました。
・ドルバロム(青黒、クローシス、天門)
一つが『ドルバロム』です。
後の環境を知る人ならば、実際に共存した歴史がなくとも『ゲオルグ天門』と『トリーヴァドリメ』に『黒緑ドルバロム』が有利を取れそうということはイメージできるかもしれません。
この頃はカードプールの不足から『黒緑』は組むことができず、『青黒』や『クローシス』が主流で『トリーヴァドリメ』の速度に対して若干難はありましたが、『ゲオルグ天門』に対しては優位を付けることができました。
『トリーヴァドリメ』にも戦えるようにして対面相性を尖らせる『ドルバロム天門』なども存在し、「ドルバロム」のメタ的性質を光らせます。
・赤黒グール
中堅デッキとして二強と五分前後で向き合えたデッキには『赤黒グール』があります。
7弾環境でパッとしなかった「グール」ですが、「竜極神」と「ボルガウル」によって大幅に戦力強化され、元祖壊れカードの「ガルザーク」も加わってビートにもコントロールにも回答手段を持ったいぶし銀的な活躍を見せます。
私もよく愛用していたデッキでした。
・青単テクノロジー
7弾環境から続けて裏でゆっくりと練られていた『青単テクノロジー』は、二強に対して最も食らいついたデッキの一つでした。
『ゲオルグ天門』に3枚積みが基本だった「アガピトス」と「ゲオルグ」を次第に4積みにさせる構造変化を迫っていったのが、このデッキの当時の存在感を物語っています。
8弾で得たカードは「ネオングライド」のみであったものの、これでテンポを稼ぐ動きがデッキの要となるほどの活躍を見せます。
研究が進むと「ツヴァイ」の採用枚数が増加し、サブプランとは言わせないほどに強力な二本の槍の力を再度知らしめました。
・5c天門
当時私は『ゲオルグ天門』のことを『ゲオアガピ天門』と呼んでいたのですが、その理由の一つにそれまで一般的だった『5c天門』でも「ゲオルグ」が採用されていたことがあります。
同じ5色の『天門』であるにもかかわらず、あちらとはまったく異なるデッキと言えました。
こちらは7弾の『4c天門』の流れを受けて除去コントロールのような性質があり、『ゲオルグ天門』の固定枠を環境に適応したグッドスタッフカードに差し替えることが強みです。
デッキパワーも高く、地味ながらも二強と渡り合うだけの実力を持ちました。
・ツヴァイ
「ストリーミング・ビジョン」と「クリスタル・パラディン」が使えないことで当時NDとADの差が最も出ていたデッキでしたが、それでも十分な強さを持ちました。
「ツヴァイ」の性質からビートダウンの『ドリメ』、「マーキュリー」の性質からコントロールの『天門』に回答出来る構造があったため、二強に抗えるデッキとしてメタゲームに食い込みます。
環境初期こそ前述の『クローシス除去コントロール』によって影の薄くなったデッキですが、そちらが後退したことに加えて『青単テクノロジー』という有利対面が出てきたことからも面白い立ち位置にいたデッキでした。
・メカオー
こちらも『ツヴァイ』同様『クローシス除去コントロール』が苦手だったことに加えて、『ドリメ』も分が悪かったことから当初立場を悪くしていました。
『クローシス除去コントロール』が数を減らした点と「マーキュリー」を扱えた点では『ツヴァイ』と同じく復権の兆しを見せます。
しかし、『ツヴァイ』に比べると爆発力に欠けるこのデッキは対面の押し付けを凌げないことも多く、7弾からの一部の玄人が使ってどうにか勝ち星を積めるか、という苦しい立ち位置にありました。
ただ、裏を返せば、環境上での地位が悪くともプレイングさえあれば勝ちうるという恐ろしい性質は見えていたと言えます。
こうして『ゲオルグ天門』『トリーヴァドリメ』の二強を中心としたメタゲームが展開されていきますが、その日は長く続きません。
3/23に能力調整のアナウンスが発報されると、さほど期間を空けずして3/25に
・「ストリーミング・ビジョン」の殿堂入り
・「ジェネラル・クワガタン」の下方修正
・「フルメタル・レモン」の下方修正
・「アルグロス・クリューソス」の上方修正
・「スナイプ・アルフェラス」の上方修正
が実施されました。
当時結構長くこの二強を見ていた気分でしたが、実際はわずか1か月と1週間のかなり限られた期間だったんですよね。
この2デッキが運営の意図を上回る性質を持っていたことは既に述べましたが、それが8弾リリースから早期に成立してしまったことも問題だったのでしょう。
※8弾のリリースが2/18だったのに対して、『トリーヴァドリメ』は2/19、『ゲオルグ天門』2/21頃に情報が回り始めます。
プレイヤーの開発力・熱意に驚かされたものです。
この調整内容には様々な憶測も飛び交いましたが、ともあれ次の弾まであと1か月も切ろうというところで8弾環境の後半戦が始まりました。
環境後期
・リースドリメ
「ジェネラル・クワガタン」の弱体化はやはり大きく、能力調整当初は多くの人に試行されるものの、メインの構築からは抜けていきます。
代わりの枠には「ボルパンサー」が入り、『ドリームメイト』はようやく本来の姿ともいうべき『リースドリメ』が主流になりました。
『トリーヴァドリメ』が主流な中でも一定数は活躍が見られただけに、当然と言えば当然の結果が明るみとなります。
この『リースドリメ』は『トリーヴァドリメ』をすっかり過去のものとし、ビートダウンの優等生としてその後長きにわたって活躍を続けます。
ただし、『トリーヴァドリメ』よりも速度がでる一方で継戦力は落ちたため、前よりは対面との相性差がはっきりしやすくなりました。(構造を突き抜けるほどのデッキパワーが規制対象になるということがここからもわかります)
・ゲオルグ天門
『トリーヴァドリメ』に比べれば「レモン」の弱体化はまだ軽微な方でした。
パワーが1000になったことで火力範囲になりやすくなった点や「アガピトス」で優先的にタップされる点、実質的に敗北回避効果が2回使用できなくなる点など、節々に下方修正の影響は見られるものの、デッキの根幹部分は揺るぎません。
「レモン」も色基盤として優秀な側面はそのままであったため、引き続きの採用もよく見られました。
『リースドリメ』同様に3コストの枠には「フンヌー」も候補として加わり、玄人好みなチューニングが試されていきます。
・赤白アポロ
二強の調整前から前環境のデッキでは最も活躍の見られていたアーキタイプでした。
『ドリームメイト』には元々五分以上が付き、不利な『天門』の『アポロ』対面のキーカードである「レモン」が弱体化したことから、明確に立ち位置が良くなります。
『アポロ』は後に閉塞的なデッキとしてひんしゅくを買っていきますが、その未来は飛び抜けた強さを持った二強のようなデッキでないとこれを抑えることのできなかった事実が暗示していました。
・メカオー
『アポロ』と同じく、これが活躍できなかったことがおかしかったのだと言わんばかりに復権していきます。
依然として速度に対してのトリガーケアが難しい『ドリームメイト』は不利寄りで、その他の対面も微不利を付けるものが多くありましたが、プレイヤースキル次第で勝てるデッキとして使用者が増えました。
無調整で相対的に地位が向上する『青単テクノロジー』に有利が付くのは強みとなります。
・ツヴァイ
『トリーヴァドリメ』のビートと『ゲオルグ天門』のコントロールに一定の回答を持っていたことは前述した通りです。
その二つにメスが入るならば、力の差が埋まるのは必然と言えるでしょう。
同時に『クローシス除去コントロール』の立ち位置も改善しましたが、『メカオー』と比べるとメタ的性質が強いパワーデッキとしてTierの上位に位置付けました。
そうして能力調整後6日間で終わったロマネスクカップの結果が以下です。
やはり一つ頭の抜けた『ゲオルグ天門』が首位となり、それに7弾の主要デッキとゆっくりと花を咲かせた『青単テクノロジー』と『ドリームメイト』が続きます。
マイナーどころでは『ドロマーゲオルグ』『赤緑アポロ』などのオリジナリティあるデッキも現れ、不遇だった『速攻』もバランス調整後には『赤白速攻』の活躍をみることができました。
総括すると、キルターンが5~6に早まった7弾の環境スピードからは若干低速化し、デザイナーズ一直線なデッキタイプもユーザーの創意工夫がみられる環境だったと評価できます。
8弾環境最後の環境はこんな感じ。
環境初期、調整前二強全盛期、調整後最終期と、どこを取ってみても環境が移ろっていることがわかるでしょう。
二強の爆誕とその後の停滞こそあったものの、能力調整が転機となった後は比較的穏やかなメタゲームが展開されていきました。
All Division 環境変遷
始まりはNDと同じく、赤を軸とした『ドリームメイト』と『クローシス除去コントロール』の流行でした。
そこから『ゲオルグ天門』と『トリーヴァドリメ』の登場によって激震が走ります。
このあたりのベースになる部分はNew Divisionと共通なため、特筆すべき点に絞っていきます。
環境前期
・ツヴァイ
7弾環境では規制まであと一歩か、というほどに環境を青ざめさせたデッキでした。
『ゲオルグ天門』『トリーヴァドリメ』というデッキが大進出を遂げる中で、食らいつくだけの地力を見せます。
シェアとしては二強でに並ぶほどにはなりませんでしたが、NDでもそこそこの『ツヴァイ』はフルパワーのADでは五分に近い地位で戦うことが可能でした。
新規の戦力こそないものの、「マーキュリー」や「パラディン」の増量が工夫として見られるようになります。
・トリーヴァドリメ
NDと大きな違いはありません。
『アポロ』が多ければ「ウル」、『クローシス除去コントロール』が多ければ「ウー・ワンダフォー」の採用など、構築幅の広さは売りでした。
・ゲオルグ天門
NDと最も異なる点の一つとして、「ロスト・ソウル」の採用がありました。
枠の捻出には相当悩まされますが、ミラーを初め有効な対面が多いことから一定の採用率を維持しました。
また、NDにも言えることですが、当初は0枚だった「魂と記憶の盾」は「ジェネラル・クワガタン」をはじめ、役割対象が増えることで採用数を増していきました。
8弾リリースから2週間ほど経った後開催されたささぼーCUP~新弾王決定戦~では二強が半数近くを占め、『ツヴァイ』『アポロ』『メカオー』が続くような格好となります。
以下は当時集計した、ささぼーカップの2日目に進出した(予選通過した)240名のデッキを集計した結果です。(1日目の8戦で5勝3敗以上の成績を残した)
全体比率と比べてもさほど大きな差はないので、順当に強いデッキが結果を残したと考えられます。
とはいえ、この大会をきっかけに明るみになったデッキもあり、ND同様に二強に抗うための開拓が進みました。
・青単テクノロジー
一つはND同様の『青単テクノロジー』です。
AD特有のカードとしては「キング・アトランティス」と「スパイラル・チャージャー」がありましたが、前者はほとんど採用されず、後者もどちらかと言えば少数派で採用枚数も1,2枚ということが多いものでした。
「ツヴァイ」に寄せた形が多数派となり始めた頃で、それに合わせて「アクア・トランサー」などの調整を試みられていきます。
・5cカチュア
『ツヴァイ』以上にADをADたらしめていたであろうデッキが、この8弾でND落ちをした『カチュア』でした。
舞台をADに移したところで転機を迎え、それまでの『デアリカチュア』から『5cカチュア』へと変貌を遂げます。
『カチュア』の特性であった事故率と爆発力を両方に押し広げたようなデッキで、「サファイア」+「ゲオルグ」のド派手な即死コンボがプレイヤーの注目を集めるのに時間はかかりませんでした。
もう二つ特筆すべき点を挙げるとすれば、一つは「バイオレンス・サンダー」を実用的に採用したデッキである点です。
紙から大幅にアッパーを受けて登場したカードですが、事前評価段階ではコストの重さから用途を見つけることが難しく、ハズレ枠とされていました。
それが最速5ターンで着地して、ゲームエンドに繋がるほどのアドバンテージをもたらすカードとして暴れたことで、カードゲームの奥深さをプレイヤーたちに見せつけます。
後に『カチュア』が環境落ちするまで、「バイオレンス・サンダー」を軸とした構築は主流であり続けました。
もう一つの特異点は、こちらでも「アガピトス」「ゲオルグ」のパッケージが使われた点です。
『ゲオルグ天門』に始まったこのセットはグッドスタッフとしてのパワーが極めて高く、あちこちへ出張が模索されました。
「ヘブンズ・ゲート」抜きにして構築が成り立つ知見を広めたのが、この『5cカチュア』でした。(すぐ後に「ヘブンズ・ゲート」を採用した構築も分岐して登場します)
その他NDにも書いた『メカオー』や『赤黒ドラゴン』、『ドルバロム』や『速攻』などが加わって環境が定まっていきます。
中期の環境分布は以下のような感じ。
NDに比べると『カチュア』と『ツヴァイ』が存在することによって他デッキの割合が減少していることがわかります。
まだ大した差は付かないかと思われたディヴィジョン分けでしたが、早くも効果が表れてきていました。
NDよりも環境は多様性がありましたが、そこで前述した通りの能力調整が訪れます。
環境後期
能力調整による影響は基本的にNDで述べた通りです。
ただし、「ビジョン」が殿堂入りになったことで『ツヴァイ』が下方修正された点がAD特有のものとして環境変化に影響してきます。
・ツヴァイ
とはいえ、「ビジョン」は場合によっては遅いという評価もあったことから致命傷とはなりませんでした。
ここまでは4枚投入されないケースも多かった「ハルフォート」が4枚になり、今後主流になっていく「マーキュリー」と「パラディン」を2:2、「ビジョン」と「スパーク」を1:3、その他を4枚にする形が一般化していきます。
「ビジョン」による”溜め”のプランができなくなったのは大きく戦術の多様性を削ぐものでしたが、それでもブン回った時の強さは健在で愛用者の多いデッキでした。
これのみの変化で、残りは3週間ほど先に予定されるBA4thを迎えるだけかと思われました。
ところが、ここに来て『ゲオルグ天門』『トリーヴァドリメ』『5cカチュア』に続く、第4の刺客が現れます。
後に長期間に渡って環境トップの座を譲らなかった『黒緑速攻』の登場です。
・黒緑速攻
きっかけになったのは、能力調整2日後の3/27に行われたユーザー大会「ELEMENT CHAMPIONSHIP 02」で準優勝の成績を収めたことでした。(クリックで準決勝からの配信動画が開きます。解説者の慌てる様子から、このデッキが当時まだ珍しかったことがよくわかります)
ここまでにほとんど結果報告の上がって来なかったデッキの突然の入賞に、プレイヤーたちは大きな衝撃を受けます。
実はこのデッキは8弾リリース初期には既に発見されており、ごくごく一部のプレイヤーによって最終ラインも狙えるほどの実力を持ったデッキだと知られていたことでした。
https://twitter.com/Kinomyu1/status/1363534194932998145
1か月以上の時を経て表舞台で活躍したことにより、爆発的に使用者を増やしていきます。
相性としては『ツヴァイ』と『メカオー』がやや不利寄りであったものの、それ以外のデッキに対しては軒並み五分か有利を取ることができました。
これは8弾環境が『速攻』不遇の時代で、どのデッキも基本構造から警戒を怠っていたことが遠因していたと考えられます。(この時期、『赤白速攻』で結果を出す人もいました)
一見不利に見える「ヘブンズ・ゲート」擁する『ゲオルグ天門』に対しても、安定した4キルを叩き出す『黒緑速攻』にはトリガー「ヘブンズ・ゲート」できるかに勝敗がかかっており、4枚のカードが盾に埋まる確率=43%が『黒緑速攻』に対する『ゲオルグ天門』の勝率とする言説もしばしば聞かれました。
ここを取っても如何にこのデッキのパワーが飛び抜けていたかがわかるでしょう。
・赤黒自壊コン
ゲームスピードを加速させる『黒緑速攻』が台頭したことで、対策として「バースト・ショット」や「地獄スクラッパー」の採用が多方面で増えていきます。
最も無難にその変化を汲めたデッキが『除去コントロール』でした。
「贈り物」に加えて「邪魂創生」がドローソースとして使えた上に、破壊に適した「飛行男」がADでは使えることから、青を切った赤黒の構築が確立します。
このデッキが前線に復帰したのは、
・苦手だった『トリーヴァドリメ』が能力調整によって後退した上に
・『黒緑速攻』に分のいい『ツヴァイ』に対して有利を付けやすく
・さらには『ゲオルグ天門』にも五分以上
という追い風が吹いていたことがありました。
ただし、それ以外のデッキには軒並み五分を下回るような相性が付き、トップ3に有利という魅力に対して重い代償を背負ったデッキでした。
それ以前にもありましたが、「インビンシブル・アビス」や「ザマル」を加えた『準黒単』、「ドルバロム」を加えた『赤黒ドルバロム』などへと後には分岐し、環境多様性の一翼を担います。
・ドリメ天門
『黒緑速攻』への対策が重課題となった例として、『ドリメ天門』が挙げられます。
「ジェネラル・クワガタン」の調整によって新しく成立した『リースドリメ』は『黒緑速攻』の猛攻を受けきることに難しいデッキでした。
ところが、幸か不幸か引き続き採用されていた「アガピトス」がブロッカーを持っています。
ビートを受ける=「ヘブンズ・ゲート」を入れるという点から、色の合う「ザーディア」含め採用された『ドリメ天門』が誕生します。
これには『ドリームメイト』の基盤が20枚前後にまとまっており、拡張性に富んでいた点がうまく機能していたと言えるでしょう。
防御としての「ヘブンズ・ゲート」が不要なコントロール対面には「パンダ」からのビートで有利を取ることができ、単純にして広い範囲への対抗を可能としたデッキでした。
こうして『黒緑速攻』を皮切りに新たなメタゲームが展開される中、EXパックの発売を目前とした4/18に集大成となるBA4thが開催されます。
当時カバレージを書いているので、詳細についてはよければこちらをご覧ください。
概ね下馬評通りの分布で、抜きんでた『ゲオルグ天門』に幅広いランク帯で見られた『除去コントロール』が続き、以下玄人好みの『メカオー』、No1ビートの『ドリームメイト』、前回優勝の『アポロ』、必殺兵器の『カチュア』…と続いていきます。
しかし、決勝トーナメントに駒を進めたデッキは意外も意外な面々でした。
母数に対して順当と言えるのは1件の『カチュアヘブンズ・ゲート』くらいで、『ドリームメイト』の2件と『闇自然速攻』の2件は全体シェアに比して多く、『水単テクノロジー』はたった3.7%の母数、『ブリザード』に至っては8弾で急激に勢いを落としてその他に分類されるアーキタイプです。(『ツヴァイ』は前回王者で決勝トーナメントからのシードだった)
上位母数3位までの計48.3%のデッキが一つたりとも予選を抜けられなかった点に大会の魔性が表れていました。
結果は『青単テクノロジー』を操ったゆーた/Nova選手の劇的な優勝に終わりますが、これも圧倒的不利多面とされた『ツヴァイ』に対する勝利であり、道中の『黒緑速攻』ミラーにしても先攻後攻どちらが有利か議論をはじめとして見ごたえのある大会となりました。
そうして最大のイベントであるBAを終えた後の最終的な環境分布は以下。
『カチュア』『速攻』『除去コン』に続いてようやく『ゲオルグ天門』擁する『天門』が来ますが、この時のADはメタの回転率が高く、こまめに上位使用率の入れ替わっていた環境でした。
総括
NDも含めた8弾環境を総括すると、7弾環境でも既に小さくない差のつき始めていたNDとADが、『カチュア』と『黒緑速攻』によって大きく隔てられることになります。
次々に登場するインパクトの強いデッキにユーザーの熱も高く、アポロヌスカップではNDの最終100位ボーダーが歴代最高となる1708を記録しました。
しかし、そうしたゲームの多様性に貢献した一方で、SRの面々や「ジェネラル・クワガタン」「アルバトロス」などに見られるように、ここに来てカードパワーのインフレは極限に至ります。
あれほど環境を替えた7弾の影が薄くなったことからも、気温変化に体調を崩す人がいるように、環境の変化に疲弊するユーザーも散見されました。
次弾から実装が発表されたEXパックの登場を目前に、次はどのような変革が起こるのかと期待と不安をない交ぜにして8弾環境は終わりを迎えていきます。
全50種のラインナップに再録も加わると発表された小型エキスパンションですが、その少数精鋭がもたらす嵐の萌芽がこの時既に見えていたというのは後の話です。
その他、当時あったこんなことやあんなこと
PLAY'S ARENA「切札勝舞杯」開催(2021/2/25~3/9)
公式大会であるBATTLE ARENAを除いて、初の疑似大会モードであるPLAY'S ARENAが開催されます。
ステージが3段階に区切られ、一定期間内に前のステージで5回戦を行い、指定回数勝利できると次のステージへ進むことができました。
具体的にはこんな感じ。
1,2は複数回チャレンジ可能だったものの、最終ステージは1敗すると即終了と少々厳しいルールでした。
スリーブは最終ステージ進出者、プレイマットは最終ステージ4勝以上、称号とプレミアムチケットは最終ステージ全勝者のみ手にれることができたため、プレマ以上の報酬はなかなかにレア要素の強いものとなります。
プレミアムチケットはこの時が初出で、後にDMPで交換できるようになるものの、先行き不透明な当時の希少性はかなりのものでした。
ステージ1,2は追加挑戦が可能だったので作業感もあり、実質的な勝負が合負けたら即終了の最終ステージのみな点や、報酬等の面でさほど評判が良くなかったのか、この後1年間お蔵入りとなります。
アポロヌスカップの報酬誤配布(2021/3/1)
本来最新パックであるはずの8弾がランクマッチ報酬で配布されるはずでしたが、なぜか7弾が配布されてしまいます。
その後すぐに8弾のパックが配布されるものの、7弾を回収するわけにもいかず、実質的にユーザーに多量の7弾パックを配布することとなりました。
イベントと年末年始の配布行事が重なったことから、この時のデュエプレはかなりユーザーにモノを与える状態となっていました。
売上との関連性を当時の私はキナ臭い記事で勘ぐっていますが、もしそうだったとするとこの報酬倍配布もなかなかに痛い失態だったと考えられます。
WIXOSSコラボ開催(2021/3/18~4/22)
デュエル・マスターズと同じタカラトミーが販売するカードゲーム「WIXOSS」とのコラボが実施されます。
発表当初の所感としてはWIXOSSとデュエル・マスターズの両方の経験を持つ人は少ないと考えられ、「需要があるのか…?」と疑念を持つプレイヤーも多くいました。
ただ、実際の数値は不明なものの、コラボスキンやプライズを所持しているプレイヤーはこれを書く2022/9に至るまで多く見られ、それなりの好評を博していたと考えられます。
WIXROSSがヴィジュアルに焦点を置いたカードゲームということもありますが、やはりかわいいは正義だったのかもしれません。
余談ですが、「アガピトス」が早期にバランス調整の対象とならなかったのは、このコラボでプライズ化していたことが大きく影響しているのではないかと考えられています。
描かれたキャラクターの「タマ」と「アガピトス」との関連性が考察され、これ以降はコラボの度にプライズカードを推察するユーザーが現れる契機となりました。
バランス調整実施(2021/3/25)
環境変遷のところで述べた通り、環境を大きく変える調整が実施されます。
これも当時記事を書いていました。
「ビジョン」の規制に関しては、「ツヴァイ」本体がこの1年3か月後に規制されることになるので、振り返っても感慨深いものです。
結果的には思惑通りか『ツヴァイ』はちょうどいい位置に収まる弱体化となりました。
その他「ジェネラル・クワガタン」はほとんど見られることがなくなり、「レモン」は「アガピトス」に調整が入るまでは引き続き『ゲオルグ天門』や『ドリームメイト』での採用が見かけられる程度に落ち着きます。
ただし、『ゲオルグ天門』にとっては誤差にも近いような影響で、課金対象とした「アガピトス」を調整できないことによる”大人の事情”を感じさせる一枚でもありました。
上方修正された「アルグロス」は時たま『アポロ』や『グール』系で見られ、『グランドデビル』もそこそこ環境で戦えるデッキとなったことから、振り返れば上手い調整だったと評価できます。
次弾よりEXパックのリリースが決定(2022/3/24)
3/24の公式番組にて概要が発表されました。
エレナを筆頭に、シークレットカードに守護者スキンとBGMが特典となる仕様はここから始まりました。
EXパックはフィーチャーされるテーマはもちろん、再録カードやこれまで収録タイミングを逃したカードの収録などもあり、レギュラーパックとは違った毛色で毎度プレイヤーを期待させます。
ただし、このEXパック以降は開発スケジュールが過密になったためか露骨に不具合報告が多くなり、開発体制を不安視するユーザーも増えました。
そのせいもあってか、10弾EXを以てEXパックのリリースは終了となります。
目を疑うような明らかに粗末なタイトル発表からも、何かに追われるような運営の様子を感じ取った人もいたかもしれません。
8弾SR総評
8弾環境での当たりSR
・連珠の精霊アガピトス
後から語るならば語りようもないほどに大活躍をし、”アガピマスターズ”ならぬ言葉さえ生み出した大当たりカードでした。
ボードコントロール力と打点形成力などの総合的なカードパワーがあらゆる角度から着目され、コントロールにもビートダウンにもされていきます。
”〇〇がなければデッキにあらず”という格言の〇〇に入れるのに、「アガピトス」ほどふさわしいカードは後にも先にも存在しないのかもしれません。
この後下方修正を受けて一時的に分解ポイントが増えたことからも、何枚持っていても損をしない最優良SRだったと言えます。(しかもイベントで1枚入手可能だった)
意外も意外なことに、発表当初はさほど芳しい評価を受けず、「まあまあ」「面白い」「弱い」の声が多数を占めていました。
その一端はTwitterで公開された際のリプライ欄から確認することができます。
このカードの評価に関しては恥をさらした、という人も少なくないかと思われますが、7弾のリーサルターンを5に据えた強力な切り札たちや、何より「ヘブンズ・ゲート」を封殺する「マーキュリー」の存在を加味するといたしかたないと言えるでしょう。
かく言う私も、有用性をわかっておきながらあまり高い評価はしていなかったので言い訳とさせてください…
これ以降、カードを評価するにあたって環境要因を排除するようになりました。
当初より常に活躍を続けるものの、WIXOSSコラボでプライズ化したためか、能力調整は2021/6/10と遅めのものでした。
しかし調整後もカードパワーは十分であり、なお環境入りを続けるだけの力を持った恐ろしいカードであったと評価できます。
・幻獣竜機ボルパンサー
当初『ドリームメイト』が環境入りした際には白青緑のトリーヴァカラーがメインであったため、このカードの採用先はミッドレンジ戦略も取れるようになった『アポロ』程度でした。
ただ、2021/3/25に「ジェネラル・クワガタン」の能力調整がされて以降は『ドリームメイト』がリースカラーに移行し、このカードも4枚必須となります。
「ジェネラル・クワガタン」が早期に規制されたのは、SRである上にWIXOSSコラボでプライズ化したこのカードが日の目を見なかったことも影響していると考えられます。
実際のスペックは5コストのSA2点ということで相当時代を逸した破格なものであり、めちゃくちゃなインフレ具合に当時私は事前評価の段階から消沈したものでした。
・竜極神
その強さ、まさに神の如しと言えるほどにカタログ上でも実際の対戦環境でも強いカードでした。
コストが許容できれば色が合うデッキすべてに採用できるほどで、後には「フェアリー・ギフト」と併用されることで多くのヘイトを集めるまでに成長します。
2021/10/12に殿堂入りをするまで縦横無尽に環境を駆け抜け、今なお「ボルバルザーク」に匹敵するデュエプレ史上最強格のカードとして人気を集めています。(デュエプレ人気投票2021では「魔光大帝ネロ・グリフィス」に次いで2位)
ただ、発表当初は7コストを重いと考える筋もあったので、「アガピトス」同様如何に7弾がプレイヤーの常識をぶち壊すものであったかをここからも感じ取ることができます。
「アガピトス」と比較してどちらの方が壊れていたのかは賛否の割れるところです。
余談ですが、8弾リリース時のタイトル画面にはシークレットの「ロマネスク」「オルゼキア」の後ろにこのカードも見られました。
事前発表でも満を持しての公開であったことからこのカードがシークレットでもよかったのでしょうが…
後の人気投票でも上位に食い込んだだけに、様々な角度から”もし、あの時”と思わせるカードです。
・超鎧亜キングダム・ゲオルグ
発表当初から圧倒的な制圧力・攻撃力を兼ね備えたカードで、ドロマーカラーの「ボルバルザーク」なのではないかとプレイヤーの期待と不安を集めました。
ネックとなりそうな色はむしろメリットとしても扱われ、こちらも「竜極神」同様色が合うデッキでは色基盤・グッドスタッフとして積極採用されていきます。
特にその名を冠する『ゲオルグ天門』での「アガピトス」との組み合わせは最強の名に相応しく、「ヘブンズ・ゲート」1枚踏んだだけで返しのターンに発生する「ゲオルグ」からの盤面壊滅や突然のリーサルに多くのプレイヤーが慄いたものでした。
2体揃うと無限攻撃を繰り出せる点は、「ボルバルザーク」を想起させるだけのパワーを十二分に持っていたと言えます。
これを書く2022/9現在の基準から見ても色・進化条件・効果のどれもが環境一線級のハイスペックカードです。
あまりの強さから「アガピトス」と同時期に調整の対象とされ、大幅な弱体化を受けて見るも無残な姿へと変貌しました。
まあまあ枠のSR
・魔刻の斬将オルゼキア
紙ではトップレアとして当時数千円したカードも、デュエプレでそのまま登場するとまあまあの評価でした。
いや、前述の面子の中でまあまあに位置づけるだけでもすごいのですが…
『除去コントロール』系や『天門』後の『黒緑ドルバロム』に採用され、デッキのいぶし銀として働く2枚程度持っていると便利なカードでした。
W・ブレイカー級の大型を2体同時に取れるカードは非常に限られ、相手の意表を突くアイデンティティは紙から引き続き見ることができました。
・極仙龍バイオレンス・サンダー
色と効果は優秀なものの、コスト10はさすがに重すぎるだろうとする声が当初は多く聞かれました。
が、「カチュア」と組み合わせることで理不尽なまでのアドバンテージを稼ぐコンボが現実的だと判明するや否や、それまでデアリガズカラーで組まれることが主流だった『カチュア』が『5cカチュア』への道を歩む立役者となります。
コスト以外の面では進化元の緩さも効果も色も優秀なため、その後も様々なネタからガチ寄りのデッキでそこそこの活躍が見られました。
後に開かれる公式イベント・配信者王決定戦で優勝したささぼーさんが指定したことで、全ユーザーに1枚プレゼントされます。
・無双竜機ボルグレス・バーズ
盤面にこそ干渉できないものの、ドラゴンデッキにおけるリソース回復手段としては最強の部類で、「オルゼキア」と並ぶいぶし銀的な活躍を見せます。
緑の加わった『アポロ』が躍進する契機ともなり、ドラゴンの多めに入ったデッキでは広く採用を検討されるカードとなりました。
ドラゴンデッキに緑を入れる意味とも言えます。
8弾実装時は「ボルバルザーク」がNDでも使用可能だったため、1枚しか入れられない切り札をマナゾーンから回収する役割で使われるシーンも見られました。
後に再評価されたSR
・龍仙ロマネスク
パックの表紙を飾った紙ではぶっ壊れ殿堂入りを経験するこのカードも、知実装にあたっての調整が痛く、華々しい活躍とはいきませんでした。
5c系のデッキや『アポロ』でちょくちょくと採用は見られたものの環境級とは言えず、活躍するには11弾の「バルガライゾウ」を待つ必要があります。
紙のままで登場した「オルゼキア」とは対照的に、デュエプレでの調整が重くのしかかったカードでした。
・超神星ネプチューン・シュトローム
登場当初はせいぜい『グランド・デビル』に採用が見られる程度でしたが、後に9弾EXで「ボルフェウス」が登場すると、そこに加えられて『ネプチューン天門』とデッキ名を冠するまでになりました。(一般的な呼び名は『ボルフェウス天門』でこの呼び名は通称ですが、制作者への敬意を込めて)
まさか最も重い進化元であるエンジェル・コマンドをメインとしたデッキで、環境トップクラスの活躍が見られるとこの時点で想像できた人はいなかったことでしょう。
イラストの壮麗さと美声から放たれる”ネプチューン・バニッシュ”には未だに多くのファンがいるとかいないとか。
・超神星ビッグバン・アナスタシス
他のカードよりは一段下がりますが、こちらもまったく活躍をしなかったというわけではありませんでした。
進化元が豊富なことから、後に『アーク・セラフィム』が環境入りした際や、『ドリームメイト』のファンデッキ、「アポロ」殿堂後に「ヘリオライズ」の探索先をスカらせない役割として『赤緑アポロ』に採用された実績があります。
条件は厳しいながらも豪快な効果にいくつものドラマが生まれました。
デュエプレ史上屈指のインフレ弾ということもあって、SR10枚中3枚の規制を輩出することとなります。
いずれのカードも環境進出を果たしたため、ハズレなしのラインナップで買い得な弾でした。
まとめ
ここまでにだいぶ長い記述となったので今更述べることもないでしょう。
その字数、なんと2万字超え。
ただ、このゲームの2か月に及ぶ期間をまとめるには正味これでも文字数が足りていません。
途中から本当に辞書を編むような気持で書いていましたが、記録としてのこの記事がいつか誰かの役に立つことを願っています。
当時同じようにプレイしていた方は一緒に感慨に浸ってもらえると、そうでない方には「そんな時代があったんだな」と知ってもらえると幸いです。
では次は8.5弾環境篇で。
参考
【ウェブサイト・記事】
DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)|タカラトミー
DMPP-06~DMPP-10環境 (デュエプレ) - デュエル・マスターズ Wiki
【記事】(拙著)
デュエプレ8弾環境考察(NEW)(2021/2/18~/3/3)
ささぼーCUP~新弾王決定戦~から見る環境考察(デュエプレ8弾ALL環境)
BATTLE ARENA 4thに向けたALL環境考察(デュエプレ8弾)
BATTLE ARENA 4th 決勝ラウンドレポート(デュエプレ8弾)
【動画】
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